中村俊茸

とあるサッカー選手の軌跡とコメント集

俊輔、FWもっと点取れ/アジア杯予選

2009年11月19日 | 記事 日本代表
2009年11月19日 俊輔、FWもっと点取れ/アジア杯予選
http://southafrica2010.nikkansports.com/news/p-sc-tp2-20091119-567335.html
<アジア杯最終予選:日本4-0香港>◇18日◇A組◇香港

 FWよ、もっと点を取ってくれ! 日本代表のMF中村俊輔(31=エスパニョール)が、魂のメッセージを発した。アジア杯予選香港戦は4-0の快勝。後半39分に意地のFK弾を決めた中村は、終了間際のPKを岡崎に譲った。年内最終戦で、点が取れないFW陣に「気分良く終わって欲しかった」と振り返った。目標のW杯4強へ。プレーに言葉に、決定力不足解消への強い思いを込めた。

 俊輔なりの「儀式」だった。終了間際、岡崎が得たPKを1度は自分で蹴ろうとボールを持った。次の瞬間、岡崎へ歩み寄り「お前が蹴れよ」とボールを渡した。格下香港に快勝したものの、そこまで先発2トップは得点なし。年内最終戦で、得点の感触を植え付けてあげたかった。

 試合後の通路、中村俊と岡崎との2人だけのやりとりがあった。

 中村俊 何で(PKを)蹴らしたんだと思う?

 岡崎 (決定機を)外したからですか?

 中村俊 正解じゃない。

 岡崎 じゃ、点を取って欲しいからですか?

 中村俊 オレは(FW)みんなに点を取って欲しいんだよ。

 FWが点を取らなければW杯では勝てない。世界の厳しさを肌で知る中村俊の魂のメッセージだ。09年だけで15点を挙げた岡崎だが、格下から大量点を奪っただけで、オランダや南アフリカなどW杯に出場する強豪国にはゴールの気配すらしなかった。大久保に至っては、今年の国際Aマッチ無得点。PKを譲った背景には、「(FWが)もっと点を取れ」という意味が込められていた。

 中村俊 本当は(途中交代した)嘉人に蹴らしたかった。FWが気持ち良く(年内最終戦を)終われば、チーム全体もうまくいく。気分良くなるようにね。嘉人だってアグレッシブにやっていたんだから。

 すべてのプレー、言葉が「W杯4強入りのため」につながっている。後半39分には角度のない位置から、ライナー性のFK弾。「壁もGKも位置取りが甘かったから、強く、速いボールを蹴ればと思っていた。GKが怖がっていたから、ニアサイドを狙った。でも本当はもっと大事な試合で決めないといけないよね」と苦笑した。

 W杯まで7カ月。年明け後は本大会直前まで、欧州組が合流できるのは来年3月3日の国際Aマッチデーをはじめ、わずかしかない。限られた時間の中で、日本を世界の高みに引っ張っていくにはどうしたらいいのか。今季代表最終戦で見せた中村俊の言動を仲間が理解できた時、W杯4強への扉が開く。