京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

左義長の炎

2018年01月17日 05時35分30秒 | 社寺


さて、本日は、左義長の説明。
左義長(さぎちょう)は、どちらかというと神事の色合いが強くなる。
左義長は、「正月神事」の一つ、正月神事とはどういうことをするのか。
ここから先は、今熊野神社の宮司さんがお話になったことを要約します。
だから、歳徳神というのは出て来ません。
でも一年に一度、各々の家に神様がやってくるというのは共通です。



正月神事は、「年神様」をお迎えするのが目的。
「年神様」は、祖先の霊をお迎えする。1月1日から14日まで祖先の霊をもてなす。14日が終わったら山へ帰っていただく。帰られた祖先の霊は、山の神となる。
山の神として、我々に水を配ってくれる。色んな動植物を育み、与えてくださる。つまり我々に幸せを与えてくれるのが山の神。
山へお帰りになる時、お正月のお飾りを燃納するのが左義長神事。



年神様は、山へ帰ってしまうということなんだろうか?
各家庭にずっと神様が常駐じゃなく、場を整えるということなのかな?
神仏というのは、そういう役割なのかも。
われわれ、人間に神仏的な場を作るということかも。
でも人間は、この世に生きて居る。
切った貼った、良からぬことを考え、またする存在。
好きなようにさせておくと汚れてしまう。だから時々穢れを祓い、清める必要があるのかも。穢れているから同じような波長が近づいてくる。結果的に運命が悪くなったり、病気になったりするということなのかも。
なら山へ帰ってもいいのか。



平安時代になり、嵯峨天皇と弘法大師空海が元々神道だった神事を仏教と習合した。
元旦から7日までは、神道でお祀りし、後半8日から14日までは、真言密教で年神さんをお祀りすることになった。だから宮中で神道と仏教で神事を行った。
明治時代になり、明治天皇が後半の仏教でのお祀りは、東寺でやるようにとなった。



そのような事情で、今熊野神社では、神主が祝詞をあげ、修験の方に般若心経をとなえてもらっている。神主も一緒に般若心経を唱えるのは面白い風景ですよ。
そして着火し、玉串をあげる。



その後、修験者がお加持をしてくれる。お加持というのは、気功治療みたいなものかな。各々の魔を祓いのけてくれている。



もうひとつ左義長神事の特徴がある。
今年の「吉凶を占う」ということです。
具体的には、火の上がり方、煙の出方、倒れる時の方向・・・一番いいのは恵方・・・を見るのです。
昔なら陰陽師がそれを見て占う。
いま、ここに陰陽師はいない。
「どうするのか?」
「御神籤を引く」というのがそれにあたるそうです。
軽く神社の営業ですね。(笑)



というような内容でした。
なるほどと思いました。
日本の習合はすごいですね。
他の国では、ここまで宗教同士が融合していません。


↑火の回りのあまりの早さにビックリしました。火の元には注意しましょう!

この炎の中に顕れる仏さんは、不動明王なんだそうです。
なるほど、すべてを浄化してくれるのかな。



神社も神事をこういう風に解説してもらえるとわかりやすい。
言いたいことを言う為、神社本庁から独立したのかも。
敷地をマンションや駐車場にするため、独立するよりまともかもしれません。

まだ、写真が残っているので明日に続きます。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (すー)
2018-01-17 13:20:44
>好きなようにさせておくと汚れてしまう。だから時々穢れを祓い、清める必要があるのかも。
ですよね、だから時々、そうした行事で・・ということでしょうね。
人間とは流される弱いものですから!
>すーさん、おはようございます (京男)
2018-01-17 14:37:54
顔に汚れている人に「あなた、顔が汚れていますよ」と教えてあげても、大抵の場合「教えてくれて、ありがとう」なんてことにならない。自分だけは、汚れてないと思っていますからね。だから自動的に汚れを落とす作業をしないといけないのかも。
こんばんは。 (路渡カッパ)
2018-01-17 18:01:49
火を甘くみると怖いです。
ちなみに、22年前の今日1月17日はウチが火事を起こした日でもあります。
その節はご迷惑おかけしました。
>路渡カッパさん、こんばんは (京男)
2018-01-17 18:16:13
そうですよね。
阪神淡路大震災の次の時だったのね。
1月17日でしたか。
無事でよかった。

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