門司港ホテル

昨年の今頃、山口から北九州へ旅をしました。
ワークショップの為に山口県まで行く事になり、メリーさんが同じ頃に、「門司港ホテル」に泊まると聞き、折角だから私も九州まで足を伸ばそう、と思い立ったのでした。

以前、福岡市の「ホテル・イル・パラッツォ」がデザイナーズホテルとして建築・インテリア雑誌などで話題になりました。
そして、この門司港ホテルも同じ建築家、イタリアのアルド・ロッシ(Aldo Rossi)、インテリアデザインを内田繁、そしてアートデレクションには浅葉克巳が加わっています。




ロッシが「門司の鮫」(The Shark of Moji)と名付けたこのホテル。
レトロな風景のこの街で賛否両論はあるようですが、私はこのデザインに不思議なアジアンテイスト感じ、外観もあの街並みを壊しているようには思いませんでした。
門司港付近はレトロな建物もすっかり観光化されています。






ホテルの中には、内田繁デザインのガラスの茶室「一聚庵」もあり、お願いをして見せていただきました。
内田繁氏はこれまでも、「受庵」や「行庵」といった茶室の提案をしています。

ホテル全体のインテリアは、洗練されているというよりも、
むしろ温かさを感じました。





さて、同じ門司港に建つ、黒川紀章氏設計による高層マンション「門司港レトロハイマート」
30階まではマンションとなっています。最上階の31階を市が購入して、展望室として開放しているものです。
地上100mから関門海峡及びレトロな街並みを眺める、というものですが、確かに上からの眺めは最高との事。
しかし、地上から見る風景は・・・。
どうも私はこういう高層建築は好きになれないようです。
高い所は好きなのですが(笑）







門司港の前日には小倉に行きました。
そこに、この旅で一番印象に残った建物が・・・
小倉城の近くに建つ「リバーウォーク北九州」
この建物の基本設計は、福岡のキャナルシティの設計も行った米国の建築家 Jon Jerde（ジョン・ジャーディ）




この地域は、商業と文化と情報発信、という3つの機能を複合するという基本構想に基づいて開発されました。商業施設の他、北九州市の文化施設やＮＨＫの放送支局もこの中にあります。
区役所の跡地を利用した大型複合施設です。
紫川や小倉城、勝山公園など、緑豊かな自然と歴史的遺構に囲まれたエリア。
この「リバーウォーク北九州」はいろいろな角度から、小倉城を眺める事が出来るよう工夫されているとも聞きました。
写真は、屋上庭園の水の回廊。水面に小倉城が映ります。


しかし、小倉城公園を歩きながら、ふと振り返った光景は・・・
びっくりするというよりも、「ぞっとした」感がありました。
これが「リバーウォーク北九州」の外観です。
斬新なのかもしれません。新しい感覚でこのエリアを捉えているのかもしれません。
でも、調和していると感じる人は少ないのではないかと思います。


この旅では、新しいものと歴史的なものが混在した景観に、度々出会ったのでした。
このような施設が建設されるに至っては、当然、行政と住民、専門家などによる協議が重ねられてきたことでしょう。

しかし、何もここにコレを建てなくても・・・と思ったのは私だけでしょうか？^_^;