クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

「3年B組金八先生」はなぜ“嫌われ役”が登場するのか?

2007年10月26日 | レビュー部屋
嫌われ役がたくさん登場するドラマ「3年B組金八先生」。
ドラマには多かれ少なかれ敵役、悪役、嫌われ役が登場しますが、
頻度数はさほど高くはないでしょう。
例え“悪者”が登場してもリアリティが欠如し、
どちらかと言えばパロディと化してしまいます。

そんな中、「3年B組金八先生」に毎回登場するのが“嫌われ役”です。
その人物のおおよそは観る者全員が嫌うようなタイプ。
中には好感を持つ者もいるかもしれませんが、
ドラマでは自ずと嫌われる視点で描かれています。
すなわち“敵役”です。

彼らは金八先生(武田鉄矢)、あるいは生徒と対する立場に位置しています。
例えば、第1話では清花(水沢奈子)と母親。
2話では孝志(坂本優太)・立花かおり(藤澤恵麻)と孝志の母親で、
3話では悠司(布川隼汰)と関口(島崎俊郎)がそれぞれ対立していました。
金八先生も校長や副校長と対峙。
どちらも己の正当性を述べていますが、
敵役の人々は相手を挑発するような言動に出るため、
視聴者からも嫌われざるを得ません。
その嫌悪感はほかのドラマよりも高いものと思われます。

なぜこうも毎回嫌われ役が多く登場するのでしょう。
それは、このドラマが対立構造にあるからです。
誰かと対立することで思い悩み、苦しみ、
その答えのヒントを金八先生が出しながら、
生徒自らが導き出すという構造となっています。
それは中学生と大人たちとの戦い、
あるいは理不尽なことがまかり通ったり、
だんだんおかしくなっていく社会との対立とも言えます。

そんな対立によって、「今後どうするべきなのか?」「なぜこうなったのか?」
「何が正しくて何が悪いのか?」といったテーマが自ずと浮上。
金八先生と共に考え、議論していきます。
対立者が嫌われ者として造形されているので、
感情移入した視聴者の心にも彼の言葉は響きます。

金八先生の授業は単に教科書の知識を得るのではなく、
いわば道徳について考えるものです。
それは「いかに生きるべきか?」という大きなテーマに繋がっていきます。
その回ごとに登場する対立者は、
いわばその授業をするためのきっかけ作りです。
対立者をギャフンと言わせることがこのドラマの核ではありません。

自分の考えがあって、それに対立する考え・人間(社会)がいる。
その中でどんな答えを導き出し、どう生きていくべきなのか。
それを金八先生の教室で生徒たちと共に考えていくのが、
このドラマの大きな見どころでしょう。
ゆえに毎回対立者が登場し、事件が起こるわけです。

いまのところ、対立者の多くは子の“親”たちです。
悪意がないだけにその対立は深いものです。
モンスターペアレントの言葉が存在するということは、
金八先生で描かれている世界が全くのフィクションというわけではないのでしょう。
己の壁にぶつかった者たち。
答えが決してひとつではないがために対立し、
またそのために思い悩んでいます。
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2 コメント

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Unknown (MICHIKO)
2011-07-28 22:33:35
こんにちは。
先日の『俳優まがい』の事はうまくいったのでしょうか?もしかして、ムジナモン着ぐるみの中に入るとか・・・?(笑)

金八は第1シリーズからリアルタイムでずっと見てましたけど、終わりから2つくらいは過激すぎてなんだかみていられなくて。1や2も当時としては過激でしたけど、それは自分も同年代だったから受け入れられたのだろうと思います。
羽中も(当時は西も南も東もなかったので、ハチューと呼んでました)荒れてましたけど、荒れ方がかわいかったですね。

親がギャーギャーと金八先生にかみつくシーン。今ならわかる気がします(笑)


ブログも少しづつですが、UPしてます。今やっと8コ書きました。書いてるうちにまた記憶が蘇ったりしておもしろいですね。祖父の昔話なども、もっときいておけばよかった、とつくづく思います。
MICHIKOさんへ (クニ)
2011-07-30 22:21:23
ムジナもんはミッキーのように、地球上に実在する生き物です(笑)
俳優まがいはいささか疲れました。
初めてではないのですが、テレビを観る目が変わりますね。
公にできることがあれば、このブログにも書きたいです。

金八シリーズは超人気ですよね。
物心ついた頃から放映していました。
ただ、記事に書いたものの詳しくはありません。
この頃はドラマを題材にして一生懸命観ていましたが、
もしかしたら人生最初で最後だったかもしれません。

貴ブログの記事は熱がありますね。
ぼくは基本的に現代文学においても「歴史」を綴りたいと思っているので、
MICHIKOさんの記事を羨ましく思います。
ぼくも匿名にして綴ろうかなぁ

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