尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

映画「エミアビのはじまりとはじまり」

2016年09月19日 23時34分20秒 | 映画 (新作日本映画)
 土曜日は少し疲れたかなと思って、家で休みながら記事を2本書いた。続いて次の記事を書こうと思っていたら、日曜日は突然疲れを感じて寝てしまった。今日になってみると、具合が悪かったのである。ということで、敬老の日を含む三連休(まあ、関係ないけど)を全部家で休んでしまった。今後、台風が関東に向かってくるけど、ちょうど旅行に重なる。果たして、天気も体調も大丈夫かな。

 映画をもう一本。「エミアビのはじまりとはじまり」という日本映画である。漫才コンビ「エミアビ」の海野が死んだ。車に乗っていて一緒に死んだ「雛子」(ひなこ)ちゃんは、引退した先輩芸人、黒沢の妹だった。残された相方の実道(じつどう)は、マネージャー高橋夏海とともに、黒沢の家を訪ねるところである。この5人が主要登場人物で、「笑い」と「」を題材にしながら、人生をやり直すということについて、興味深く描いている。不満もないわけではないが、注目すべき映画。

 映画の中の時間は行ったり来たりする。実道の黒沢訪問のあとに、海野と雛子の最後の日の様子が出てくる。雛子は黒沢の妹であることを隠して、お笑いの追っかけをしていた。そんな二人の初めてのデートが、ある出来事により台無しになる。公園の駐車場で襲われるのである。お笑い芸人なら、「笑わせれば許してやる」と言われて必死にやるが、驚きのできごとが起きる。そういうのをどう評価するかが難しい。一種の「超常現象」みたいなものにストーリイが依存しているような気もするが、そこが面白いとも言える。そういう場面は他にもあって、僕にはよく判らない感じがする。

 よく判るのは、マネージャー高橋役の黒木華(はる)の怪演ぶりである。またまた忘れられない演技で、本当に今年の主演女優賞と助演女優賞を両方取るんじゃないか。黒沢と実道が言いあっているところへ、「ドッキリ」と入ってくるシーン。駐車場で落ちた弁当を食べるシーン。(実際に道に落ちているものを食べてると思うんだけど。)車の中での実道との会話もおかしい。「デニーロ主演の映画」「でに色って、どんな色ですか」といったバカバカしい会話の数々。この黒木の存在が映画のアクセントになっていて、ずいぶん映画を助けている。

 「エミアビ」っていうコンビ名は、「笑み」を「浴びる」という意味あいで付けられたもので、劇中で海野が考えたものとされる。相方を失っていた実道と海野を、かつて先輩の黒沢が結び付けた過去がある。実道を演じるのは、盛岡龍。「舟を編む」「ハッピーフライト」など僕も見てる映画に最近いっぱい出ているが、覚えてなかった。監督として「ニュータウンの青春」という映画も作っていて、今ユーロスペースでレイトショーで上映されている。海野を演じるのは、前野朋哉。やはり最近の映画、「桐島、部活やめるってよ」やテレビドラマにたくさん出ている。黒沢役は新井浩文で、「松ヶ根乱射事件」や「百円の恋」などで演じてきた役柄が思い出されて、見ている方も緊張する。雛子は山地まり

 脚本・監督の渡辺謙作(1971~)は、「舟を編む」の脚本を書いた人。「ラブドガン」「となり町戦争」など何本かの監督作があるようだが、見ていない。「笑わせれば許してやる」というシチュエーションが2回出てくるなど、どうも見ていてどうかと思うんだけど、映画全体は面白かった。不満なところも含めて、今の日本のムードを掬い取っているように思う。東京ではヒューマントラストシネマ渋谷で上映中。
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