万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

満蒙開拓団集団自決の悲劇ー明るみになった中国の加害性

2016年08月15日 15時37分07秒 | 国際政治
【全国戦没者追悼式】71回目の終戦の日 遺族ら5333人参列 23・2%が戦後生まれに
 昨日の14日の晩に、NHKでは、”NHKスペシャル”として「村民はなぜ満州へ」というタイトルの番組を放送しておりました。NHKの番組編成の方針は、戦前の日本国政府による満州移民政策が、如何に強引であり、如何に国民に対して無責任であったのかを印象付けることにあったようです。

 凡そのストーリーは、戦況悪化により本土から満州への移民が減少したことから、日本国政府は、食糧増産と対ソ防備の必要性から、対象に指定した農村に戸数を割り当て、補助金の支給と引き換えに村民の移住促進政策を国策として推し進め、その結果、満州での集団自決の悲劇に繋がったというものです。

NHKとしては、募集の段階で、”強制連行”や”ノルマ”といった言葉を散りばめて、あたかも政府が、強制的に移民を送り出したかのような印象操作を行っています。しかしながら、取り上げられた長野県の河野村事例では、移民の可否は、農商省等の政策に基づいた村長の決定事項であった、すなわち、拒否もできたようですし、また、結成された開拓団の数も割り当て数も下回っていますので、政府の命令による強制移住ではなかったようです。また、河野村の胡桃澤村長は、村民を熱心に説き伏せた自責の念から戦後に自ら命を絶たれておられます(発見された新資料の一つは胡桃澤村長の日記)。そして驚くべきは、一人だけ生き残って帰国した少年の証言です。それは、ソ連邦の参戦を知った現地中国人の人々が、徴兵によって女性や子供ばかりとなっていた河野村開拓団を襲撃し、開拓団の人々を村落から追い出したため、追い詰められて自害したという集団自決の経緯です。満州並びに朝鮮半島では、ソ連邦の参戦により、ソ連兵と朝鮮の人々に日本人の多くが掠奪に会い、虐殺されたことは既に知られていますが、満州にあっては、地元の中国人までもが、日本人の土地や財産を奪い尽くし、死に追いやっていたのです。一人だけ生き残った少年は、知り合いの中国人に助けられたそうですが、現地では、中国残留孤児で語られる美談ばかりではなかったようなのです。

 番組内では、河野村の開拓団の入植以前にその土地に住んでいたという老齢の中国人も登場し、あたかも、日本国政府が、移民政策により土地を奪ったとする言い方をしておりましたが、どれほどの額であったかは不明なものの、農地の取得は、土地の買収によって行われており、補償金も支払われていたはずです。仮に、満州国にあっても、台湾と同様に平和裏の引揚が実現していれば、集団自決の悲劇は起きなかったことでしょう。NHKは、日本国政府の責任を問うておりますが、この番組では、むしろ、戦後における中国の加害性が浮き彫りにされたのではないかと思うのです。

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2 コメント

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中国・朝鮮・ソ連は100%加害者です。被害者ではない。 (gateway)
2017-03-25 18:27:23
私は明言します。中国・朝鮮・ソ連は100%加害者です。まちがっても被害者ではない。
根拠は、中国・朝鮮・ソ連が次のように叫ぶからです。
「日本は100%加害者である。被害者づらするな」
中国・朝鮮・ソ連が、日本人に対していかに無法な虐殺、強姦、掠奪、放火をやってきたか、その事実を知る日本人はまだまだ少数です。教えてもらっていないのですから当たり前です。

gatewayさま (kuranishi masako)
2017-03-25 22:07:31
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 文科省は、教科書の検定に際し、先の大戦における中国、ソ連、韓国、北朝鮮・・・による日本人に対する加害行為については、記述するように指導しようとはいたしません。現在に生きる人々には、歴史の事実を正確に後世に伝える義務があるのですから、周辺諸国の”歴史認識”に引き摺られてはならないと思うのです。

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