クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

秋に本を読むなら「人間本」? ―コトノハ―

2017年10月04日 | コトノハ
『南回帰線』からのコトノハ。

 今では世の中の人間がぼくにとっての本だ。
 ぼくは人間本を隅から隅まで読み通し、読み終えたものは投げ捨てる。
 次から次へと、むさぼるように読みつづける。
 読めば読むほど、ますます貪欲になってゆく。
 (ヘンリー・ミラー『南回帰線』より、河野一郎訳、講談社)

秋は読書の季節。
本好きにとって季節は関係ないが、
茹だるような暑さに比べれば集中して読むことができるかもしれない。

「世の中の人間がぼくにとっての本」と言うヘンリー・ミラー。
人との出会いが世界の始まりと同義なら、
それは本を読むことと似ているかもしれない。

価値観が引っくり返るような本(人)もあれば、
なんら刺激を受けない本(人)もある。
ペダンチックな本、
心を優しく包み込む本、
仕事に密接に絡んでくる本、
悪影響(?)を与える本、
何度も読み返したくなる本……

読み終えた本を投げ捨てるとヘンリー・ミラーは書いているが、
蓄積はされているものはあるだろう。
大なり小なり、何かしらのものを得てやがて離れていく。
人はいくつになっても人から影響を受けるから。

秋深まって、舞い散る木の葉のように通り過ぎていく物語の断片。
あなたの周囲には、気になる本はどのくらいあるだろうか。

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