尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)を見る

2016年10月14日 23時05分55秒 | 東京関東散歩
 映画や政治の話をちょっと置いて、昨日訪れた東京都庭園美術館の写真のまとめ。美術館だけど、元は1933年に作られた旧朝香宮邸で、今は重要文化財に指定されている。「世界で最も美しいアール・デコの館」とも言われる洋館である。現在「アール・デコの花弁」として室内空間そのものを見る期間となっていて、平日に限り内部の写真が可能となっている。(フラッシュ禁止、他の客への要配慮)

 港区白金台にあるけど、まあ目黒駅東口から歩いていくことになる。戦後、朝香宮の臣籍降下のあとは、首相公邸(吉田茂時代)や迎賓館として使われていた。現在の赤坂迎賓館が整備された後は、東京都の所管となり、1983年に庭園美術館として一般公開された。この間何度か(5~6回?)訪れているが、2014年にリニューアルされてからは初めて。道からすぐの券売所でチケットを買って、ゆっくりと歩いていくとだんだん洋館が姿を現してくる。館の前には左右の「狛犬」がいる。まあ、狛犬というのも変だけど。右にもいるんだけど、写真がなぜかアップできないので、左だけ。
   
 正面玄関にはガラスのレリーフがある。ルネ・ラリックのオリジナル・デザインによる「有翼女性像」なんだって。そりゃあ、すごい。2枚目は裏から見たもの。4枚目は玄関の床のデザイン。
   
 荷物をロッカーに預けてから、最初に「大広間」を見ると、なんだか大きなものが見える。アンリ・ラパン設計の「香水塔」。ラパンは、内装設計を手掛けたフランス人。朝香宮は戦前のフランス留学中に事故にあい、療養中にフランスの最新の「アール・デコ」様式に影響された。この館にはフランスから輸入されたものが使われているという。続いて、大客間になるが、なかなか写真も撮りにくい。観客もいるし、広すぎて全体がうまく撮れない。だけど、細部のデザインも素晴らしい。
   
 何と言っても素晴らしいのは、「大食堂」で、向こうに広々とした庭園が広がり、解放された気分になる。ここでもあちこちにラリックやラパンのデザインしたもので満ちている。
   
 あちこちに置かれた装飾品だけでなく、暖房装置なども面白い。どこを撮っても「絵になる」という館なのである。そんなあちこちの様子をいくつか。
    
 続いて、2階に行く。でも2階では別の「クリスチャン・ボルタンスキー  アニミタス-さざめく亡霊たち」というフランスの現代美術家の展示がある。もっとも普通の絵の展覧会ではなくて、パフォーマンスのようなもので、新館も含めて行われている。それは撮れないし、2階の部屋は暗くて撮りにくい。それより階段が面白い。家中、どこもかしこもアートで満ちている。
  
 さて、今まで「アール・デコ」という言葉を何度も書いてるけど、それは一体なに? 僕もよく知らないんだけど、1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際展欄会」の略称から来た言葉だという。1910年代から30年代ころの、工業化、産業化の時代に生まれた直線と立体、幾何学模様の装飾スタイル。そういうのを「アール・デコ」というらしいけど、わかった気がしないなあ。キュビズム東洋美術などの影響があるとも。ニューヨークの摩天楼やココ・シャネルも「アール・デコ」らしい。日本では聖路加国際病院や伊勢丹新宿店などが「アール・デコ」様式らしい。これでも判らないですね。室内の写真の残りをまとめて。1枚目は2階。2枚目は浴室。3枚目は壁の拡大。4枚目は朝香宮夫妻の写真。 
   
 名前の通り、庭園もあって(日本庭園はリニューアル中)、そこから見た洋館も立派で、それだけでも見る価値がある。僕は洋館が好きで、ここでも旧前田邸や旧古河邸、旧岩崎邸など、いくつも写真を載せている。財閥は財閥なりに自分でもうけた金で建てたわけだが、宮家となると宮内省内匠寮が立てている。1933年と言えば、日本が国際連盟を脱退した年である。「満州」では戦争が始まり、「日本は狭いから満州に移民しないと」などと言っていた時代である。税金でこんなぜいたくな館を建てたことに、なんだか釈然としない思いもする。今となっては、そのことも含めて歴史遺産と言うべきなんだろうが。
 
 隣に「自然教育園」という山手線内とは思えない自然の残る場所がある。今回は行かなかったけど。写真は人もいたりするからどうも自由に撮れなくて、不満もある。まあ、また行く機会があれば追加したい。今回の写真が撮れる期間は、12月25日までの平日。第2、第4水曜が休館。
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