尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

至高のダンス映画「ハートビート」

2016年09月15日 21時09分23秒 |  〃  (新作外国映画)
 映画の話題を何回か続けて。大ヒット映画ではなく、どっちかと言うと、そんな映画やってたのという映画を中心に。長いこと書かずに、簡単に。まずはニューヨークを舞台に、縦横に踊りまくる青春ダンス映画の佳作「ハートビート」。ストーリイ展開には大した驚きはないけど、何しろダンスが素晴らしく、地下鉄駅で踊りまくるシーンなど圧倒される。
 
 バレエダンサーになるため、ニューヨークの学校に出てきたルビー。地下鉄駅でバイオリンを演奏している訳ありのイギリス青年ジョニーと出会う。駅では黒人系とヒスパニック系のダンス騒動が起き、その時にジョニーのバイオリンが盗まれてしまう。グリーンカードを得られると思って頼んでいた人も詐欺師で、崖っぷちに。一方、ルビーのルームメイトのジャジーは恋愛に夢中で遅刻が多い。ルビーもコンテンポラリーが苦手で、二人とも奨学金資格を失う危機に。そんなとき、ジョニーとルビーは、ヒップホップダンスチーム、スイッチ・ステップスの面々に協力してもらい、学校主催の弦楽器&ダンスコンクールに挑戦することになった…。

 厳しい先生、恋敵、さまざまな偶然もあり、危機に立ちながらも、二人の絆が次第に強まっていく。と言う展開はあまりに定番で、ラストも書くまでもない。コンクールの日に、出かけようとするジョニーは、なぜか警察に連行される。何があったか、ジョニーは間に合うのか。奇しくも、その日に盗まれたバイオリンが見つかる。っていうラストの展開なんか、あまりに定番すぎて見ていても全然危機感がわかないではないか。そう、お話はお決まりで、その意味ではごく普通の娯楽映画である。

 でも、多くの音楽映画では、形は俳優が演じていても、音はプロの吹き替えになる。この映画もバイオリンは吹き替えだと思うけど、ダンスだけは代わりが効かない。主役レベルもそうだし、何十人ものダンサーが踊るシーンは壮観で、圧倒的に青春の素晴らしさを歌い上げる。ラストのコンクール場面は、様々の文化要素がミックスされた素晴らしいシーンで、圧倒的な迫力がある。見ていて、これだけ心が弾む映画と言うのもそんなにないと思う。若いっていいなあと正直に思える。

 主役のルビーは、キーナン・カンパ(1989~)と言う若いバレエダンサー。10代前半から活躍し、17歳の時にサンクトペテルブルクのバレエスクールに留学した。だからバレエの授業シーンでは、見事な腕前を披露できるはずだ。コンテンポラリーが苦手というのも、ホントにそうなのかもしれない。ルームメイトのジャジーを演じているのは、ソノヤ・ミズノ。1988年生まれ、日本人の父とイギリス・アルゼンチン系の母の間に生まれた。イギリスでバレエを学ぶが、その後モデルとなり、シャネルやルイ=ヴィトンなどで活躍。そして女優にも進出して、未見だが「エクス・マキナ」で注目されたという。まだ主役ではないけど、注目すべき若手だ。ジョニー役はニコラス・ガリツィンというイギリスの若手。脚本、監督はマイケル・ダミアンという人。俳優が長く、監督は少ないけど、プロの手腕を発揮している。

 ダンス映画というのも思い出せば結構ある。大昔のフレッド・アステアのタップもすごいけど、80年代以後はストリートダンスのすごさを見せる映画が多いだろう。大体は恋愛要素を取り入れて、ダンスコンクールなんかと絡めて描いていく。話は決まってるわけだけど、やはりダンスシーンの魅力が決め手だろう。それとニューヨークの魅力。ニューヨークを描いた映画は数多いが、この映画もニューヨークの魅力をたっぷりと詰め込んでいるのがうれしい。こういう映画も大事だと思う。上映館が限られているが、東京では新宿シネマカリテやイオン系映画館などで。
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