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小鹿田の唐臼(からうす)が流されたという報 [高見乾司の神楽絵巻/アートスペース繭<5>]

2017年07月12日 | Weblog


九州北部豪雨日田・小野地区では、まだ孤立状態が続いているが、徐々にライフラインが復旧してきているようだ。「小鹿田焼ミュージアム渓声館」の収蔵品200点は無事のようだという報告があり、少し安心しているところ。今日、梅原館長が現地入りする予定だが、まだ断続的に雨が降っており、警戒が必要だという。
小鹿田焼の里を象徴する唐臼(上掲写真)6基が流されたという報も。唐臼の舟が流れていくのを見たという目撃情報もあるから、かなりの打撃を蒙っていると思われる。
小鹿田焼の生産は、まず地区の裏山から陶土を採掘し、唐臼(からうす)と呼ばれる陶土粉砕システムで砕くことから始まる。
唐臼とは木製の丸木舟のような構造の舟が、茶庭の「ししおどし」の原理で、上流から樋で引かれた水を受け、その水が一杯に溜まるとその重みでざあっと流れ落ちる。その反動で、反対側に設置されている杵が臼の中の土を砕くのである。水の音と杵が土を搗き続ける音が村里に響く。この土づくりに20日から1ヶ月を要する。それから、土捏ね、轆轤での成形と作陶作業が続いてゆくのである。そのもっとも基本となる土づくりの機能が失なわれれば、その後の生産は止まることとなる。
まだ小鹿田の情報は断片的にしか出てこないので状況は把握できない。以後の報告を待つことにしよう。


・西日本新聞記事です。



これは今回の企画に出品されている「ピッチャー」。同じような様式の「水差し」は古くからあり、台所の水注ぎや畑の肥料やりなどに使われていたが、バーナードリーチ氏の訪問により、洋の東西のデザインが融合して定番商品となった。このピッチャーはそのなかでも秀逸といえる作。



この小鉢は、昭和中期頃の作と思われる。斬新かつ瀟洒なデザインである。径は8センチほどの可愛らしいサイズで、底部にふっくらとしたふくらみがあり、鮎のうるかなどを載せる小皿としては最上のものである。小鹿田焼を代表するトビカンナや刷毛目技法は用いられず、白の化粧土の上に薄い茶色と緑の釉薬を一見無造作に刷毛で置いただけの作調だが、その闊達な筆さばきが文人好みの愛すべき意匠となった。

上記二点も今回の出品作。このような健全な器たちを生み出す小鹿田の里の一日も早い復旧を祈りつつ、東京のギャラリーで過ごす日々である。
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