ヒロちゃん一言居士

世の中に対する警句を随時発する

文月雑感’17

2017-07-22 12:41:58 | Weblog
 歴代の、我が国の政治家全般に、押しなべて欠けている認識の最たるものは、【「国家予算」というものは、歳出と、歳入とから成り立っているものである】ということである。

 今までの、戦後の歴代の首相の中で、本気で「歳入」のことを考えた人がいたであろうか?
終戦後、我が国は、バブルがはじける迄、おおよそ50年、一直線に、経済は成長し続けた。それに伴う各種税収も、順調に伸びてきた。これは、彼らの経済政策が、非常に素晴らしかった結果では断じてない。
 この国の、一般庶民が、本質的に、真面目で勤勉だったことによる。従い、政治家の質が少々悪くとも、彼らが勤勉に働いている限り、「歳入」というものを意識しなくとも、国家の収入は、伸びてきたのである。
 そのため、政治家は、その「歳入」を如何に、使うかに専念すれば、事足りた。
 それが、バブルがはじけて20年になろうとしている現在でも、継承されて、政治家は、如何に「歳出」をどの部門に分配して行くかにかまけて、「歳入」(主に税収)をどのように確保するかの視点が決定的に欠けている。
 よく私が例に出すように、こと、一家庭に限っても、家計の収入が、少なくなった時は、食費を軽減するとか、旅行を控えるとか、いろいろ工夫して、借金をしないように努力するものだが、ここ20年の与党、特に自民党の、首相始め、主要閣僚、それを支える議員連中は、バブルがはじけた後も、税収減に伴う「歳入減」を意識した形跡すらないといっても過言ではない程に、無視し続けてきた。

 こんなことで、国家の運営が成り立つはずもない。政治家の基本中の基本の資質に欠けた連中が、政治家になっているからである。

 「歳入」、増税と言い換えた方が分かり易い。増税は、有権者には受けが悪いから、殆どの人が、分かっていても、口に出しにくいということは、理屈上は理解できるが、本当の政治家は、そんな、耳が痛いことを口にし、それを実行するのが本筋である。

 今、安倍内閣が、支持率低下で苦しんでいて、それをどのように、改善して、昔の「一強」時代を取り戻すか躍起になっている。

 「TWITTER」や「FACEBOOK」を見ていても、今の政権に、辛口のコメントをしている投稿者はたくさんいる。右も、左も、口汚く、政権や、それに反対する人への悪口雑言が、溢れている。

 その中に、安倍政権が、年金受給を75歳まで遅らせ、年金財源の改善をしようとしていることに、憤りを感じ、いつものように、口汚く政権を罵っているが、私にいわせりゃ、最近の、この政権の数々の馬鹿げた政策や立法なんかに比べりゃ、久しぶりに「歳入減」を意識した、素晴らしい考え方だと思う。

 冷静になって考えてみよう。若い人には気の毒だが、歳出を減らすことは、最大限の政治課題である。その中でも、福祉への予算減額は必至と私は考える。そのためには、年金への支出を減らすか、現在年金を受けている人々を、再び働かせて、税金を払って貰うという選択肢は、現実的であると考える。
 元気で働ける65~75歳までの人々に働いてもらい、年金は一時的モラトリアムとして、支払いを停止し、働いた時間に応じ、それ相応の税金を払ってもらうというのは、非常に、現実的で、実施可能な政策だと考える。

 それにしても、政権に、悪口雑言を浴びせ続ける人々でも、自分の懐が痛むような、私に言はせりゃ「立派な」政策には、思想の左右を問わず全て反対する、という態度は、私は、国民としての自覚が足りぬような気がする。
 自分の懐とは直接関係ないことには、厳しい意見を述べ、政治に対して、良くチェックしていると言う様な人々が、一旦、自己負担に関わる様なことになると、突然、何れも思想的な背景とは関係のない、絶対反対になるのか理解し難い。

 政治に文句があるなら、また、それなりの立派な意見を述べる能力があるのなら、自分が犠牲になることや、それなりの理屈に合った増税などには、同時に、いくら懐が痛もうと、賛成するのが、本当の国民であるはずだ。何か意見を述べるなら、それと同時に、義務も生じることを肝に銘じてほしい。政治家の質は、その国民の質に準じるということを意識しよう。

             ヒロちゃん拝