万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ヒアリ・テロ説の信憑性

2017-07-17 14:47:07 | 国際政治
 南米を原産地とする殺人蟻のヒアリは遂に日本国にも上陸し、神戸港を始めとして日本各地の港湾で発見されています。全国的なヒアリの発見に、ネット上ではヒアリ・テロ説が飛び交っています。

 ヒアリ・テロ説を否定する立場からは、“仮に意図的なテロであるならば、公園といった人々が集まる公共の場でヒアリ・テロを実行するはず”とする意見も聞かれます。しかしながら、イスラム過激派による自爆テロといった犯行声明を伴う都市部での“公開テロ”とは異なり、ヒアリの場合には、実行組織は“隠れたテロ”を狙っている可能性があります。公園等の公共の場においてヒアリ・テロを実行すれば、即、テロと認定されてしまうため、“隠れたテロ”を目論む場合には、自然な侵入に見せかける必要があるはずなのです。このように考えますと、あながちヒアリ・テロ説は完全否定にはできなくなりますが、その他にも、この事件には、不自然な点が散見されます。

 第一に不自然な点は、横浜港など港湾のコンテナヤードでの発見例もあるものの、その多くが、中国から出港したコンテナ内部において発見されている点です。神戸港、名古屋港、そして、東京港の何れのケースも、広東省の南沙港から出港したコンテナやその周辺に付着していました(大阪港のケースは香港から入港したコンテナ周辺…)。同時期に日本の港湾に入港したコンテナに、かくも多くヒアリが付着していたとすると、南沙湾、あるいは、広州市では、ヒアリが大量発生しているはずです。しかしながら、これまでのところ、こうした情報は伝わってきません。

 また、草地を好み、土塚を造る習性があるヒアリにとって、コンテナ内部が快適な生息環境であるとは思えません。コンテナは、鉄鋼やアルミニウムで製造されていますし、餌となる動植物も生息していないからです(もっとも、コンテナの積荷が農産物であった可能性はある…)。コンテナ内にヒアリが自然に侵入して棲み着いたとは考え難く、人為的に混入された可能性も否定できないのです。

 第二に不自然な点は、日本国政府の対応です。一連のヒアリ騒動は、6月21日の神戸港での発見に始まります。しかしながら、10年以上も前からヒアリはアメリカや中国などでは既に拡散しており、日本国政府もヒアリ情報を入手していたはずです。この時期に至って、急遽、政府がヒアリ調査に乗り出し、かつ、実際にヒアリの発見が相次いだ背景には、何らかのルートから“ヒアリテロ情報”が伝わった可能性があります。

 そして、逆の意味で不自然な点は、日本国政府のヒアリ対策です。報道に依りますと、一旦、全国の港湾で一斉に毒入り餌を撒く計画を立てたのですが、専門家の意見によって中止となったそうです。一般の在来種のアリも駆除してしまい、かえってヒアリが生息し易くなるという…。しかしながら、この反論、非科学的な推論としか言いようがありません。何故ならば、毒餌を撒いてもヒアリだけが生き残ると主張しているのですから。ヒアリだけが生き残る毒餌を蒔くともりなのでしょうか。また、ヒアリが国内に棲み着けば死亡者が出ることはほぼ確実なのですから、港湾周辺の土地に限定して“アリ無生息地帯”となるのですから、従来種が絶滅するわけでもありません。日本国政府が、何故、人命優先の原則を放棄したのでしょうか。この点も謎です。

 ヒアリに関するマスメディアの基本的な論調は、“必要以上に恐れるな”であり、このフレーズは、テロ事件が起きる度に何度も耳にしました。以上に述べてきた不審点の他に、こうしたマスメディアの態度からしますと、ヒアリ・テロ説は、なおさらもって否定はできないように思えるのです。

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