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金銀花(スイカズラ)の香る野を行く [花酒と旅の空<10>]

2017年06月02日 | Weblog
五月の野を、車を駆って走り抜ける。
今回は、宮崎・西都から諸塚の山を越え、高千穂・秋元集落に立ち寄り、阿蘇・小国を経て日田へと向かう旅である。九州脊梁の山々を縫う道は、故郷の山の村へと続く道である。

車窓から、甘い香りが流れ込んでくる。
スイカズラ(忍冬)の香りである。
森の小人が吹くラッパのような形をしたこの花は、蜜をたっぷりと含み子供たちがそれを吸うことから、「吸蔓」と呼ばれる。「忍冬(にんどう)」とは、冬も青い葉を付けていることからの命名。周りの木などに絡みついて伸びる蔓草である。一対の花は咲き始めは白く、次第に黄色へと変化し、それがこの季節の強い日光を受けて金色と銀色に輝いて見えることから「金銀花」とも呼ばれるのである。

秋から冬にかけて、葉のついたまま茎を採取し、きざんで天日で乾燥させたものを「ニンドウ」、4~5月頃の開花期になるべく花蕾を摘み取り、日陰の風通しのよい所で乾燥させたものを「金銀花(きんぎんか)」という。
鎮徑(ちんけい)、利尿、抗炎症、抗菌作用のほか、解熱、解毒、発熱、血痢、伝染性肝炎、化膿性疾患、神経痛、リューマチなどの関節筋骨の疼痛など、種々の薬効がある。
中国・雲南省の山岳の村を訪ねる旅では、行く先々で、花びらを乾燥させた「金銀花茶」をふるまってもらった。

峠を越える山道で車を停め、スイカズラの花を採取し、ホワイトリカーに漬け込んでおく。三か月ほどで甘い香りのする「金銀花酒」ができる。多くの蜜を含むので、酒にほのかな甘みが加わり、すこぶる美味である。炭酸水で割っても良いし、オンザロックもよろしい。パーティーなどに駆けつける時には、市販の焼酎にそのまま漬け込んで手土産にすれば、花の色を残し、山の香りを宿した酒を楽しむことができる。



演歌「忍冬(すいかずら)」では、綿々嫋嫋たる女の嘆き節の前後に

 忍ぶという字は難しい
 心に刃を乗せるのね
 ときどき心が痛むのは
 刃が暴れるせいなのね

と、繰り返しうたわれる。
歌手は因幡晃。
因幡晃はフォーク歌手で「わかってください」の名曲があり、私もカラオケなどでは時々歌う。では、この「忍冬」はフォーク系の演歌なのか、フォーク歌手の因幡が売れなくなって演歌を歌ったのか、あるいはもともとは純なるフォークソングなのか、そこのところが判然としない。
まあ、そんなことはどうでもいい。
それやこれやを思いながら飲む「金銀花酒」がうまいのである。

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