まろの公園ライフ

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アメリカン・スナイパー

2016年08月29日 | 日記

遅まきながら・・・
映画「アメリカン・スナイパー」を観た。
封切り時に見逃したままになっていた2年前の映画である。

戦争映画としては「プライベート・ライアン」を凌ぐ
史上最高の興行成績をおさめたと言う。
ただ、いかにもアメリカらしい「戦争賛美」映画ではなく
と言ってあからさまな「反戦映画」でもなく
そのさじ加減がさすがクリント・イースドウッドである。
イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルが記した
自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」が原作となっている。


かつてアメリカにとって戦争と言えばベトナムだったが
今やイラク戦争こそが最大のトラウマなのである。



カイルはカウボーイに憧れるテキサスの青年だったが
1998年のアメリカ大使館襲撃事件をテレビで見て愛国心にかられ
海兵隊の特殊部隊「シールズ」に志願。
スナイパー〈狙撃手〉としての類まれなる才能を発揮し
やがて「レジェンド(伝説)」と呼ばれる存在にまでなっていく。
しかし、同時多発テロを契機に
アメリカが泥沼の戦いへと突き進んでいく中で
彼もまた戦争に傷つき、戦場の忌まわしい記憶に苛まれていく。

私生活ではバーで知り合ったカヤと結婚し
二人の子供も授かって傍目には順調そのものだったが
仲間が戦場で次々と傷つき、倒れていく様子を目の当たりにする中で
カイルはPTSD(心的外傷ストレス障害)に蝕まれていく。
戦地から戻って愛する家族に迎えられても
彼の心は「戦場」のままだった。
実際、イラク戦争でPTSDに陥ったアメリカ兵は
二万人とも三万人とも言われ
世界の警察官が支払った戦争の代償はあまりにも大きく
癒しようもなく深いのである。
実にあっけなく示唆に富んだ映画のラストがいい。

道に転がっているセミの亡骸を片づけていると
カマキリがお食事中だった。(笑)
バタバタともがくセミの喉もと(?)に食らいつき
勝ち誇ったように抑え込んでいる。
うーん、「夏のスナイパー」は何とも残酷だなあ!
弱肉強食、食物連鎖、自然淘汰、栄枯盛衰・・
いろんな言葉を思い浮かべつつ
オジサンは慌ててその場を立ち去ったのである。


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