クニの部屋 −北武蔵の風土記−

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

“放課後の羽生城”の舞台裏(3)

2008年11月25日 | ブンガク部屋
拙稿「放課後の羽生城」には、
“冨田さん”という老郷土史家が登場する。
この人物は“冨田勝治”という実在した人をモデルにしている。
作品に描いた通り、80年以上も羽生城研究をやり通した人物である。

この作品が公になって以来、
「冨田さんとはいつ出会ったのですか?」と訊かれることが多い。
実際にお会いしたのは2004年2月で、
冨田先生95歳、ぼくは25歳だった。
出会ったときからニコニコと優しい笑みを浮かべていたのを覚えている。

しかし、厳密に言うと、「羽生城展」のパンフレットに載っていた名前が、
最初の出会いだったと思う。
そこには「郷土史研究家・羽生市郷土研究会顧問」とあるだけで、
生年月日も何者なのかもよくわからない。
もちろん、どんな容姿をしているのかも想像できない。
その名を気に留めるわけでもなく、
長く机の引き出しの奥に眠ったままだった。

縁とは不思議なもので、
それから何度となく冨田先生の名前を目にすることがあった。
図書館の壁に張り出された著書の案内だったのかもしれない。

一番印象深かったのは、
埼玉県の文書館へ行ったときのことだ。
閲覧室に置いてある雑誌を手に取り、
何気なくページを捲る。
すると、真っ先に目に飛び込んだのが「冨田勝治」の名前だったのである。
新入会員としてその名が載っており、
思わず目を丸くしたのを覚えている。

その雑誌名は忘失してしまったが、
「戦国史研究」か「地方史研究」だったと思う。
新刊ではなく、バックナンバーだったのだろう。
いずれにせよ、何気なく手に取った雑誌にその名が載っていたことは、
ちょっとした衝撃だった。
少なくとも、「冨田勝治とは何者なのか?」という疑問が浮かんだ。
そんなふうに実際に会う前から、
「冨田さん」の気配はちらついていた。

※埼玉県立文書館
http://www.saimonjo.jp/01_top/Index.html
ジャンル:
埼玉県
キーワード
埼玉県立文書館
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2 コメント

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Unknown (spur)
2008-11-26 00:33:23
あっ 図書館だ。
ーーー

私は子供の頃
母だか、祖父が
「はにゅうにもお城があったんだよ」と幾度となく
言っていました。
だから「城橋」があるのだよと・・

ふううん、と思ったきりなのが、私。
クニさんは羽生城によばれたひとなのかも知れませんね。

spurさんへ (クニ)
2008-11-26 07:38:44
羽生の図書館です(^_^)

「はにゅうにもお城があったんだよ」と幾度となく聞いていたとのこと。
うらやましいです。
羽生市内でも町場の方は知っている方が多いかもしれませんね。
ある小学校では、羽生城址碑の建っている天神社で、
写生会をするのだとか……

ぼくも羽生城を初めて知ったときは「ふぅん」でした。
でも、途中から呼ばれました。
ある年になぜかすごく……
spurさんもいらっしゃることをお待ちしてます(^_^;)

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