万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イスラエルのイラン核施設攻撃―核開発は両刃の剣

2012-02-04 15:51:13 | 国際政治
イスラエル、今春にイラン核施設攻撃か…米紙(読売新聞) - goo ニュース
 イランは、アフマディネジェド大統領の下で、濃縮ウラン方式による核兵器の開発に成功しつつあるそうです。この事態を受けて、核攻撃の標的となることが予測されるイスラエルは、今春にもイランの核施設攻撃に踏み切るのではないかとする憶測が流れています。

 イランが、この展開を予測していなかったとしたら、それは不思議なことです。イスラエルは、1981年6月に、サダム・フセインの支配下にあったイラクに対して、オシラクの核施設を爆撃するという作戦を展開しています。イスラエルの一方的な”バビロン作戦”に対しては、国連安保理が非難決議を採択したものの、”核の不拡散”という名分があったために(イラクは平和利用を主張…)、イスラエルに対する制裁などは発動されませんでした。イスラエルはこの作戦で、核の脅威の排除には、軍事行動をも辞さないとする強硬な態度を国際社会に知らしめたのです。今日のイランは、まさしくこの時のイラクの立場にあり、現イスラエル政権が右派であることを考慮しますと、イラン攻撃の可能性は、極めて高いと言うことができます。イラク核施設攻撃は、即、戦争に発展することはありませんでしたが、時間を置いて、湾岸戦争とイラク戦争が勃発したことを考えますと(イラク戦争の原因は大量破壊兵器保有疑惑にあった…)、イラン問題もまた、大規模な軍事衝突に向かうかもしれません。

 NPT体制の枠外で核兵器を製造しようとする試みは、同時に、自国が他国から攻撃される要因を自ら作り出すことでもあります(北朝鮮も同様…)。核兵器の開発は、両刃の剣でもあるのです。イラクの前例を知りながら、イランが、核兵器を密かに開発したとしますと、それは、戦争を覚悟した上でのこととしか考えられないのです。

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政治
キーワード
イラク戦争 大量破壊兵器 バビロン作戦 濃縮ウラン
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