川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

動物園な一日

2006-03-11 21:29:45 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
 昨日、「動物園にできること」の配本で、買ったよー、というような連絡をメールでいくつか受ける。ありがたいこと。東京動物園協会の大平さんが発行しているメルマガにも、的確にして好意的なレビューが掲載された。発売日当時に配信、というのがすごくありがたい。
 というところから始まって、期せずして動物園な一日になる。

 午後、多摩動物園で開かれた「動物園研究会」にひさしぶりに顔を出した。
 動物園が自治体の直接運営を離れて、「指定管理者」に委ねられようとしているきょうこのごろ、多くのことがそれに連なって変わろうとしている。すごくエキサイティングな時期を迎えようとしているわけで、すごく面白かった。
 野生動物を飼育するというのは特殊なスキルだ。それを培ってきた共同体をはずして、新規参入した者がそう簡単にできることではない。にもかかわらず、やはり、「職員全とっかえ」みたいなかたちでの入札をしてくる団体もあったり、行革ってやつの勢いをまざまざと見せつけさせられる。
 もちろん、これには良い部分と悪い部分があって、そのあたり、今後、つっこんでいったら良いテーマになるであろう、と素朴に思う。
 
 日本の動物園勤務者には、「動物園人」であるというアイディンティのほかに、「公務員」であるというアイデンティティもあって、それを失うことについての恐怖感というのがある、という発言があって、はっとする。
 そりゃあそうだ。だからこそ、「動物園人」といしての誇りの部分が、これから先大事になっていくのだろう。
 
 懇親会に参加したら、朝日新聞の夕刊が回覧されていた。
「ペンギンの本家を救え??チリから繁殖研修」という見出しで、一面の半分以上のスペースを使ってフンボルトペンギンの危機について語っている。ペンギン会議のクリーンヒット。チリから研修で来たクビジョスさんが、チリに帰った後、日本の「飼育技術」を伝えていってくれれば、現地での保護にも大きな弾みになる。というような話。「日本人はペンギンに癒されてきた。恩返しがしたい」という上田一生さんの発言は、まさにその通りだと思う。

 家に帰ってくると、留守番電話に、町内会のおばあちゃんからメッセージが入っていた。元学校の先生で、読書家。いつだったか「ペンギン、日本人に出会う」と「サボテン島のペンギン会議」を差し上げたら、いたく喜んでくれた。メッセージの内容は、「朝日新聞の夕刊をみたら、フンボルトペンギンのことが書いてあった。うれしくて電話しました」という、なんともたあいのないもので、逆にうれしい。
 
 さて、あしたは学童の進級お祝いアンドお別れ会。
 朝から夕方まで、やたらとスケジュールが詰まっていて、これがもう大変そう。

宮崎哲弥氏による『「ニート」って言うな!』の書評

2006-03-11 07:43:45 | ひとが書いたもの
リンク: asahi.com: 「ニート」って言うな! [著]本田由紀、内藤朝雄、後藤和智?-?書評?-?BOOK.

宮崎哲弥氏による書評。朝日新聞の書評欄というのは今も隠然たる、というか、かなりあからさまな影響力を持っているので、この書評はいわれなき「若者たたき」について注意を喚起するのに追い風になるかも。
ちなみに、この本については、書評(もどき)を「大人のウォーカー」という雑誌に書きました。遠からず書店で読めるはずです。