黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

獲得免疫の話

2017-07-10 07:42:24 | 免疫の仕組み
     獲得免疫の話(適応免疫系)

 なかなか分かりやすく書くことができずに、載せていなかったのですが、とりあえず載せておきます。獲得免疫が予防接種の原理なのですが。とりあえず載せたものは、私のメモ的文章でもあるので、専門家はもっとわかりやすく書けるのでしょうが、私にはすらすらとは書けずに申し訳ありません。遺伝子の話は後日載せます。

自然免疫および適応免疫の原理

○多数の細菌が自然免疫を活性化し炎症反応を引き起こします
 マクロファージは細菌を認識し、細菌と結合し、それを取り込んで食べる(貪食する)と共に、サイトカイン(サイトカインの受容体{レセプター}を有する細胞に影響を与える物質)とケモカイン(好中球や単球を血中から遊走させる物質)を分泌します。これらは補体(免疫細胞の補助物質)の活性化によって局所的炎症を引き起こします。
炎症は、サイトカインの感染局所の血管に対する影響の反映です。白血球はサイトカインにより感染巣へ遊走し、感染した局所で作用します。その主な白血球は好中球であり、大量に動員されます。好中球は侵入した微生物を貪食し、微生物を破壊する主たる細胞です。まもなく単球が遊走し、マクロファージに分化します。好中球とマクロファージは炎症細胞と呼ばれます。
炎症反応は、抗原および抗原保有細胞を含むリンパ液のリンパ組織への流入を増加させる一方で、微生物表面の補体と微生物を取り込んだ細胞に誘導された変化は、その微生物の抗原だけに(特異的に)結合する受容体(レセプター)を有したリンパ球を活性化します。樹状細胞は、Tリンパ球に抗原を知らせ(抗原提示を行ない)、適応免疫応答を起こします。

○特殊化した(侵入してきた微生物に対してそれだけに対応する)抗原提示細胞(それが抗原つまり病原体であることを知らせる細胞)の活性化するのは適応免疫を始めるため(誘導の)の最初の段階に必須です。
 未熟な樹状細胞が病原体を取り込むと適応免疫反応(応答)が始まります。樹状細胞はほとんどの組織に定着しており、これがリンパ液によって運ばれて局所のリンパ節へと遊走し、循環しているリンパ球と相互反応します。未熟な樹状細胞は、多数の細菌種に共通した表面レセプター(受容体)を有し、レセプターに細菌が結合すると、レセプターが活性化され、病原体を取り込み、分解します。同時に周囲に存在しているウイルス粒子や細菌などを含む細胞外の物質を、レセプターを介さない機序(マクロピノサイトーシス)により、持続的に取り込みます。樹状細胞の機能は、病原体を取り込み活性化され、リンパ節へと運搬し、Tリンパ球へ提示する抗原提示細胞へと成熟します。活性化した樹状細胞はサイトカインを分泌します。サイトカインは自然および適応免疫応答に影響を与えます。

○抗原により活性化されたリンパ球は適応免疫にかかわる抗原特異細胞のクローンを産生します。

○リンパ球のクローン選択は適応免疫の中心的原理です。

○抗体分子の構造はリンパ球抗原レセプターの多様性があることの問題を示しています。

○発生する各リンパ球はレセプター遺伝子の再編成により特異的なレセプターを生み出します。

○利根川理論「免疫グロブリン可変部の遺伝子が遺伝子断片の組として遺伝され、それぞれの断片は免疫グロブリン分子を構成するポリペプチドの一部をコードしていること。
 第一に、限られた数の遺伝子断片により非常に多様性のある蛋白の生成が可能になること。
第二に、各細胞は異なる遺伝子断片の組み合わせを使うことから、発現される抗原レセプターの特異性は細胞ごとに異なること。
第三に、遺伝子再編成が細胞のDNAに不可逆的な変化をもたらすことから、その細胞を前駆体として増殖する細胞はすべて同一の特異性を有することです。
 こうした組み合わせによる多様性を通して、各タイプの何千もの異なる鎖が組み合わされ、100万レベルの異なる特異性の抗原レセプターが生み出されます。各個体には随時少なくとも1億レベルの異なる特異性をもつリンパ球が存在するといわれています。

○リンパ球の発生と生存は抗原レセプターを介するシグナルに依存しています。

○リンパ球は末梢リンパ組織(リンパ節、扁桃、虫垂など)で抗原に反応して増殖し、エフェクター細胞と免疫記憶を生み出します。

○リンパ球の活性化には抗原とともに他の細胞との相互作用が必要です。
初期に起きる自然免疫系は、非常に重要ですが、多数の病原体がこの系を撃ち破り、くぐりぬけてしまうし、この段階では免疫記憶は成立しません。

    適応免疫の認識およびエフェクター機構

○抗体は細胞外病原体とその毒素を処理します。ですから、細胞内には入らず、細胞内病原体には効果はありません。それで、抗体免疫で、ワクチンの効果を判定するのはおかしいと思います。細胞免疫が必要です。

○細胞内病原体の制御とほとんどの抗原に対するB細胞の活性化にはT細胞を必要とします。

○T細胞は主要組織適合遺伝子複合体蛋白に結合したペプチド断片として外来抗原を認識します。

○2種類のT細胞はそれぞれ異なるMHC分子に結合したペプチドを認識します。
 細胞傷害性T細胞(ウイルスペプチドを結合したMHCクラスⅠ分子を認識し、感染細胞を破壊)とTH1細胞やTH2細胞(マクロファージ内で生存する病原体やB細胞に取り込まれた病原体由来のペプチド結合したMHCクラスⅡ分子を認識する)の2種でこれらをエフェクターT細胞と呼ぶ。

○免疫不全や病原体の作用で特殊な感染症が発症します。

○適応免疫の理解はアレルギーや自己免疫疾患、臓器移植片拒絶の制御やワクチンにとって重要です。

○ワクチン接種は感染予防の最も効果的な方法です。もちろん有効性のあるワクチンです。
その多くは、生ワクチンとトキソイドです。

      第2部 適応免疫応答
 ☆T細胞を介する免疫系
    武装化エフェクターT細胞の産生

○T細胞応答は末梢リンパ組織で抗原提示細胞と出会って始まります。
 適応免疫応答は、局所感染巣ではなく、ナイーブT細胞が常に流れている末梢リンパ組織で始まります。

○ナイーブT細胞は、抗原提示細胞表面のMHC・ペプチド複合体との結合を試しながら末梢リンパ組織内を移動していきます。

○リンパ球の遊走、活性化およびエフェクター機能の発現には細胞接着分子を介した細胞間相互作用が必要です。

○T細胞と抗原提示細胞の最初の結合は細胞接着分子によります。

○ナイーブT細胞のクローン増殖には抗原提示細胞からの抗原特異的シグナルと補助刺激シグナルの両方が必要です。

○樹状細胞は抗原の取り込みとナイーブT細胞の活性化を専門としています。

○マクロファージはスカベンジャーであるが、病原体によってナイーブT細胞への外来抗原提示能も獲得します。

○B細胞は細胞表面の免疫グロブリンに結合する抗原を効率よくT細胞に提示します。

○活性化T細胞はT細胞増殖因子インターロイキン2とそのレセプターを合成します。

○補助刺激シグナルがIL-2の合成と分泌に必須です。

○抗原を認識しても補助刺激シグナルが伝達されない場合、T細胞は寛容状態となります。

○武装化エフェクター細胞へと分化したT細胞はその作用に補助刺激因子を必要としません。

○CD4T細胞の文化の方向(TH1あるいはTH2)は、その後の免疫応答における体液性免疫と細胞性免疫の比重を決定します。

○ナイーブCD8T細胞から武装化細胞傷害性エフェクター細胞への活性化機構は数種類あります。


         まとめ

 適応免疫応答誘導のための決定的段階は、抗原特異的なナイーブT細胞の活性化である。これは、ナイーブT細胞が常に循環しているリンパ組織や臓器で起こる。抗原提示細胞の特徴は補助刺激分子の発言であり、このうちB7.1、B7.2分子が知られている。ナイーブT細胞は、一つの抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞の一つ)が、対応する。
 組織樹状細胞は貪食およびマクロピノサイトーシスにより抗原を取り込み、感染刺激により局所リンパ装置に遊走し、そこで成熟樹状細胞となって補助刺激活性を獲得する。樹状細胞はナイーブT細胞を最も強力に活性化する。
 マクロファージは細菌のような粒子抗原を効率的に貪食し、感染由来成分によりMHCクラスⅡ分子と補助刺激分子を発現するようになる。
 B細胞の特徴は、表面のレセプターを介して可溶性抗原を捕捉し、その抗原に特異的なT細胞を活性化することであるが、これには補助刺激分子の発現誘導が必要である。
 3種すべての抗原提示細胞において、感染の存在を知らせる自然免疫機構のレセプターシグナルによって、補助刺激分子の発現が活性化される。
 T細胞は、抗原刺激細胞により活性化されると増殖し、武装化エフェクターT細胞へと分化する。T細胞の増殖と分化は、T細胞増殖因子IL-2と、活性化T細胞上の高親和性IL-2レセプターが結合すると始まる。T細胞性レセプターが抗原を認識しても補助刺激シグナルが供給されないとIL-2産生は誘導されず、T細胞はアネルギー状態なるか死ぬ。このようにナイーブT細胞の活性化には抗原認識と補助刺激分子による二つのシグナルが入ることが必要であるが、この機構は同時にナイーブT細胞が末梢組織の自己抗原と反応して活性化するのを防いでいる。末梢組織細胞は補助刺激分子を発現しないからである。分裂増殖を始めたナイーブT細胞は武装化エフェクターT細胞となる。この家庭は適応免疫応答には欠くことができない。
 ある抗原に特異的なT細胞クローンが増殖しエフェクター細胞へと分化すると、これらの武装化エフェクターT細胞は、特異抗原を発現するあらゆる細胞を標的として作用することができる。エフェクターT細胞は種々の機能をもつが、中でも細胞傷害性CD8T細胞による感染細胞の破壊、TH1細胞によるマクロファージの活性化が重要である。これらはともに細胞性免疫の主体をなしている。B細胞は、TH-1およびTH-2細胞により活性化され、異なるタイプの抗体を産生し、体液性免疫で中心的な役割を果たしている。
武装化エフェクターT細胞の一般的性状
8-15エフェクターT細胞と標的細胞との相互作用は抗原非特異的な接着分子を介して始まる。
8-16T細胞レセプターからのシグナルによりエフェクター分子が標的細胞に向けて分泌される
8-17T細胞のエフェクター機能は、エフェクター分子によって決定される
8-18サイトカインは局所でも遠隔からも有効に働く
8-19サイトカインとそのレセプターはその構造により分類される
    ヘマトポエチン、インターフェロン、ケモカイン、TNFファミリー
8-20TNFファミリーのサイトカインは三量体の細胞表面に結合していることが多い
まとめ
武装化エフェクターT細胞と標的細胞の相互作用は細胞間の一過性の非特異接着によって始まる。T細胞のエフェクター機能は、T細胞のレセプターが標的細胞表面にペプチド・MHC複合体を認識したときのみ発揮される。この抗原認識によって、武装化エフェクターT細胞と抗原をもつ標的細胞の接着がより強固になり、標的細胞に向かって直接サイトカインを分泌し、標的細胞に死をもたらすのである。武装化エフェクターT細胞の抗原認識によってもたらされた結果は、主に特異的標的細胞に接着したときに放出されるサイトカインの組み合わせによって決定される。CD8細胞傷害性T細胞はサイトトキシンを前もって特別な傷害顆粒の中に貯蔵しており、この顆粒の放出は、感染した標的細胞との接触部位だけに厳密に限定されている。サイトカインと、いくつかあるTNFファミリーの膜結合型エフェクター分子は、3種類すべてのエフェクターT細胞によって新規に生合成される。TH2細胞はB細胞活性化因子を発現しており、TH1細胞はマクロファージ活性化分子を発現する。CD8T細胞は膜結合型のFasリガンド発現しており、Fas発現細胞との結合によりプログラム細胞死をもたらす。CD8T細胞はまたIFN-γを生産する。膜結合型分子はその特異的レセプターを発現している細胞のみにシグナルを伝達するが、可溶性サイトカインは局所の標的細胞上のサイトカインレセプターを介しても作用するし、遠隔にある造血細胞にも作用する。サイトカインと膜結合型エフェクター分子の作用は、それぞれの特異レセプターと、CD8T細胞によって放出されるサイトトキシンを介して起こり、これらでT細胞のエフェクター機能をほとんど説明できる。
T細胞による細胞傷害
8-21細胞傷害性T細胞により標的細胞はプログラム細胞死にいたる
8-22アポトーシスを誘導する細胞障害性エフェクター蛋白はCD8細胞傷害性T細胞の顆粒内に貯蔵されている
8-23活性化CD8T細胞および一部のCD4エフェクターT細胞もFasリガンドを発現し、アポトーシス誘導能がある
8-24細胞傷害性T細胞は特異抗原を発現する標的細胞を、順次、選択的に傷害する
8-25細胞傷害性T細胞はサイトカインの分泌を介しても作用する
武装化CD4TH1細胞によるマクロファージの活性化
結核やハンセン病の原因となるミコバクテリア属の細菌のように、マクロファージの食胞内で増殖する病原体は、抗体や細胞傷害性の攻撃を免れることができる。・・・その結果、これらの病原体は、マクロファージの殺菌作用を免れ寄生し続けることができる。しかしマクロファージがTH1細胞により活性化されると、これらの病原体をも排除できる。
8-26武装化TH1細胞はマクロファージ活性化に中心的働きを果たしている
8-27武装化CD4TH1細胞によるサイトカインおよび膜結合型エフェクター分子の発現には、そのmRNAと蛋白を新規合成する必要がある
8-28武装化TH1細胞によるマクロファージ活性化では、殺菌効果促進とともに組織破壊回避のための厳密な制御が必要である
8-29TH1細胞は、細胞内寄生性の病原体に対する宿主の免疫応答を統括している
まとめ
・・・このようにTH1細胞は、ある種の細胞内細菌に対する宿主の防御機構を統合的に制御する役割を果たしている。成人エイズ患者では、この機構が傷害されるため、細胞内感染が重篤な結果にいたると考えられる。

第8章 まとめ
 武装化エフェクターT細胞は、適応免疫応答全般にわたり、不可欠な役割を果たしている。適応免疫応答の始まりは、まずナイーブT細胞が、抗原提示細胞表面に発現された特異抗原と、活性化のための補助刺激分子B7.1とB7.2を認識することである。この抗原との最初の遭遇は、樹状細胞上で起こると考えられている。樹状細胞は感染部位で抗原を取り込んだ後、局所リンパ装置に移動して成熟し、そこで強力なナイーブT細胞活性化能を獲得する。活性化されたT細胞はIL-2を分泌し、IL-2はこれらのT細胞を増殖させ、武装化エフェクターT細胞へと分化させる。T細胞のエフェクター機能はすべて、細胞間の相互作用を介して発揮される。武装化エフェクターT細胞が標的細胞上の特異抗原を認識すると、標的細胞に直接作用しその働きを変化させる物質を分泌する。この武装化エフェクターT細胞の活性化は、抗原ペプチド。MHC分子複合体を介するシグナルのみで誘導され、補助シグナルを必要としないため、どんな感染標的細胞でもその作用を受けて活性化されるか破壊される。細胞傷害性CD8T細胞は、細胞質内寄生性の病原体に侵された標的細胞を破壊して病巣を排除する。CD4TH1細胞はマクロファージを活性化し、細胞内病原体を殺させる。CD4TH2細胞は、B細胞を活性化し、抗体を産生させるために必須である。抗体は、細胞外の病原体に対する体液性免疫応答において重要な役割を果たす。以上のようにエフェクターT細胞は、適応免疫応答で知られているほとんどすべてのエフェクター機構を統制している。
第9章 体液性免疫応答
 ヒトの感染症の原因となる多くの細菌は、体内の細胞外で増殖するし、細胞内病原体もその多くは細胞外組織液を介して細胞から細胞へと感染していく。体内の細胞外環境の防御にあたるのは体液性免疫応答であり、B細胞によって産生される抗体分子が細胞外微生物の破壊を誘導するとともに細胞内感染の拡大を防ぐ。B細胞の活性化と抗体産生細胞である形質細胞への分化は抗原によって誘導されるが、通常は更にヘルパーT細胞の助けを必要とする。ヘルパーT細胞とはB細胞の活性化を補助し得るエフェクターCD4細胞すべてを含むものとする。ヘルパーT細胞の役割はまだあるが略。
 抗体の免疫における役割
 ①ウイルスや細胞内細菌が細胞内に侵入するには、その標的細胞表面上の特異的な分子に結合しなければならない。病原体に対する抗体にはこのプロセスを阻害するものがあり、これを病原体の中和と呼ぶ。抗体による中和活性は、細菌毒素の細胞内侵入の阻害においても重要な役割を果たす。細胞外でぞうしょくする細菌に対して抗体は、主に殺菌能を有する食細胞への細菌の捕捉を促進することによってその防御に関与する。これには二つある。②一つは病原体の表面に結合した抗体分子が、その定常部に結合する食細胞上のFcレセプターによって認識される場合である。病原体の表面に抗体分子が結合することによって、食細胞の食作用が亢進される現象はオプソニン化と呼ぶ。③もう一つは、病原体の表面に結合した抗体分子による補体系の蛋白の活性化である。補体系の活性化によって、補体系蛋白が病原体の表面に結合し、食細胞上の補体レセプターによって病原体のオプソニン化がもたらされる。補体系の他の成分は、食細胞を感染局所へと動員するし、活性化された補体系の最終産物は一部の微生物の細胞膜にあなを開けることによって融解させる。
 このどれが働くかは、産生される抗体のイソタイプ (クラス)によって決定される。
B細胞の武装化ヘルパーT細胞による活性化
 B細胞抗原レセプター(BCR)としての表面(膜型)免疫グロブリンは、B細胞の活性化において二つの役割を持つ。①第一に、T細胞抗原レセプター同様、抗原と結合する゛ことによって細胞内に直接にシグナルを伝達する。②第二に、B細胞抗原レセプターは抗原を細胞内に取り込み分解し、MHCクラスⅡ分子に結合したペプチドの形で再度B細胞表面に戻す。このペプチドとMHCクラスⅡ分子の複合体は、抗原特異的な武装化ヘルパーT細胞によって認識され、その結果産生される蛋白によってB細胞の増殖とその抗体産生細胞への分化が誘導される。一部の微生物抗原は、T細胞の補助なしで直接B細胞を活性化する。B細胞がこのような微生物抗原に直接反応し得ることにより、多くの重要な病原細菌に対する迅速な反応が可能となっている。しかし、抗体分子の体細胞高頻度突然変異やある種のイソタイプへのスイッチには、抗原によって活性化されたB細胞と抹消リンパ組織におけるヘルパーT細胞およびその他の細胞との相互作用が必要である。したがって、微生物抗原のみによって直接誘導された抗体分子は、T細胞の補助によって産生された抗体に比べ可変部の多様性に乏しく、機能的多様性も低い。
9-1体液性免疫応答は、抗原に結合したB細胞がヘルパーT細胞によって誘導され、あるいはある種の微生物抗原によって直接誘導されることにより開始する
 ナイーブな抗原特異的リンパ球は抗原単独では容易に活性化されないということは適応免疫における一般的なルールである。ナイーブT細胞はプロフェッショナル抗原提示細胞からの補助シグナルを必要とするし、ナイーブB細胞は武そうかへるぱーT細胞あるいは微生物成分そのものに由来する補助シグナルを必要とする。
9-2武装化ヘルパーT細胞は同一抗原を認識するB細胞を活性化する
T細胞依存性の抗体産生応答には、同一抗原を認識するヘルパーT細胞によるB細胞の活性化が必要である。これは認識連関と呼ばれる。
ウイルスの外被蛋白のエピトープを認識することによってB細胞はウイルス粒子全体を細胞内に取り込むことができる。細胞内でウイルス粒子は分解され外被蛋白のみならず内部の蛋白からもペプチドが生成され、MHCクラスⅡ分子に会合してB細胞上に提示される。感染に伴ってこれらの内部ペプチドを提示したマクロファージや樹状細胞によってすでに感作されたヘルパーT細胞はこれらのB細胞を活性化し、外被蛋白を認識する抗体を産生させることができる。
9-3自己のMHCクラスⅡ分子に結合した高原性ペプチドの刺激で、武装化ヘルパーT細胞はB細胞を活性化させる膜結合型あるいは分泌型の分子を産生する
 これらの分子はエフェクター分子であり、協調してB細胞を活性化させる。特に重要なエフェクター分子は、CD40リガンド(CD40L)という腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーの分子であり、B細胞表面にあるCD40分子に結合する。この結合は、静止期B細胞の細胞周期への侵入を誘導するのみならず、胸腺依存性抗原に対するB細胞応答に必須の役割を果たす。
9-4イソタイプスイッチにはヘルパーT細胞に発現されるCD40Lが必要であり、サイトカインによって誘導される
 
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