生きる力 心でがんに克つ | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
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食道がんを、手術をせずに「陽子線治療」という最先端医療技術によって完治した
なかにし礼さんのベストセラーとなったエッセイ。
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なかにし礼さんが、ガンを宣告されたとき、何を考え、どう行動されたか ?
なかにし礼さんの死生観、
シャンソン翻訳家 → 作詞家 → 直木賞作家 と変転した人生折々の記憶、
なかにしさんの闘病生活を精神的に支えたという文学作品群、
陽子線治療とは実際どういうものなのか ?
などが克明に記されていて興味深い。
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( 追記 )
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なかにし礼さんは、その後、ガンを再発され、
それもまた見事に克服されるのだが、
その経緯をなかにし礼さんが記した「闘う力 ~ 再発がんに克つ」については、
以前拙ブログでも紹介した( → コチラ )。
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治療的には、再発・転移ガンの方が格段対処が難しいとされるが、
患者本人からすれば、初発のガンが発見されたときの方が、
はるかにショックは大きい。
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事実、この「生きる力 ~ 心でがんに克つ」には、
「自分がガンになった」という事態をうけいれるまでの心の葛藤や、
それまでの人生を回想するシーンが
(迫りくると思われた「死」との関係で)生々しく描写されていて、
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読み物として、あるいは、文学的な香りという点では、
こちらの方が上だろう。
( 両書とも面白いのだが、どちらか一冊となれば、こちらの方をお勧めする )
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以下は、「生きる力 ~ 心でがんに克つ」の内容紹介。
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「 ステージ3の食道がんが見つかった著者。
慌てて掛かった名医たちは一様に
「抗がん剤・手術・放射線」をがん治療の三種の神器と唱え、
手術による切除を強く勧める。
だが、心臓に不安を抱える著者は手術をためらい、
切らずに治す方法はないのかと疑問を抱く。
消化器外科医にはじまり、抗がん剤治療の名医、
内視鏡手術のゴッドハンド医師、緩和治療の専門医と訪ね歩き、
「理想の治療法」探しの旅はついに「陽子線治療」に辿り着いた ! 」
(「内容紹介」)
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「 抗がん剤でがんをたたく、手術で除去する、放射能を当てて再発を防ぐという
「治療の常識」を拒むことに決めた―
心臓病を抱えながら、ステージ3の食道がんと闘った体と心の気高い記録。
インターネットで見つけた最新先進医療=陽子線治療で、いかに、がんは消えたか。
大反響を呼んだ話題作が待望の文庫化 ! 」
(「内容」)
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