
織田信長と上杉謙信、
一体どちらが強いのか?
大河ドラマ「天地人」では、
両者の対決が盛り上がりを見せている。
天正3年(1575)5月21日、
信長と徳川家康連合軍は長篠にて武田勝頼軍を撃破。
この戦いでよく言われるのが、
鉄砲三千挺の三段撃ちである。
これは俗説とされるが、鉄砲が勝因となったことは間違いないだろう。
この信長、天に向かって鉄砲を放ち、
謙信との対決の狼煙として描かれた。
鉄砲という「新」を以て、
「旧」の上杉軍と戦う意志の象徴である。
これに対し、上杉軍の軍備はどうだったのだろう。
実は、鉄砲はほとんど普及していない。
持っていないことはなかったが、
軍備に占める割合は極めて低かった。
しかも、「鉄砲隊」として編成されているわけではなく、
各隊が各々持っているという状態で、
鉄砲に対する認識は甘かったようである。
代わりに、上杉軍が多く有していたのは鑓隊だ。
戦闘が始まったとき、
まず鉄砲と弓で敵を威嚇する。
同時に味方の士気を高め、
次に鑓隊が突撃するという戦法が採られていた。
槍士槍を錫杖持にして、矢聲を立てて犇と殺到するを上杉家の風とす。
(布施秀治著『上杉謙信傳』)
鉄砲と槍。
「天下布武」の思想を掲げ、古きものを破壊する信長と、
義の精神で旧秩序の回復を目指す謙信との差異と言えるだろう。
最新の兵器の前で、精神論では勝てない。
ところが、上杉軍は強かった。
嵐のごとく突撃し、諸城を陥落させている。
毘沙門天の化身と恐れられ、
まるで神懸かり的な強さである。
謙信の采配や、上杉軍の兵士が圧倒的に優れていたと言えばそれまでだが、
果たして武力だけで勝ちを収めていたのだろうか?
わたしは上杉謙信に対する精神的な恐れが、
大きく影響した気がしてならない。
義に厚く、私利私欲のために戦わなかったと言われる謙信だが、
一旦怒りに駆られると大火のごとく恐ろしかったという。
“直江兼続”や“太田資正”はそれを「短所」としているし、
天正2年秋の関東出陣では、諸城を悉く放火している。
まさに、怒れる謙信は毘沙門天の化身だったに違いない。
さらには、上杉軍の乱取りの凄まじさである。
侵攻を受けた城や村は、
すさまじい強奪や殺戮が行われていた。
奴隷売買のきらいもあり、謙信もこれを認めている。
敵にまわした謙信は、げに恐ろしい。
籠城した者は早くに降参し、
謙信という嵐をやり過ごすのが得策である。
下手に抵抗すればするほど被害は大きくなる。
だから恐怖に駆られた諸将は、早くに謙信に白旗を上げるのだ。
全ての戦に当てはまるわけではないが、
この辺りに謙信の戦勝率が隠されてはいないだろうか?
魔王の信長と、
毘沙門天の謙信。
両者の対決がいま始まろうとしている。
一体どちらが強いのか?
大河ドラマ「天地人」では、
両者の対決が盛り上がりを見せている。
天正3年(1575)5月21日、
信長と徳川家康連合軍は長篠にて武田勝頼軍を撃破。
この戦いでよく言われるのが、
鉄砲三千挺の三段撃ちである。
これは俗説とされるが、鉄砲が勝因となったことは間違いないだろう。
この信長、天に向かって鉄砲を放ち、
謙信との対決の狼煙として描かれた。
鉄砲という「新」を以て、
「旧」の上杉軍と戦う意志の象徴である。
これに対し、上杉軍の軍備はどうだったのだろう。
実は、鉄砲はほとんど普及していない。
持っていないことはなかったが、
軍備に占める割合は極めて低かった。
しかも、「鉄砲隊」として編成されているわけではなく、
各隊が各々持っているという状態で、
鉄砲に対する認識は甘かったようである。
代わりに、上杉軍が多く有していたのは鑓隊だ。
戦闘が始まったとき、
まず鉄砲と弓で敵を威嚇する。
同時に味方の士気を高め、
次に鑓隊が突撃するという戦法が採られていた。
槍士槍を錫杖持にして、矢聲を立てて犇と殺到するを上杉家の風とす。
(布施秀治著『上杉謙信傳』)
鉄砲と槍。
「天下布武」の思想を掲げ、古きものを破壊する信長と、
義の精神で旧秩序の回復を目指す謙信との差異と言えるだろう。
最新の兵器の前で、精神論では勝てない。
ところが、上杉軍は強かった。
嵐のごとく突撃し、諸城を陥落させている。
毘沙門天の化身と恐れられ、
まるで神懸かり的な強さである。
謙信の采配や、上杉軍の兵士が圧倒的に優れていたと言えばそれまでだが、
果たして武力だけで勝ちを収めていたのだろうか?
わたしは上杉謙信に対する精神的な恐れが、
大きく影響した気がしてならない。
義に厚く、私利私欲のために戦わなかったと言われる謙信だが、
一旦怒りに駆られると大火のごとく恐ろしかったという。
“直江兼続”や“太田資正”はそれを「短所」としているし、
天正2年秋の関東出陣では、諸城を悉く放火している。
まさに、怒れる謙信は毘沙門天の化身だったに違いない。
さらには、上杉軍の乱取りの凄まじさである。
侵攻を受けた城や村は、
すさまじい強奪や殺戮が行われていた。
奴隷売買のきらいもあり、謙信もこれを認めている。
敵にまわした謙信は、げに恐ろしい。
籠城した者は早くに降参し、
謙信という嵐をやり過ごすのが得策である。
下手に抵抗すればするほど被害は大きくなる。
だから恐怖に駆られた諸将は、早くに謙信に白旗を上げるのだ。
全ての戦に当てはまるわけではないが、
この辺りに謙信の戦勝率が隠されてはいないだろうか?
魔王の信長と、
毘沙門天の謙信。
両者の対決がいま始まろうとしている。






