万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の民主化は香港から始まる?

2012-07-03 17:48:27 | アジア
香港の中国返還15年、民主化訴え40万人デモ(読売新聞) - goo ニュース
 中国本土では、各地で反政府抗議デモが頻発していると報じられつつも、中国の民主化への道筋は、なかなか見えてきません。先日、広東省の烏坎村では、住民の抗議活動から民主的な選挙が実施され、民主化モデルとして注目を集めましたが、その後、民主化ニュースは音沙汰なしです。

 こうした中で、香港では、40万人もの住民が参加して、民主化デモが実施されたそうです。1997年に中国に返還された香港は、香港憲法に基づいて大幅な自治が認められてきました。ところが、近年では、中央政府による介入が強化され、一国二制度も風前の灯となっていたようです。この大規模な民主化デモも、民主主義消滅の危機感が背景にあったことは、想像に難くありません。一方、香港憲法では、立法議会については、部分的ではあれ、直接選挙も明記されていますし、共産党に対して指導的な地位を認めていませんので、香港においては、多党制を実現する余地も残されています。また、現行の制度では、行政長官の選出は間接選挙であり、現職の梁振英氏のように親中派が選出される要因となもなっていますが、将来的には、普通選挙の導入も認めています(デモにおいても、普選の早期導入を要求…)。

 香港憲法では、自治体制の保障は50年に限定していますが、期間経過後には共産主義体制を導入するとも定めていません。つまり、香港の民主化が達成され、上手に機能すれば、逆に、本土に対して、実現可能な民主化モデルを提供することができるのです。共産主義体制が行き詰る中、中国の民主化は、香港から始まるのかもしれません。

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綱引き (愛知のシーサー)
2012-07-04 01:16:18
人口710万人の香港に観光客などで中国本土から訪れた人は昨年2810万人。97年の236万人の12倍だそうです。
自由の素晴らしさを知った人民が、民主化に向かうのは自然の流れです。自由を奪われる恐怖に香港人が抵抗するのも自然です。この流れを押しとどめる事は出来ないと思います。
あと2、3年が限界でしょう。
香港の1国2制度の発展モデルが、台湾の警戒心を解き、沖縄の琉球独立のモデルとなる筈であったものが、根底から崩れ、中国民主化、分裂国家の始まりとなるかもしれません。
ただ、この流れを止める為に中国政府が武力を日本に向ける可能性が非常に高まっております。
尖閣諸島核心的利益発言や、オスプレイ阻止行動など、陰に日向に揺さぶりをかけているのでよほどの注意が必要です。
森本大臣も期待はずれの動きしか出来ないので心配です。
政治家であるならば、オスプレイに試乗デモンストレーション位は当然しなければなりませんし、もっと必要性、安全性をアピールしなければなりません。仲井真知事に言い返せないようでは相手の思う壷にハマっているということです。
この大事な時期に、政治が混乱状態とは・・・
愛知のシーサーさま (kuranishi masako)
2012-07-04 08:09:06
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 仲井真沖縄県知事が、一言、”日米同盟の下で、沖縄県の安全を護るために、全面的に協力する”と、内外に向けて力強い発言をすれば、どれほど強力な中国への抑止力になったか知れません。残念なことに、仲井真知事は、逆に、日米同盟に揺さぶりをかけると共に、沖縄に危機を招きいれていると思うのです。”瀬戸際外交”のつもりなのかもしれませんが、あまりに危険です。

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