万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

「一つの中国」の原則こそ国際社会の原則違反では?

2016-12-13 15:22:19 | 国際政治
米国、「一つの中国」政策維持にコミット=大統領報道官
 トランプ次期大統領の”「一つの中国」の原則には縛られない”とする発言は、中国を震撼させているようです。早々、中国から抗議の声が上がっていますが、そもそも、「一つの中国」の原則こそ、国際社会の原則違反なのではないかと思うのです。

 台湾の歴史は、中国本土の歴史とは著しく違っています。清国が、1683年に台湾に遠征軍を派遣し、この地を直轄地として版図に組み込んだ理由は、そこが漢民族の固有の地であったからではありません。『国姓爺合戦』で知られる鄭成功が、1662年に台湾に鄭氏台湾を樹立し、明国の復興を試みる”抗清復明運動”の本拠地としたからです。

 それでは、それ以前の台湾の状況はどうかと申しますと、歴史的には、歴代中国王朝に服したことはありませんでした。一方、1593年には日本国の豊臣秀吉が台湾(高山国)に朝貢を求めたとされており、この頃は、独立的な地位を維持していたようです。その後、ポルトガルやスペインが拠点を設けましたが、鄭氏台湾以前には、オランダが一時全島に支配権を及ぼしています。中国大陸からの移住者も少なくないとはいえ、元々の住民はマレー・ポリネシア系の人々によって構成されており、漢民族の歴史的居住地ではないのです。下関条約おいて清国があっさりと日本国への割譲を認めたのは、台湾は後から便宜上併合したに過ぎず、古来の領土ではないとする認識が清国側にあった証左でもあります。

 こうした台湾が歩んできた固有の歴史を考慮しますと、民族自決を原則とする今日の国際社会にあって、台湾の独立国たる地位は、当然に認められて然るべきです。中国が主張する「一つの中国」の原則は国際法において根拠はなく、武力併合をも正当化しようとするこの原則こそ、国際社会の原則違反なのではないでしょうか。

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