万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日韓慰安婦合意問題-韓国の重大なる自己矛盾

2018-01-11 11:58:48 | 国際政治
安倍晋三首相、平昌五輪の開会式欠席へ 慰安婦日韓合意めぐる韓国新方針で判断
韓国の文在寅大統領は、一昨年末の日韓慰安婦合意を不服とし、日韓合意に至る経緯を調査する作業部会を設置した上で、合意の破棄や再交渉には踏み込まないまでも、日本国に対して謝罪を求める方針を示したと報じられております。新たな要求の提起は合意違反ですので、この調子では、韓国政府は今後とも同合意を遵守することなく、国際社会においても慰安婦プロパガンダを継続することでしょう。こうした韓国の“蒸し返し”に対し日本国内では反発が広がっておりますが、韓国の日韓慰安婦合意に対する態度には、幾つかの問題点が指摘されます。

 第一の問題点は、国際社会では、合意の遵守は国際法において行動規範とされている点です。国際合意とは、当事国の一方の気まぐれや利己的動機から安易に破棄されますと、国際社会の不安定要因となりますので、今日では、国際法の網がかけられているのです。1969年に慣習国際法を法典化して成立した「条約法条約(条約に関するウィーン条約)」は、文書化された国家間の合意(条約)にのみ適用されますが、日韓合意のような非文書形式の合意であっても、一般的規範としての合意の遵守義務を免れることはできません。因みに、同条約では、錯誤、詐欺、買収、強制といった条約による無効や、後発的履行不能や事情の根本的変化等による条約の終了・運営停止に関する条件を明記しており、日韓慰安婦合意も、常識的にはこの規定に従うべきなのですが、当合意は、何れの条件も満たしていないのです。

 第二に、話し合い解決であった日韓慰安婦合意を蒸し返しながら、文政権は、北朝鮮問題については、軍事力に依らない話し合いによる解決を主張しているという自己矛盾です。話し合い解決とは、双方が合意内容を誠実に遵守してこそ成立する紛争の解決方法です。ところが、当の韓国は、日韓慰安婦合意に限らず、しばしば国際的合意を一方的に破ってきました。自らが合意の一方的違約の前例をまざまざと見せつけながら、交渉による合意こそが唯一の解決手段であると主張しても、説得力に欠けるのではないでしょうか。朝鮮半島の両国とも、常習的な合意違反国であることを考慮しますと、文政権の主張は、いかにも空虚に響くのです。

 およそ紛争の解決手段には、人類の発展過程の時系列上に、力、合意、一般的なルールの三者が存在するとしますと、特に朝鮮半島問題に関しては、南北当事国には後二者における脆弱性、即ち、自発的合意遵守や順法精神の弱さが観察されます。慰安婦合意にせよ、北朝鮮問題にせよ、日本国政府、並びに、国際社会は、両国の国際規範からの逸脱をゆめゆめ許してはならないと思うのです。

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2 コメント

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断交するべき (あずみ渚)
2018-01-12 08:39:02
おはようございます 
この慰安婦合意。アカ日新聞の捏造記事を元に
安倍政権がありもしない性奴隷を認めてしまったことが大きな間違いでした 政府は国際的にも認められ高く評価されていると自画自賛していますが、  むしろ日本が女性の人権を蹂躙したという見方が世界に広まっているような気がいたします

バ韓国が謝罪や賠償のおかわりを要求するのは
過去の行動をみれば当然で、今後売春婦像も増えていくでしょう

日本はバ韓国に対してきつい制裁を科すべきでスワップの停止、入国ビザの厳格化 工業製品の中間財などの輸出停止など色々できると思います
けど、政財界やマスゴミにも親韓派が多い我が国では
ハ-ドルはとてつもなく高いでしょうが

あずみ渚さま (kuranishi masako)
2018-01-12 09:06:24
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 慰安婦問題は、客観的な証拠に基づく事実確認こそが重要であるにも拘わらず、日本国政府が、これを可能とする手段に訴えようとしないところに問題があるように思えます。また、日本国政府の側には、朝日新聞社の捏造記事に惑わされたという錯誤がありますので、同合意の無効を主張する法的な根拠があります。政治的妥協によって、フェイクがファクトになってはなりませんので、韓国側の”蒸し返し”に対しては、司法解決に訴えるべきと考えております。

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