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「小鹿田焼ミュージアム渓声館」は無事 被害の詳報が出始めた [高見乾司の神楽絵巻/アートスペース繭<6>]

2017年07月14日 | Weblog
北部九州豪雨・日田市小野地区山崩れの上流部にある「小鹿田焼ミュージアム渓声館は無事」という現地からの報告がありました。ご心配、ご配慮をいただいた皆さん、ありがとうございました。


・玄関前(外部)に約20センチの土砂が堆積。建物の損壊はなし。


・一階玄関付近の建物内部。浸水し、約2センチの土砂が堆積。


・二階への上がり口付近。1センチの土砂。企画ギャラリー部分への浸水はなし。展示中のテキスタイル・草木染め資料等にも影響なし。


・一階ショップ&喫茶部門への浸水はなし。

以上、被害は最小レベルといっていい状況です。撮影は一昨日現地入りした梅原館長。私は明日までの東京での企画展が終わり次第帰郷し、現地入りします。仲間たちも待機してくれています。

     ☆☆☆

孤立状態となっていた小野谷上流部・小鹿田地区への仮設道路が開通し、被害の状況が明らかになりつつあります。小鹿田の里では、唐臼が流失し、採土場の一部が崩壊するなど、深刻な被害が出ている模様。現地の人たちが元気に復旧作業に取り組んでいる様子も伝えられています。以下に記事を添付します。

◎毎日新聞2017年7月13日 東京朝刊
九州豪雨
孤立解消した地区 生活再建、いつに 散乱する流木・濁流跡 大分・日田

 九州北部豪雨で被災した大分県日田市では12日、大規模な土砂崩れが川をせき止め「土砂ダム」ができた小野地区と、鶴河内地区の孤立状態が解消した。

 午前10時過ぎ、帰宅する避難者らとともに開通した仮復旧道路を通って孤立化していた地区に入った。地区内には窯元10軒が集まる陶郷、小鹿田(おんた)焼の里がある。久しぶりに通る車を見て、窯元の小袋定雄さん(68)は「これで生活が保障された」と喜んだ。
 集落内には流木が散乱し濁流の跡が残る。孤立化した間、住民は道の泥をかき出したり、炊き出しをしたりと、協力して苦難に立ち向かった。
 窯元の坂本浩二さん(42)は「陶土を砕く作陶の生命線である唐臼4基のうち1基が濁流で流出した」と嘆く。小鹿田焼協同組合の坂本工理事長(53)は「問題は今後だ。陶土採掘場も崩れた。復旧に何カ月もかかる」と表情は険しい。

 鶴河内地区の梶原信雄さん(62)はスーパーで食料を買い込み車で帰宅した。これまでは徒歩で避難所と自宅を往復しており「これからは生ものも買って帰れる」と喜んだ。
 「土砂ダム」上流に住む井上博愛さん(66)は、6日に自衛隊ヘリで救出されてから初めて自宅を一目見ようと車を走らせた。至る所に転がる岩。屋根だけ残して潰れた家。自宅に近付くと異様な臭いが鼻をつく。その先には池でコイが折り重なって死んでいた。次の瞬間、見慣れた2階建ての自宅が目に入った。「無事だった……」。裏山から流木が押し寄せていたが、自宅の直前で止まっていた。
 だが、2階の窓から見る景色は一変していた。崩れた山肌。土砂ダムに沈んだ家。軒下に干されたままの洗濯物が風に揺れる。涙をこらえ、つぶやいた。「この集落に人が戻れる日は、いつやろうか」
 集落への道はつながったが、土砂ダムを迂回(うかい)する仮設道路の完成は早くて19日までかかる見込みで、地域内のインフラなどの復旧はこれからだ。市内の複合文化施設「アオーゼ」では仮復旧道路の開通の知らせに避難住民から歓声が上がった。だが「(帰宅には)軽自動車で車高が高い車で行くように」との市職員の説明に、ため息が漏れた。道路状況などから大きな車が通れないためだが、井下忠芳さん(66)は「軽自動車は自宅に置いたまま避難した。今日はいけないね……」と肩を落とした。

◎7月13日大分合同新聞朝刊
唐臼が身代わりに 小鹿田焼の里、数基流失

多くの唐臼が壊れた。陶工らは「5年前の豪雨災害よりひどい」と語る
唐臼が身代わりに 小鹿田焼の里、数基流失

 福岡・大分豪雨で、国指定重要無形文化財「小鹿田(おんた)焼」で知られる日田市小野地区の窯元が深刻な被害を受けていたことが12日、分かった。川の流れを利用し陶土をたたく木製の唐臼は濁流にのまれ、壊れていた。集落からは独特の音が消え、秋恒例の民陶祭は今年の開催が困難という。300年以上の伝統がある「小鹿田焼の里」は大きな試練に直面している。
 川沿いに10軒の窯元が連なる同地区の源栄(もとえ)町皿山集落は、大規模な土砂崩れでダム化した小野川の上流部にある。豪雨後は孤立状態が続いていたが、応急工事で1週間ぶりに道路が通じた。
 「ギー…ゴットン」という聞き慣れた、のどかな唐臼の音は聞こえない。救援活動などで上空を飛び交う自衛隊ヘリの音だけが山里に響く。
 集落には計約40基の唐臼がある。小鹿田焼協同組合理事長の坂本工さん(53)方は3基ある唐臼のうち1基が流された。「唐臼が身代わりになってくれたのかもしれない」
 他の窯元も濁流で唐臼は壊れ、少なくとも5、6基は押し流されていた。修理は地元の大工1人が担っているため、復旧には数カ月以上要する見通しという。
 被害は唐臼にとどまらず、材料となる原土の採土場にも及んでいる。昨年4月の熊本・大分地震で土砂崩れが発生。今年の梅雨明けに復旧工事に入る予定だったが、その採土場が再び崩れた。
 坂本さんは「こんな経験は初めてだ。5年前の豪雨災害よりもひどい」。観光客でにぎわう元の姿を取り戻すにはどれぐらいの時間が必要か分からない。
 「ここでは誰一人命を落とさなかった。今は(復旧・復興に向けて)地道にやっていくしかない」と話した。

<メモ>
 小鹿田焼は機械を使わずに、川の流れを動力にした唐臼、まきで焼く登り窯など、自然の力を生かした素朴な味わいが特徴。「はけ目」「飛びかんな」など、独特の文様を施した作品が人気を集めている。伝統的技法による独自の作風を守り続け、1995年に国の重要無形文化財に指定された。10軒の窯元が家族労働で作陶をしている。
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