万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮による対日核攻撃の可能性ーリスクを覚悟しても救うべきものがある

2017-04-13 15:39:05 | 国際政治
北朝鮮 キム委員長が最精鋭特殊部隊視察 米政権けん制か
 北朝鮮情勢をめぐっては、一触即発とも表現すべき緊迫状態に至っております。アメリカによる北朝鮮空爆の報復として、対日核攻撃も取り沙汰されておりますが、果たして北朝鮮は、対日核攻撃の能力を有しているのでしょうか。日本国に対する核攻撃の可能性については、凡そ、3つの方法が想定されます。

 第1の方法は、地上のミサイル基地からの中距離ミサイルによる核攻撃です。この方法については、北朝鮮がミサイル発射の兆候を見せた時点で、アメリカが瞬時に空爆に踏み切る決断を下すと想定されますので、敵地ミサイル基地の破壊によって防ぐことができます。また、そもそも、北朝鮮が、ミサイル搭載可能な核爆弾の小型化に成功したか否かが不明であり、この点を考慮しても、第一の方法による対日核攻撃の可能性は低と言えます。もっとも、北朝鮮が、地下に移動式のミサイル発射施設を密かに建設していた場合、先制による敵地ミサイル基地の破壊は困難となります。ただし、移動式ミサイル基地については、監視衛星によっては実証実験は確認されておらず(通常、実験を繰り返さなければ技術は確立しない…)、この方法を試みたとしても、必ずしも成功率は高いとは言えません。何れにしても、日本国政府は、至急、日本海にイージス艦を派遣すると共に、地上配備のパトリオットPAC-3システムで迎え撃つ体制を整えるべきです。ミサイル迎撃準備については、北朝鮮のミサイルが長距離弾道弾であり、その照準がアメリカ本土であったとしても同様です。

 第2の方法は、潜水艦に搭載した核ミサイルによる海中移動式の攻撃です。北朝鮮が核ミサイル搭載・発射能力を有する潜水艦を保有しているか否かも定かではありませんが、最貧国に加えて核・ミサイル開発に国家予算を注込んでいますので、この分野での技術力には疑問があります。地上のミサイル基地からの攻撃よりも高い技術力を要する上に、探知能力に優れた海上自衛隊の潜水艦により、事前に水面下での行動がキャッチされるものと予測されます。この場合にも、北朝鮮潜水艦がミサイル発射に至る前に、日米両軍の何れかの先制攻撃により阻止されることとなりましょう。

 そして第3の方法とは、核爆弾の小型化が未完成の場合における、持ち込み式の核攻撃です。爆撃機に搭載した核爆弾を投下するという方法は、日本国の制空権を握らない限り不可能ですので、爆撃機からの投下の可能性はゼロに近いと言えます。ただし、北朝鮮船舶、あるいは、中国船籍船によって日本国内に核爆弾が持ち込まれる、あるいは、既に持ち込まれている可能性については留意する必要があります。このリスクに対しては、朝鮮総連やその関連団体の行動を監視すると共に、港湾や海上における警備を強化する必要があります。第3の方法は、複数の工作員による組織的な連携行動を要しますので、未然に防ぐことは可能です。もう一つの可能性を挙げるとすれば、日本国内の原子力発電所を狙ったテロ攻撃ですが、このリスクも、第3の方法への対処と合わせて防止することができます。

 日本国政府は、北朝鮮による対日核報復の可能性があるため、軍事行動に先立ってアメリカから事前通告を受けた際には、強固に反対すべき、との意見も聞かれますが、北朝鮮の核・ミサイル開発問題については、将来に予測される甚大なるリスクと比較衡量すれば、論理的な帰結は”リスクを覚悟してでも阻止すべし”とならざるを得ません。上述したように、北朝鮮の対日核攻撃能力はそれ程高いレベルにはありませんし、リスクを怖れていたのでは、核を以って全人類を人質に取とうとする暴力主義国家の脅威から日本国民を、そして、人類を救うことはできないのではないかと思うのです。

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20 コメント

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私は今、戦うべきだと思います (しゃちくん)
2017-04-13 17:24:16
北朝鮮を放置しすぎた気がします。
東西ドイツの統合や東欧諸国の民主化が進んだのに対して東アジアは大きな変化もなく現代まで中朝をのさばらせてしまった。
今こそ北朝鮮を解体すべき!
しゃちくんさま (kuranishi masako)
2017-04-13 18:38:36
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 北朝鮮の恫喝を怖れて譲歩を続けた結果が、今日の核・ミサイルの保有という忌々しき事態です。闘うべき時に闘いませんと、結局は、より事態を悪化させるのは、歴史の教訓であると思うのです。
目を覚まそう日本 (gateway)
2017-04-13 22:58:43
本日の記事本文、しゃちくんさんのコメント及びそれに対する倉西先生のご返事は、きわめて重要かつ真っ当な内容です。
私たちは、心して耳をかたむけ、腹の底にしっかりと納めましょう。
現在の哀れな日本の姿を表す語句を思いつくまま並べます。
念仏平和主義。空想平和主義。お気楽平和主義。太平楽平和主義。奴隷平和主義。無抵抗平和主義。腐敗平和主義。情緒平和主義。ダチョウの頭平和主義。軍備さへ放棄すれば平和主義。軍事力さへなくせば平和主義。憲法9条平和主義。
鎌倉 (横浜)
2017-04-13 23:36:25
確かに、白旗上げる時間多めにとり、または、リスク覚悟の時かもしれません、でも、むずかしい。
鎌倉 (横浜)
2017-04-13 23:49:49
あと、丁寧な解説、説明、ありがとうございます。少し安心しました。
さもしい国中国 (gateway)
2017-04-14 00:53:20
連投で失礼します。

朝鮮半島情勢については、4月27日、28日予定の安倍・プーチン会談が大きな意味を持つと予想します。アメリカによるシリア攻撃で、さしものプーチン大統領も少々あわてているようです。

中国の王毅外相は、朝鮮半島情勢について「武力では問題を解決できない。中国は朝鮮半島で混乱や戦争が起きることに反対する」と述べ、「情勢を刺激して事件を起こせば、歴史の責任を負わなければならない」と指摘し、アメリカを牽制したそうである。
こういう人間や国家のことを、恥知らず、と言います。

gatewayさま (kuranishi masako)
2017-04-14 07:27:53
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 今日、平和主義を利用して日本国を無防備な状態にしておく一方で、中国は、それを利用して軍拡をさらに推し進めるという、悪循環が起きております。この悪循環を断たない限り、中国の軍事的脅威は増大する一方であり、日本国のみならず、人類に対する重大な脅威となりましょう。中国は、国際法を無視し、テロ・犯罪国家である北朝鮮を匿ったのですから、国際法秩序を乱し、平和を破壊した全責任は中国にあります。今日の、そして後世の歴史家は、歴史の責任は中国にあると記することでしょう。
横浜さま (kuranishi masako)
2017-04-14 07:31:53
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 白旗を揚げるまでに時間的猶予は、それ程には、ないかもしれません。何故ならば、時間的猶予は、北朝鮮に対して核・ミサイル開発や他国での工作活動のための時間を与えることになり、北朝鮮が有利となる可能性があるからです。日本国内でも、親北朝鮮派が、マスコミ等を介して世論を誘導したり、有事対策として破壊活動やテロの準備を始めていることでしょう。時間を与えることもまた、日本国民の命が危うくなり、極めて危険なのです。
Unknown (Unknown)
2017-04-14 08:54:15
ビルダーバーグシンジケートの工作かな。シリアと北朝鮮で緊張を煽ったのは。トランプ氏が乗せられたのか?
北の刈り上げ君は平気で記者の前に出ているし、外交委員会も設置したし、ニューヨークのホットラインが作動しているようだ。ま、これから交渉になるのだろう。
シンジケート、弁証法を使うのが巧みだから、トランプを騙して、極右は世界大戦も起こしかねない危ない奴というイメージをヨーロッパの人民に植えようとしている。明らかに極右の支持は落ちている。オランダは敗北、フランスもルペン氏、危なくなってきた。
Unknownさま (kuranishi masako)
2017-04-14 09:54:16
 Unknownさまの説が事実であれば、全ては陰謀という事になります。”ビルダーバークシンジケート”による・・・。となりますと、人々が人類に破滅をもたらす行為を批判し、責任を問い詰める対象は、人類を手玉に取って騙すこの陰謀組織であり、最も世界大戦を起こしかねない”危ない奴”となりますが、果たして、真偽のほどはいかがでしょうか。

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