万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

第二次世界大戦では日本人は難民にならなかった-朝鮮半島難民大量発生論への疑問

2017-09-10 15:36:24 | 国際政治
金正恩氏「より大きな勝利を」=水爆実験祝宴で演説―北朝鮮
 緊迫の度を強める一方の北朝鮮問題については、米軍の対北武力行使の準備は既に整っているとされ、何時、有事発生の速報が届いてもおかしくない状況が続いております。米朝両国とも矛を収める気配はありません。

ところで、仮に軍事衝突に至った場合、朝鮮半島から大量の難民が押し寄せるとするシミュレーションがあります。チェタン・ペダッダ米退役陸軍大尉が「フォーリン・ポリシー」に寄せたシナリオでも、短期間で北朝鮮が制圧されることは確定的でありながらも、朝鮮半島は壊滅状態に至り、日本、アメリカ、中国に大量の難民が押し寄せると予測しております(9月10日付産経新聞一面に掲載)。このシミュレーションは、北朝鮮による核兵器の使用は想定していないそうですが、韓国の首都ソウルが壊滅し、生活・産業インフラも破壊される共に、北朝鮮が大量破壊兵器である生物・化学兵器をも使用するため、人的、並びに、物的被害が広範囲に及ぶと推測しているようです。

 おそらく、北朝鮮難民は中国を目指し、韓国からは日本国やアメリカを目的地とすると難民が流出すると予測しているのでしょうが(仮に米朝が開戦し、北朝鮮が核兵器を使用する場合には、難民の選択肢は中国一択となる…)、このシナリオには疑問があります。その理由は、歴史を振り返りますと、短期間で民間人居住地での戦闘が終結する場合には、それ程大量の難民は発生しないからです。例えば日本国の場合、戦争末期にあっては都市空爆を受け、多くの一般市民が住む家を失い、その日の食糧にも事欠くあり様となりましたが、難民となって国外に流出することはありませんでした。否、逃げずに日本国内に留まり、焼け野原を前にして多くの国民が日本国の再建を誓ったからこそ、戦後、奇跡と称された復興を実現することができたとも言えます。

この観点から見ますと、シリア難民問題がなかなか解決を見ない理由は、内戦が短期に終結しておらず、住民をも巻き込む形で長期化していることから説明できますし、アフガニスタンからの難民流出が止まらない原因も、同地でのテロや戦闘状態の継続にあります。

 かつて、リビアの独裁者であったカダフィ氏は、米欧諸国による空爆を前にして、自国民の難民化とヨーロッパへの大量移入を語って軍事行動を牽制しましたが、大量難民のリスクは、空爆に対して慎重な姿勢にさせる効果があります。しかしながら、軍事力としては米軍が北朝鮮を圧倒している状況にあっては、戦闘の短期終結が予測されますので、一時的避難はあり得ても、難民の大量発生は懸念材料とはならないのではないかと思うのです。また、日本国の経験からしますと、早期の戦後復興を成し遂げるためには、南北当事国の国民は、むしろ自国に留まり、祖国の再建に尽くす必要があるのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村
『政治』 ジャンルのランキング
コメント (6)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« アメリカの北朝鮮核保有容認... | トップ | 北朝鮮は“死の商人”?-イラ... »
最近の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (オカブ)
2017-09-10 21:50:19
倉西先生。
いつもご指導ありがとうございます。
ご玉稿の主題について考えたことを述べさせていただきます。
日本人と韓国人、あるいは中国人に関しては、諸外国(例えば西欧諸国)において居住するにあたり、全く行動様式が異なることを私は目の当たりに見てきました。
日本人は、居住または居留する当該国の秩序の中で、本当に慎ましやかに生活を営んでいるのに対して、韓国人、ないしは中国人は当該国の法律・制度を知悠し、いかにそれを有利に利用するか、またその網の目をかいくぐるかに非常に長けています。
従って、日本人が非常に物静かなコミュニティで居留しているのに対して、韓国人、中国人は、当該国で我が物顔にあたかもその国の主人公の如く振舞い、あわよくば、そのささやかな日本人コミュティさえも自らの利のために利用しようとさえします。
つまり、日本人と韓国人、中国人は、その国民性の違いにより、国外における"生命力"に格段の違いがあると考えます。
また、韓国人や中国人は、自らの愛郷心、及び国外に居留することへの抵抗感が、日本人と大きなひらきがあると思います。
そこで、仮に半島有事の際、韓国人は、先生ご指摘にも拘らず、簡単に国外脱出して難民となる可能性があります。
その目指す先は、先生ご指摘のように、陸続きの中国が第一でしょうが、既に数十万人の同法が"半日本人"として暮らす、次に日本に渡ってくる可能性は十分考えられます。
我々日本国民はその際のリスクや国際法上の縛り、ないしは国際法上、彼らに対抗する手段を今から十分に熟慮する必要があるのではないでしょうか?
いずれにせよ、あからさまな北朝鮮工作機関はもとより、日本人によって構成される"従北勢力"まで国内に抱え、ましてや、在日韓国に人に関しては北の勢力との区分けもおぼろげで、かつ彼らに対する法的な対応措置は僅かもない現状では非常に心もとない気がします。
ベクトルは日本の核保有 (風見 弦)
2017-09-11 02:04:36
お世話になります!

”昨日のNHKの日曜討論で
小野寺防衛大臣が
北朝鮮は核保有国と認められる能力を
持って いると指摘”

その前に、少しは真面なことを言ったよ様な
石破氏の”非核3+1原則”(+1=核保有議論)

それらを踏まえますと
アメリカは日本の核武装容認の流れを
作ろうとしているのではないでしょうか!?
(あくまで米国の利益を天秤に於いて)

難民問題については
戦争紛争によるもの以外の流入が加速しています

我が松戸市は現在約48万人のなか
ベトナムの方がその1%弱3000人以上
その他東南アジア系の方の多くが
介護関係に従事しています

日本は暮らしやすいとのこと・・・

1世代では無理でも、世代重ねるうちに
日本の風土風習に馴染んでいただければいいと思います

中国の唐の時代前後は
朝鮮半島から多くの流入があったでしょう
その影響からか、殊に関東には地名の由来も多くあります

先々の大きな災難(第三次世界大戦等)を
防ぐ意味では、それらよりも小さな目を
摘むこともありうるのかなぁ~?っと
素人ながら思ったりしています
(相手が増長する懸念が払拭できないとすれば)

小生が享受している幸せとは何ぞや!?

この世界に同じ人として生まれても
地域、国によって大きな格差以上に
明日生きられるかといった現状が沢山あります
それを運命宿命として割り切りない
我が人生でした!

若いころは
技術で海外青年協力隊などで
世界に出て行くつもりでしたが
夢半ばに終わりました!

難民を恐れることなく
やるときはアメリカに頼らず
やる姿勢こそ、大和心で
それが、悠久の日本の歴史だと思います

功利的に走りすぎず
かつかつでも今を生きていることに
感謝するのが、にっぽん大和の瑞穂の国

政治が外来に惑わさられることなく
稚拙拙速にならぬように願うばかり


いつも上手く申せませんが
失礼いたします









オカブさま (kuranishi masako)
2017-09-11 08:26:13
コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 オカブさまのご指摘、納得いたします。朝鮮戦争時でも、日本国への密入国者が急増しましたが、その理由は、共産主義者といった北朝鮮のシンパ、あるいは、経済的理由による自発的渡航でした。休戦後に至り、朝鮮半島での戦闘が終結した後でも、”戦時中の強制連行”という嘘を吐き通し、帰国しようとはしておりません。今日、韓国は、ヘル・コリアと称されているようですが、南北とも、他国の尊厳や権利に対する無神経さ、暴力主義、並びに、利己的な逃避傾向の強さ…が自国の発展を妨げていることに、気が付くべきであると思うのです。今度ばかりは、たとえ一時的に難民を保護しても、戦後復興のために、全員、早期の帰国措置を講じるべきなのではないでしょうか。
風見 弦さま (kuranishi masako)
2017-09-11 08:42:58
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 今後につきましては、アメリカの決断次第となりましょうが、様々な可能性があり得ます。先行きが不透明ではあっても、第一に考えるべきは、如何なる展開になろうとも、最善を尽くして日本国の安全を確保することではないかと考えております。

 残念ながら、仮に、アメリカが北朝鮮の核保有を認めるとしますと、日本国政府がすべきことは、アメリカ政府、並びに、国際社会に対する論理的な説得となりましょう。アメリカのリベラル派を中心に、日本国の核武装に反対する勢力があるからです(中ロの反対も予測される…)。

 その一方で、アメリカが意を決して武力制裁に踏み切る際には、日本国への難民流入を理由に日本国政府が反対することはあってはならないと思います。難民は、戦闘終結後に速やかに帰還させればよいのですから。

 何れにいたしましても、危機に際しては先例踏襲では対応できませんので、柔軟な発想も必要となりますので、日本国政府には、日本国と国民の安全を第一とする現実的な対応を望みたいと思うのです。
眞子様の婚約内定会見 (太陽と月)
2017-09-11 10:55:51
今、テレビのBSのチャンネルを回して驚きました。BSフジの韓国ドラマのタイトルが「太陽を抱く月」なのです。宮廷ドラマの様です。偶然なのでしょうか? 今、皇室について話題になっている眞子様は本当の眞子様なのでしょうか? なんだか彼の国の陰謀の様に思えて来ました。第2回でしたので、今月に合わせて放映していると思います。
太陽と月さま (kuranishi masako)
2017-09-11 13:05:07
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 皇室につきましては、国民には秘されている歴史的事実があるように推察しております。今般の眞子さんの婚約の一件も、今に始まったことではなく、何らかの長期的な計画の一環であり、今日、誰にでも分かる形で表面化したように思えます。おそらく、国際的な謀略なのでしょうが(こうした組織では、替え玉や人の入れ替えを得意としている…)、朝鮮半島との関係につきましても、明治期や韓国併合期にまで遡って真相を究明する必要があるのかもしれません。国際謀略組織と朝鮮半島のメンタリティーには親和性が高く、両者の利害は、日本攻略において一致している可能性も否定はできません。多くの日本国民は、皇室の変質ぶりや異常な行動に落胆しており、今となっては、事実が明るみになりましても、それ程驚かないのではないかと思うのです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際政治」カテゴリの最新記事