万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

TPP-日本の製造業にも黄信号?

2012-02-09 16:16:52 | 国際経済
TPP「全品目対象」…米との事前協議で表明(読売新聞) - goo ニュース
 TPPの参加問題をめぐる賛否両論は、これまで、輸出の拡大を期待する製造業と輸入農産物との競争に晒される農業との間の対立構図で理解されてきました。しかしながら、最近の日本経済を観察していますと、賛成派であるはずの製造業にも黄信号が点っているように思えるのです。

 日本経済を取り巻く”6重苦”の一つは、自由貿易協定や経済協力協定の遅れであり、日本製品に課せられる関税が、国際競争力を弱めていると指摘されてきました。この点、TPPは、関税障壁を取り除くのですから、輸出産業にとりましては、プラスに働くはずでした。しかしながら、急激な円高や電力危機などによる経済環境の急激な悪化は、このメリットを享受する以前の段階で、日本の産業を海外に弾き出してしまいそうなのです。その一方で、リーマンショック以降、金融頼りの経済に、リスクと脆弱性を認識したアメリカ政府は、製造業の国内回帰に力をいれているそうです。どの国にとりましても、消費力のある中間層の崩壊や失業問題を考えれば、国内における産業の育成は重要な政策課題です。

 このままでは、最悪の場合には、TPPが締結される頃には、日本国には、輸出産業そのものが残っていないかもしれません。にも拘らず、日本国政府は、産業の流出を止めるどころか、意図的に促進させているのですから、時代の流れに逆行し、日本国を貧困化の方向に導いていると思うのです。

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ジャンル:
政治
キーワード
アメリカ政府 日本国政府 リーマンショック 日本の産業 国際競争力 自由貿易協定
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