万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

シリア決議―”変わらない”ロシアの行方

2012-02-05 15:53:12 | 国際政治
シリア決議、中ロが再び拒否権=安保理、機能不全を露呈(時事通信) - goo ニュース
 自由で民主的な国家では、”チェンジ”のスローガンを掲げてオバマ大統領に当選したアメリカのように、未来志向の”変わる”とか、”変える”という言葉は、国民の心を惹きつけるものです(変化は必ずしも良い結果をもたらすわけではありませんが…)。一方、ソ連邦が崩壊し、西側諸国と同様の国家体制に移行したはずのロシアでは、逆の現象が起きつつあります。

 反政府運動が発生して以来、シリアのアサド政権は、自国民に対して無差別虐殺を繰り返しており、国際社会から厳しい非難を浴びています。自国民を虐殺すれば、残酷な暴君として統治者失格の烙印が押されるものですが、鉄面皮のアサド大統領は、国際的な圧力を無視し、弾圧を止める気配を一向に見せてはいません。この事態に、国連の安保理では、人権侵害の即時停止を求める決議案が提出されたのですが、ロシアと中国は拒否権を発動し、この決議案を葬り去ってしまいました。共産主義体制を維持している中国が、同様の体制を敷くシリアを擁護することは容易に予測できますが、ロシアの自由で民主的な国家の看板には偽りがあり、ロシアは、冷静時代とあいも変わらずに、社会・共産主義国体制の支持に回っているのです。

 今年は、ロシアも大統領選挙の年であり、最有力候補とされるプーチン現首相は、”変わらない”路線の推進者でもあります。否、より積極的に過去のソ連邦の体制に引き戻したいのかもしれません。ロシアでは、大規模な「反プーチン」デモも発生しているそうですが、ロシア国民は、国民弾圧を容認し、社会共産主義国の後ろ盾となっている”変わらない”ロシアに対して、どのような判断を示すのでしょうか。

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ジャンル:
政治
キーワード
共産主義国 大統領選挙 反政府運動 オバマ大統領
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