万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮の核保有-裏切られた非核保有国こそ団結して抗議を

2016-09-15 15:45:41 | 国際政治
核実験自制決議案を配布=安保理月内採択目指す―米
 北朝鮮の核実験は、無法国家による実戦用核配備の日が目前に迫っていることを意味します。国連安保理でも、北朝鮮に対する制裁決議を準備しておりますが、それが自制を求めるに過ぎないならば、効果は全く期待できません。

 北朝鮮の相次ぐ核実験は、NPT体制の限界をも示しております。そして、この事態に対して最も憤慨し、抗議すべきは、非核保有国ではないかと思うのです。非核保有国がNPT体制に参加した理由は、この条約に加われば核拡散が効果的に防止され、自国の安全が高まると信じたことにあります。例えば日本国でも、NPTへの加盟に際しては、核武装が不可能となるため、国内では懸念や反対の声があったそうです。しかしながら、核の不拡散による”核なき世界”は人類の理想でもあるとする、大局的な見地から同体制に加わったのであり、他の締約国も、同様の判断が働いたものと推測されます。

 ところが、蓋を開けてみますと、最も危険な国である北朝鮮が核を保有してしまっているのですから、他の非核保有国は、重大なる裏切りを受けたことになります。NPT体制の維持を信じて加盟したのに、”約束が違うではないか!”ということになるのです。この点、核保有国は、自らは核武装しているのですから、たとえ北朝鮮が核を保有したとしても、然したる影響は受けません。一方、NTP体制に縛られて核によって自らの身を守ることができない非核保有国にとりましては、国家存亡にかかわる死活問題なのです。

 こうした場合、核拡散によって不利益を被る非核保有諸国こそ、団結して強く抗議すべきなのではないでしょうか。数の上では、核保有国よりも非核保有国の方が圧倒的に多いのですから。抗議の先は、まずは、明白なる違反国である北朝鮮となるのですが、核拡散を防止できなかった核保有国にも責任があります。核実験の通告を受けていた中国に至っては、北朝鮮の核保有を黙認さえしているのです。核保有国は、NPT違反により窮地に立たされる非核保有諸国の立場を理解し、その抗議の声に真摯に耳を傾けるべきでなのではないでしょうか。

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