黒古一夫BLOG

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岐路に立つ日本(10)――空々しいとはこのことか

2016-12-28 10:00:08 | 仕事
 朝7時、朝の一仕事を終え、たまたま点けたテレビに映る安倍首相のいかにも「心から戦死した兵士・市民に哀悼の意を捧げます」といった体のスピーチを聴いたが、その余りのパフォーマンスぶりに、この人は本当に「心のない人だ」と思わざるを得なかった。スピーチを聴いていて、辟易した、というのが本音である。
 何故か?
 安倍首相は、冒頭部分で「あの日(1941年12月8日のことだろう)爆撃が戦艦アリゾナを二つに切り裂いたとき、乗り組んでいた兵士たちが紅蓮の炎の中で死んでいった」と言い、耳を澄ますと「最後の瞬間、愛する人の根を叫ぶ声、生まれてくる子の幸せを祈る声」が聞こえてくる、故に「その厳粛な事実をかみしめる時、私は言葉を失います」と、神妙な顔つきで言葉を発していたが、3000人近いアメリカ軍兵士や市民が「紅蓮の炎の中で死んでいった」のは、「日本軍の奇襲攻撃」によってである事実については、何故か一言も触れない。つまり「謝罪」はしない。厚顔無恥とはこのような姿勢・考え方のことを言うのだろうが、安倍首相という人間はどういう神経の持ち主なのか、とも思わざるを得ない。 「過去の罪業=過ち」に触れないで、何で「未来」を志向できるのか? 恐らく首相に付き従う「スピーチ・ライター」が苦心して作文した結果なのだろうが、安倍首相が如何に先の世界大戦(アジア太平洋戦争)について「過ち」を認めないかは、「わたしは日本国総理大臣として、この地で命を落とした人々の御霊に、ここから始まった戦いが奪った、全ての勇者たちの命に、戦争の犠牲となった数知れぬ無辜の民の魂に、永劫の哀悼の誠を捧げます」などと言いいながら、その「無辜の民」の中に中国やアジアの人々は入っているのか、その中身を曖昧にすることでアジア太平洋戦争における「日本の戦争責任」については言及しないという、巧妙な論法、書き写していてうんざりしてしまったのは、僕だけか
 こんな「実のない」演説で、いかにも真珠湾の奇襲攻撃で犠牲になった人々へ「哀悼の誠を捧ぐ」と言われ、かつ多くの人に戦争法案と言われているアメリカ軍の支援を目的とした集団的自衛権行使を中心とした安保関連法案を強行採決しながら、「(私たちは)不戦の誓いを貫いてきました」と言われても、衣の袖から鎧が見えている状態でしかなく、多くの人が「不信感」を持ったのではないだろうか。
 しかも、就任前のトランプ次期アメリカ大統領に「忠犬ポチ」よろしく「これからの日米関係を心配して」私邸にまで馳せ参じ、「日本は永久にアメリカの従属国です」と世界に向けて発信しながら、もうすでに「死に体」になっているオバマに向かって「アメリカ人の寛容な態度に感謝する」とか「日米同盟は希望の同盟です」、と言い、さらには「私がオバマ大統領と共に世界に訴えたいのは、和解の力です」などと、世界各地で戦争や紛争を起こし、勝手に振る舞ってきたアメリカに対して「臆面もなく」言える、その神経、恐れ入ったとしか言えない。こんなことを、沖縄の人たちが聞いたらどう思うだろうか。アメリカの強い要請で辺野古沖に新基地を造り、ヤンバルの森の自然を破壊してヘリパッドをつくる、本当にこの人の神経はどうなっているのか、と思わざるを得ない。 「戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない」とは、あきれるしかない。第二次世界大戦が終結してから今日まで71年、世界各地で起こった朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガン戦争、何次にもわたる中東戦争、アフリカや南米での民族紛争、そのどれもアメリカが関係しない戦争はなかった。そんなアメリカにいつも追随してきたのは、残念ながら日本である。その事実をあたかも「泣きがごとき」とばかりに、「寛容の力、和解の力を世界は今こそ必要としています」と白地らしく言明する安倍首相。繰り返すが、この人の神経はどうなっているのか、僕にはとうてい理解できない。 本当に、「寛容の力、和解の力を世界は今こそ必要としています」と思っているのであれば、真珠湾(アメリカ)を訪問してアメリカにゴマをするようなスピーチをする前に、「15年戦争=アジア太平洋戦争」下で2000万人を超える犠牲者を出した中国やアジア諸国・地域に対して、まず「謝罪」し、その上で改めて「不戦の誓い」を子なうべきである。
 そこから全てが始まると僕などは思うが、安倍首相の頭の中には「戦前回帰」を目指しての「改憲」しかなかく、そのためには何でもする。
 もう、彼には鉄槌を加えるしかないのかも知れない
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