尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

近づいてきた都議会選挙

2017年06月13日 22時29分23秒 |  〃  (選挙)
 今年は国政選挙がないと思われ、6月23日告示、7月2日投開票東京都議会選挙が最大の政治決戦とされる。地区によっては、そろそろポスター掲示板が設置され始めた。立候補予定者の顔ポスターも街にあふれている。都議選は今までその後の国政を「予告」する「中間選挙」的な意味も持ってきた。だけど、今回は全く結果が予想不能である。はっきりしているのは、小池百合子都知事が代表を務める「地域政党都民ファーストの会」が大躍進を遂げるだろうということだ。

 じゃあ、そのあおりをどこが受けるかというと、単純小選挙区制でも比例代表制でもないので、読みにくい。当選者1人の選挙区から、最大で当選者8人という大選挙区の大田区、世田谷区まである。自民党は「都民ファースト」より少ないかもしれないけど、圧倒的に他党より優勢なので当選者が複数いるところでは入ってくるとは思われる。民進党はどんどん候補がいなくなっていて、溶解状態。

 東京新聞の6月13日掲載の世論調査記事によると、投票先として挙げた比率は、都民ファーストの会22.6%で第1位。続いて、自民党が17.1%、共産党が7.7%、民進党4.1%、公明党3.9%、東京生活者ネットワーク0.9%、日本維新の会0.8%、社民党0.3%となっている。(生活者ネット、維新、社民は候補が少ない。社民党は世田谷しか出ないのだから、0.3%と数字が出ただけでも意味がある。)

 公明党は今の調査では5位になっているが、候補者を絞って擁立するので数字そのものにはあまり意味はない。今までも擁立候補全員当選の選挙が多く、「選挙上手」を誇っている。だけど、今回は国政で連立を組む自民党との選挙協力を取りやめて、小池知事の与党に変わった。「都民ファーストの会」と選挙協力を行うが、果たしてどうなるか。

 (話は少し変わるが、こういう情勢に不安感もあるのか、公明党支持団体ではかつてなく電話による「事前運動」を行っているようだ。告示前に候補者の名前を挙げているのはまずいと思うが。僕のところに電話があったのは今世紀初。妻のところには出身の某政令指定都市の市議から直接電話があったという。もちろん選挙運動期間中はいいけど、事前にかけても逆効果だろう。)

 さて、この選挙結果は国政に影響するのだろうか。「都民ファーストの会」は名前を見ても判る通り、このまま国政に進出することはできない。小池知事は東京五輪開催のため、中央政府と協力せざるを得ない。2018年内には総選挙があるわけだが、いかに人気がある小池知事とはいえ、就任2年で都知事を投げ出し国政に復帰することはできないだろう。最低限2020年の五輪直前にある次の知事選にも出て、「東京五輪を成功させた」と言える資格を得ないと国政に戻れない。だから、仮に安倍政権でなくても、どの政党の政権であれ、中央政府との協力というスタンスを崩せない。

 そう考えると、すぐに国政に影響しないということになる。だけど、注目すべきデータがある。それは先の東京新聞記事によれば、自民支持層の中で安倍首相の改憲に消極的な人々が「都民ファースト」に流れているというのである。そもそも国政の自民支持層の中で都議選で自民に入れるという人は43.2%に留まっている。都民ファーストに入れるという人は28.2%なので、3割が流出しているのだ。そして、国政の自民支持層の中で改憲賛成は47.2%、反対は18.9%。都議選で自民に入れると答えた人では改憲に54.1%が賛成、11.0%が反対。一方、都民ファーストに入れるという自民支持者の中では、改憲賛成が33.0%。反対が44.7%と賛否が逆転している。

 このデータをどう読むべきか、よく判らない。自民支持層の中でも安倍政権への批判、あるいは憲法改正への反対が強くなっているということだろうか。そういう反安倍的な自民支持者も「都民ファーストの会」なら、もともと自民の小池知事だから入れやすいということか。そうなると、都議選の結果は憲法改正にひた走る安倍路線へのアンチとも読み取れ、国政への影響も否定できない。ところで、自民対都民ファーストに注目が集まり過ぎると、他党が埋没するかもしれない。

 もう「都民ファースト」が第一党、自民党が第二党と予想されるけれど、公明党と共産党はどっちが多いか。公明党は1969年に社会党を上回って以来、ほとんどの都議選で第二党を維持してきた。(1989年の社会党が土井ブームで躍進、2005年と2009年は民主党が伸び第二党となった。ただ一回だけ、1997年に共産26、公明24と共産に抜かれて第3党になっている。)今回は「都民ファースト」対自民に注目が集まると他党が埋没するかもしれない。民進党から「都民ファースト」に移った候補には有権者が付いていくのか。民進党がいない場合、共産党が伸びる可能性はあるのか。

 そのように注目点を挙げるといろいろある。そもそも「小池知事をどう評価するのか」という問題があるわけだが、いつか書きたいと思いつつ書く機会がなかった。今回も長くなってしまったので、それはまたの機会にしたい。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 映画「ローマ法王になる日まで」 | トップ | 「虞美人草」-漱石を読む④A »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL