くに楽 2

"日々是好日" ならいいのにね

「日々徒然」第九話

2017-05-14 16:39:45 | はらだおさむ氏コーナー

〝神ってる″ と 〝神速″

 毎月A3の『呆報』2~3号を郵送いただいている。

 主幹のNさんはわたしよりお若いが、50代から独学でマスターされた中国語を使って、中国の僻地の子供たちとご自分の絵本(日中両文)を通して交流を続けておられる。

 いつからか白川静文字学にも没頭され、その解説などもいただくがこれはムツカシイ。

 わたしにとっての楽しみは、毎月封筒に挟み込まれた近況の枝折りである。

 今月はつぎの一文が届いた。                                                              

 

     卓球で10代の女性がすごい成果を上げました。

何より、勝つためのセオリーを自分で考え出した。

中国での試合なのに、強気でしたね。

感動しました。

 

     昨年末 電車で中国人に会って、

ちょうど頭を悩ましていたことをきいて、相談に乗ってもらって解決!

お礼に、昨年の新語、知らないというので、一番好きな神ってる

(神了!)を教えたら大喜びでした。

 

     優勝した彼女の卓球の返しの速さを、中国のメディアは

<神速>と言っていましたね。

      

  短い便りだが、その光景が目に浮かぶ。

 

  無錫で開催された「アジア選手権2017」、17歳の平野美宇が個人戦の準々決勝で対戦したのは中国のナンバーワン・丁寧選手であった。その第四ゲーム、丁寧のマッチポイントを五度しのいで打ち勝った平野は、準決勝、決勝の中国選手をいずれも3-0のストレートで下し、ついに栄冠を勝ち取った(4月22日)。

  「すごく楽しめた」とは、平野の勝利宣言。

  『人民網』(『人民日報』の電子版)は、即日つぎのように伝えている。

 「極めて高い攻撃力を備えた平野選手は『ハリケーン・ヒラノ』との異名を

取り、高く称賛された」

 韓国メデイアは「万里の長城を崩す日本人」と報道したようである。

 

 日中国交回復の前夜、名古屋で開催された卓球の世界選手権大会に孫平化団

長が引率する中国選手団が来日、大いに国交正常化への機運を盛り上げたこと

を思い出す。団の帰国に際し周総理の決断で、アメリカ選手団の訪中が実現。

キッシンジャーからニクソンの訪中につながり、日中の国交正常化が実現す

る。「ピンポン外交」とか称されたが、忘れることのできない光景である。

  

あれから四十余年がたった。

 

 「卓球王国」の中国から、選に漏れた多くの優秀な中国人選手が世界各国に

定住し、世界の卓球のレベルを引き上げた。日本から福原選手ほかの中国への

留学と交流が増え、今回の平野選手も中国に滞在「敵情視察」から、戦い方の

ポイントを把握してきたようである。

 いま個人戦での平野選手の優勝で着目を浴びているが、そのあとの団体戦で

は日本は中国に軽く一蹴されている。卓球は中国のお家芸、その底辺は厚い。

 

 

 わたしはこのところ自宅から半径2キロ圏をウロウロしているので、世情に疎いが、海外からの訪日客は個人旅行のリピーターが増えてきているようである。

 それもさることながら、先日莫邦富さんのレポート「中国ビジネスおどろき新発見」を読んで「キャッシュレス社会」が進む中国の姿を垣間見た。

 莫さんの友人がつい上海と同じ感覚で財布はカラで日本に来て困ったお話、上海ではいまや「キャッシュレス社会」が進行中、莫さんご本人も銀行がガラガラなのに驚いたとご自分の見聞も記されている。そのなかで一番「キャッシュレス」の比率が高いのが、過疎地域であるという。モバイル決済の普及率ナンバーワンは、チベットであると紹介されている(「ダイヤモンド・オンライン」4月27日)。訪日中国人の決済もカードから電子決済へと変化が予想されることから、「アリペイ」との取引を進める商店やホテルなども増えてきているらしい。

 

 それで思い出すのだが、「必要は発明の母」というか、「不便は進歩の原動力」というか・・・80年代の中国における固定電話の普及度のことなど。

 日本より20年ほど遅れの固定電話の普及で不便をかこち、それだけ電報の利用度は高かったが、携帯の出現で固定電話普及のインフラ投資の必要はなくなり、通信衛星を打ち上げるだけで全中国に交信が可能になった。日本では未だ携帯の通じない山や過疎地などがあるが、中国では90年代半ばからいまのモバイル決済が可能な社会インフラが進められている。

 その頃、西安からバスで山間部を移動中、同乗の担当者の携帯に上司から電話が入った。電話に出たわたしに本人がご案内できなくて申し訳ないという、電話の主はいまチベットにいるとのことであったが、その音声の明瞭さには驚いたことがある。

 そのときは、後からのランナーに追い抜かれたようで、未だ社会インフラの更新が遅れ、既存のシステムが温存されている日本のあり方に疑念を覚えたものである。

 

 Nさんの枝折りから、いつものパターンで連想が続いた。

 〝神ってる″と〝神速″も、また一考の課題である。

 

                      (2017年4月29日 記)

 

 

                                                                                     

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