万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自らの墓穴を掘る韓国ー慰安婦個人請求権の主張

2017-06-14 14:07:14 | 国際政治
「個人請求権は存在」=慰安婦合意で韓国政府
 報道によりますと、韓国政府は、日韓慰安婦合意後にあっても”同問題は人道問題であるため、1965年の日韓請求権協定の対象には含まれず、元慰安婦の対日個人請求権は消滅していない”とする従来の見解を維持しているそうです。この見解は、慰安婦合意で生じた心的被害の賠償を求めて元慰安婦が韓国政府を訴えた訴訟に過程で、被告となった韓国政府から地方裁判所に書面で伝えられたものです。

 日韓慰安婦合意を以って最終解決と見なす日本国では、慰安婦問題の”蒸し返し”として反発が強まっておりますが、今般の韓国政府の行動は、自らの墓穴を掘るに等しいとしか言いようがありません。何故ならば、日韓請求権協定の解釈を問うたことは、自ら司法解決の土俵に上ることを意味するからです。国際社会では、条約等に関する解釈において政府間に争いが生じた場合には、ICJや常設仲裁裁判所等の国際司法機関に判断を委ねるのが最も正当な解決手段です。韓国政府は、日韓請求権協定の対象範囲について日本側とは異なる主張を行っているのですから、当然に、この問題は司法解決に付すべきです。今般の韓国政府の見解は、元慰安婦による損害賠償請求訴訟において付随的に示されたものの、仮に、韓国政府が本問題は未解決であり、元慰安婦には個人請求権が残っていると主張するならば、国内裁判所ではなく国際司法機関に対して訴えるのが筋というものです。

 そして、それが”墓穴”である理由は、裁判の過程においては、証拠に基づき、客観的、かつ、中立的な立場から事実関係が確認されるからです。例えば、(1)日本軍による強制連行や性奴隷説等が否定される、(2)慰安婦被害の実態とは、民間事業者による犯罪であることが明らかになる(犯罪被害者に対する公的救済措置の法制化は、日本国でも近年に過ぎない…)、(3)日韓請求権協定は、日本国、並びに、日本国民側の一方的な請求権放棄を定め、韓国側に極めて有利な内容であったことが知れ渡る…などは、韓国側が対日請求の根拠を失うことを意味します。また、仮に、人道問題を理由に個人請求権が残されているとするならば、敗戦の混乱期にあって朝鮮半島の人々が内外の日本人に加えた非人道的な行為に対しても、対韓個人請求権は生きていることとなりましょう。

 韓国政府が司法の場に解決を求めることは、日本国政府にとりましては願ってもないチャンスです。韓国政府のプロパガンダによって著しく傷つけられた名誉が回復され、さらには、日本国民側の個人的な被害も、人道問題として償われる可能性があるのですから。日韓慰安婦合意の再交渉に応じる必要はありませんが、日本国政府は、司法解決については大いに歓迎すべきと思うのです。

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