尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

慶応大学三田キャンパス散歩

2017年11月15日 23時49分23秒 | 東京関東散歩
 東大や早稲田、立教といくつかの大学を散歩して写真を載せてきた。となると、やっぱり慶応義塾大学も行かなくちゃいけない。それは判っていたんだけど、一番大事なところを外見だけ見るのでは心残りである。重要文化財である旧慶應義塾大学図書館は改修工事中だから近づけないけど、三田キャンパスにあるもう一つの重要文化財、三田演説館は時々公開されるのである。春秋に行われる三田演説会もあるけれど、今回は「建築プロムナード」と題して特別公開が行われている。今回は11月15日と18日に公開されるので、出かけてみた。
   
 三田キャンパスを正門から入って、左側の一段高くなったところに、それは立っている。日本で初めて、福沢諭吉によって作られた「演説会場」である。そもそも「Speech」を「演説」と訳したのが福沢諭吉である。そして1875年に演説館が作られた。公開で多くの公衆に語りかけるということ自体が、それまではなかった。日本初の公会堂という大事な存在である。中は洋風だけど、外見はなまこ壁というちょっと不思議な建物。中はホントは写してはいけないのかもしれない。
   
 昔は図書館前にあった福沢諭吉像が演説館前にある。演説館の周りは樹木に囲まれていて、どうも全容が撮りにくい。でもまあ、入り口あたりだけでも風情がある。中に入ると、木製の椅子が並んでいる。これはもちろん今のものだが。2階にギャラリーがあるが、今は上れない。この演説館の重要なところは、今も現役で使われるところで、中へ入ると明治をちょっと感じるような…。でも普段は外見だけしか見られないから、気を付けて公開を逃さないようにしないと見られない。
  
 もう一つの重要文化財である「旧図書館」は上のような感じ。今は周りがフェンスで覆われているけど、あまりにも壮大なゴチック様式に遠くからでも厳粛な気持ちが湧いてくる。1912年曽禰中條建築事務所によって設計された。コンドルに学んだ一期生の曽禰達蔵が1908年に後輩の中條精一郎(中條百合子=宮本百合子の父)と作った建築事務所で、多くのオフィス建築などを残した。第一校舎塾監局の建物も曽禰中條事務所である。(地図が各所で配布されている。)
   (第一校舎)
 今回特別に公開されているのが、「旧ノグチルーム」。どこにあるんだろうという感じで探してしまったが、演説館を出てすぐの「南館」4階を外に出たところにある。一番高いところで見晴らしがいい。もともとは違う場所にあった、1951年にイサム・ノグチが設計したもの。2005年に移築されたけれど、普段は公開されていない。南館1階とノグチルームの外には彼の彫刻も置かれている。中は布のスクリーンがいくつもかけられていて不思議なムードになっていた。写真禁止。
  
 三田キャンパスにはかなり彫刻が置かれている。歩いていてもそんなに意識しないんだけど、マップに書いてあるので多いなと思う。下の最初は朝倉文夫が1952年に作った「平和来」という彫刻。旧図書館の裏の方の「福澤公園」にある。そこには戦没者学生の碑もあった。
 
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