万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮危機-日本国の国家安全保障会議はどうしたのか?

2017-09-16 15:56:46 | 国際政治
北ミサイル、「常態化する恐れ」…外務省幹部
 2013年12月4日、日本版NSC(National Security Council)として鳴り物入りで設置された国家安全保障会議。ところが、北朝鮮危機が深刻な事態を迎えているにも拘らず、同会議が開かれたという報道は聞こえてきません。

 日本国政府は、国連安保理の緊急会合に向けての準備やアメリカとの調整に悩殺されており、国内的な対応が遅れているのかもしれませんが、北朝鮮問題に限らず、対外的な危機に際しては、国際レベルと国内レベルの戦略策定を同時並行的、かつ、整合的に策定する必要があります。どちらか一方でも手薄となりますと、全ての事態に対して柔軟に対応することができなくなります。

 本件に関しては、朝鮮アジア太平洋平和委員会は、朝鮮軍、並びに、国民からの声としながらも、“取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ”とする声明を発し、日本国、及び、日本人に対して“殺人予告”の如き言葉で敵意を露わにしています。実際に核兵器のみならず、日本列島全域を射程距離に含める中距離ミサイルも保有し、かつ、日本国内に破壊活動員に転じ得る在日北朝鮮人を配置しているのですから、脅迫の言葉を実行する能力をも備えているのです。日本国の安全保障は、極めて危うい状況にあるのですが、日本国政府は、北朝鮮に対する非難や抗議の言葉はあっても、Jアラートを発動するのみで、対策らしい対策は見えてこないのです。

 本来であれば、こうした危機にあってこそ、国家安全保障会議、特に日本国の総力を挙げて対応するには「9大臣会合」が、即、開催されるべきではないでしょうか。「9大臣会合」では、首相、官房長官、外相、防衛相(「4大臣会合」のメンバー)に加えて、副総理、総務大臣、財務大臣、経産大臣、国交大臣、国家公安委員長も参加します。北朝鮮に対抗し得る効果的な戦略策定には、日本国の資源、技術力、人材、予算を注ぎ込む必要があり、さらには民間にも防衛協力を求める事態も想定されます。否、前代未聞の危機だけに、前例踏襲を廃して、技術力等を有する民間の知恵やアイディアをも結集する形で対応を急ぐべき事態であるのかもしれません。

 国家安全保障会議の組織図や構成を見ておりますと、些か官僚主義的な側面があり、危機に対して敏速、かつ、機動的に活動できるのか疑問なところです。あるいは、同会議には、機密漏洩などの点で不備があるのでしょうか。日本国の運命と国民の命がかかっていながら、同会議も開催されず、日本国としての戦略が存在するのか否かも不明な状態に、国民の多くは不安を感じているのではないかと思うのです。

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4 コメント

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Unknown (オカブ)
2017-09-16 16:50:01
倉西先生
いつもご指導ありがとうございます。
まず、ご指摘の国家安全保障会議ですが、私は当該期機構が今回のような北朝鮮ミサイル危機といったクリティカルな問題に対峙した経験がないので、構成メンバーをはじめ、関わる行政官僚が、「何をしたら良いか分からない状態」なのではないかと思います。
北朝鮮への制裁にしても、軍事行動にしても、あるいは「対話」にしても、アメリカ主導で行われ、すべてアメリカの意向で決定する事項に対して、安倍首相も国内での冗長な会議に時間を割いている時間はないのでしょう。
そして、その会議を開催するとして、行政官僚が膨大な書類を作成して、それを審議し、なんら実質的な成果が得られないのは火を見るよりも明らかです。
しかし、私は国家安全保障会議を開くな、開く必要はない、と申しているのではありません。
同会議が、真に日本の安全保障の要となるよう、実質的に機能することを願っているのです。
それには日本が浸っている"倒錯した世界観"の是正の方が、時系列的優先順位が高いのかもしれません。
勝手なことを申し上げ恐縮です。またご指導のほどよろしくお願いいたします。
日本の領土上空を飛び越えるICBM (gateway)
2017-09-16 19:15:26
9月14日の時事通信ニュースです。
9月14日の朝鮮中央通信が、次の事実を伝えたというニュースです。
北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は、9月13日、報道官声明を出した。
 「日本列島を核爆弾で海に沈めなければならない」と。
さらに続けて声明は「わが軍や人民の声」として
 「日本の領土上空を飛び越えるわれわれの大陸間弾道ミサイル(ICBM)を見ても正気を取り戻さない日本人をたたきのめさなければならない」と。
狂犬北朝鮮に「正気を取り戻さない日本人」とせせら笑われています。
はてさて一体、狂っているのは北朝鮮か日本か。

オカブさま (kuranishi masako)
2017-09-16 20:56:04
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 確かに、オカブさまのおっしゃる通り、北朝鮮に対する制裁措置については、アメリカの決断に応じて具体対策を講じる必要がありますが、今現在でも、日本国政府がすべきことは山ほどあります。ミサイル防衛や敵地攻撃の検討に入ってるならば、予算措置(財務省)や民間を含めた技術の研究・開発(経産省)を急ぐ必要がありますし、国内の朝鮮総連系のテロに対しても、国家公安レベルでの対策を講じなくてはならないはずです。にも拘らず、政府が国家としての整合性のとれた体系的な戦略を策定しているとも思えず、不安が募ります。
 ところで、”倒錯した世界観”については、北朝鮮はさらに重症に思えます。他国を暴力で脅すことは、古来、人間社会では”悪”と認識されてきましたが、北朝鮮は、被害を受けている側を”悪”と捉えており、善悪が逆転しております。北朝鮮問題は、体制崩壊まで視野に入れませんと、根本的な解決とはならないように思えます。
gatewayさま (kuranishi masako)
2017-09-16 21:21:11
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 本記事には、同声明の発信元が抜けており、曖昧な記事となってしまい、申し訳ありませんでした。早急に訂正したいと思います。オカブさまへのコメントでも指摘させていただきたのですが、北朝鮮、否、共産主義者(あるいは主体思想の信者…)の倒錯は、病的と言うしかないレベルです。朝鮮アジア太平洋平和委員会に付された”平和”も、冗談としか思えず、かつてのソ連邦にも、”スターリン平和賞”なるものも設けられていたそうです。平和の名における暴力という倒錯こそ、今日、人類が直面している世界観、あるいは、思想的な意味における危機のように思えます。

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