クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

河越城に遺る片葉伝説は?

2011年07月30日 | 奇談・昔語りの部屋
“城”には伝説も多い。
川越城に残る“片葉の葦”もその一つだ。

戦国時代、敵勢に攻められ、川越城は陥落を余儀なくされた。
そのとき、城から脱出を図った2人の女性がいる。
城主の奥さんとその侍女だ。

ところが、あまりに慌てていたのだろうか。
2人は城下を流れる川に落ちてしまう。
城の天然の堀に使われていた川は、
人を寄せ付けないほど荒々しい。
むろん、コンクリートで整備もされていない。

2人は川から這い出ようと、
岸辺に生えている葦に掴まろうとした。
しかし、葦は2人を拒むように裂けてしまう。
どうしても川から這い出ることができない。
かくして2人は溺れ死んでしまった。

その姫君と侍女の無念のためだろうか。
城下の川に生える葦はみな“片葉”だという。

「片葉伝説」は全国に多い。
川越に残る伝説の真偽は定かではないが、
「城」という特殊化して見ていた領民から生まれた話だろう。




河越城の堀(埼玉県川越市)

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