ちからをぬいて気楽にいきたい

たま~に本や映画の感想,雑感を書き記してますが,よく長期で留守にしています。

映画感想 「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」

2010年11月21日 | 映画
 先週の土曜日、気分転換に映画でも観ようかと思ったもののこれといった映画が見あたらず、とりあえずちょうどいい時間帯の「インシテミル」を観てみた。藤原竜也主演、ほか北大路欣也、片平なぎさ、綾瀬はるか、石原さとみら主演級をずらっとそろえた出演陣であったが、ネット上での感想ではさほど評価が高くないとの妻の話。
 2010年度「このミステリーがすごい!」1位となった原作は読んでおらず、ほとんど前知識がない状態で観た映画であった。
 さて、いきなりであるけれど、2時間近い映画を見終わったあとの感想。一言でいうと妙な虚脱感を感じてしまった。様々な経歴を持つ10人が暗鬼館という限られた空間の中で織りなす葛藤と衝突。これは現代社会を端的に表したものであるのだろうなということは感じられるのだが、どうしても脚本と演出がうすっぺらく感じられ、ミステリーそのものにもひねりが感じられず(原作はどうかわからないけれど)、恐怖感もわくわく感も感じられず淡々としたなかであっさり終わってしまった。見終わったあと、あれ!?なんだこの映画は!何の印象も残らなかったぞ!ということで前述した虚脱感に包まれてしまったのだった。
 はっきりいって期待はずれ(というかはじめからさほど期待もしていなかったのだが)の映画で、2時間の時間を返してほしいとまで思ってしまったのだけれど、そんな中で救いを求めるとしたら武田真二であったろうか。一人異彩を放ち一番印象に残った(役柄的なものもあったとは思うが)。
 一方、主演の藤原竜也は、ちょっと力が入りすぎている感じがして、周りから浮いていたように感じられてしまった。
 石原さとみといえば、少女時代の映画「わたしのグランパ」の楚々とした印象があったが、ちょっと変な方向にいってしまっているみたいな気がする。
 綾瀬はるかも何となく陰が薄く感じられた。北大路欣也は演技としては申し分なかったけれど、この映画にはもったいなさすぎた。ほかの出演者では、阿部力と平山あやはまあまあ。大野拓郎はほとんど存在感なし。石井正則はそれなりの演技だったが、可もなく不可もなくといったところか。
 とにもかくにも、僕にはこの映画は失敗作に思われた。その大きな原因としては監督や脚本家などの制作陣にあるのではないだろうか。制作陣、出演陣みな自己満足の映画に思えてならない代物だった。この映画を世界公開して大丈夫なのだろうか?かなり心配だ。