ビスクドール・雛人形店・五月人形 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

明治28年創業で,ブリュ・ジュモー60体他お節句を扱い122年,映画「君の名は」小海監督の出生地から車で25分

逢 瀬

2017年07月14日 02時42分11秒 | owarai
少し古風な、あなただった。
あまり流行りの風俗とか話題が、
好きではない。というより、
興味がないらしかった。

唯一、東急ハンズでの買物が
好きだった。文房具や、ちょ
っとしたおもしろい小物が好
きで、

科学系の道具や、いろいろな
専門用具など、熱心に見入っ
ている。

私などは見ただけでは、なに
に使うかわからないものもあ
って、ちょっとしたカルチャ
ーショックだった。

でも、そういうあなただから
こそ、好きになった。外見ば
かり気にして、女にへつらい、

やたらあちこちの高級ホテル
やラウンジや、気の利いたレ
ストラン、コーヒーテラスな
どに詳しい男より、絶対いい。

海に行った時、夜空の星を見
て、「あ、あの星は火星かな、
またたかにから」
と、あなたはつぶやいた。

私は、また大発見をした。
「えっ、星って、全部またた
くのじゃないの?またたかな
い星もあるの」
と叫んでしまった。

「君さ、理科、ちゃんと授業き
いてなかったろ」
すましてあなたは言ったが、

「でも、そんなこと普通覚えて
ない。女の子なんて、みんな
お星さまはまたたくものと
思ってんじゃない」

と口をとがらせた私の頭を、
なだめるようにたたいた。

そんなあなただから、きっち
り土曜や日曜ごとのデートの雰
囲気や、そのあとの肌合いなど、

なんとなく古くさい“逢瀬”と
いった言葉が浮かんだ。

あなたはごく普通の日本家屋の
一軒家のひとり住まいで、ふた
り並んで天井の木目を見ている
と、

昔、しのび逢いのために待
合宿で、はかない契りを交わす
さだめの男女、という気分に
なった。

あなたは基本的に無口で、特
に、むつみごとに対してそう
だった。時おり、やるせない
目を向ける。

当然、愛してるなんて、甘
ったるいことは言わない。

でも、頬杖ついて、寝ころび
ながら、星や魚などの話をぼ
んやり聞いているのは、いい
気分だった。

ひとつずつ、あなたの人柄や、
あなたの興味のあるものを知る
こと。一気にではなくていい、
少しずつ、ほんの逢瀬に・・・。

奥の深い人だと思った。それが
愛情、恋情につながっていく。

肌合いに関してはうぶなくらい、
はにかみとためらいを見せる。
およそ痴話ゲンカなど似合わない。

たぶん、美容院なんて、いっさい
関係のないはずのあなたの髪に、
いとおしく触れる。

静かな寝息は、どこかの静かな
山間で、せせらぎのなかの魚を
追っている夢か、天体望遠鏡を
のぞいている夢を見ているから
なのだろう。

この人に、あまり恋のややこし
さをねだってはいけないと思う
私がいた。


・・・・◇・・・・・・・



しめやかな恋情

どんなにモダンな生活様式
だろうが
シティーライフに囲まれて
いようが

男と女の ふたりきりの
ひそかな時間や営みに

確実に うまれる

そうでなければ 恋とは
いえない 愛とは言えない

熱く激しく 現代的な
スリリングな恋もあるだろ
うが

シニカルにかまえながら
結局ドロドロしていく

一過性の行きずりではない
からこそ

しめやかに 柔らかく
そして心地よく

乾いた風の吹く恋もあるのだ

渇望ではなく 潤いから生まれ
た風
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