暇だから なんかかく

お絵かきしたりゲームしたり時々妙なことをつぶやくかもしれません。

モンハンのSSが出てきた……。

2017-07-08 02:28:06 | モンスターハンター

 なんやこれ……。





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~ハンターが陰謀論者になったようです~







 ある日の暮れ方のことである。一人のハンターが古代林の奥地で特産キノコの納品のクエストに勤しんでいた。しかしながら、ハンターの足取りは重い。

 先日から繰り返し似たような村クエストを達成し、その余りに退屈な作業と代わり映えのない狩猟活動に嫌気が差したあhンターは、ふとこれまでのハンター生活を振り返っていた。

 振り返る、と言えばノスタルジィな表現であるが、その実は猜疑心である。ある一つの可能性としてのギルドの側面にハンターは気づいてしまったのだ。そしてその疑惑は少しずつ膨れ上がり、じわじわとハンターの心を蝕み、ある種の結論へと到達する瀬戸際であった。

 筆者は先刻、一人のハンターが古代林の奥地で特産キノコの納品クエストに勤しんでいたと書いた。しかしながらこれはそういう意味では誤りであり、ギルドの黒い事情に感づいてしまったハンターが、クエスト中にあれやこれやと考えを巡らせ、疑いを深めていた、というのが適当である。


 ふと視線を上に向けると、『気球』。それが一つの導火線であった。今まで何千回も見たことのある気球である。しかしながら今のハンターには先刻まではただの風景の一部であった気球が、冷たい眼差しをを帯びてこちらを睨みつけているように感じた。それはハンターを見守っている温かい眼差しではない。きっと今この気球の乗組員の髪をつかみ頭を上げて表情を確認すると、『微笑』を浮かべるだろうということが何故か感覚で理解できた。微笑は感情の中立だ。無表情ではやや冷たさが残る。僅かでも口角を挙げるとそれは笑顔になる。感情の中立であるところの微笑。何気ない素振りで近寄り、危害を加える訳でもなく、それでいて友好的な態度を取るわけでもない。どこかに後ろめたさをもった人間があえて作り上げた不気味な顔。それが作られた微笑である。では、何故彼らは微笑を浮かべる必要があるのか。それについて考えると、もはや答えは明白であった。何か隠し事をしているのである。それもモンスターに囲まれて命を賭けているハンターには到底言えないような、何かがあるのだ。


 ……監視されている。そう、ハンターは直感した。しかし今はまだ怪しげな素振りを見せるわけにはいかない。白々しく気球に向けて、『手を振る』。すかさず気球はキラキラと合図を放ち、大型モンスターの位置を教えてくれた。ご丁寧なものだ。しかしながらこれには回数制限がある。いつでも何度でも教えてくれるものではない。クエストを達成できなければ困るのはハンターだけではない。それは仲介としてクエストを斡旋していギルドにとっても同じことだ。では、何故大型モンスターの位置を知らせようとしない?そんな今まで当たり前だった事実さえも、今の狩人の猜疑心に火をつけるには十分過ぎる程、些細で、それでいて決定的なものであった。


 そもそも『ハンターズギルド』とは一体何だ。俺は今まで随分狩人をやってきたけど、ハンターズギルドのことを、殆ど知らないではないかという、疑いの思いがハンターの身体にぬるりとまとわりつき、四肢に絡みついていった。剥ぎ取りが三回までというのは『自然の摂理に不要に介入しないため』と言われているが、本当にそうなのだろうか。依頼文を見ると私利私欲のために狩猟してこい、採取してこいというクエストが大量に設置されている。今まで全く生じていなかった疑惑の念も、一度火がついてしまったら後はもう早かった。森林に燃え広がっていく火炎のように、猜疑心はハンターの心を支配していく。


 ハンター以外は確かに外部持ち込みが徹底的に禁止されている『精算アイテム』を狩場から持ち出しているのだ。門外不出が徹底されているはずの特産キノコ、熱帯イチゴ。或いは飛竜の卵。ハンターは持ち帰ることが出来ないものを、行商人たちはハンターから受け取るという形で容易く入手しているではないか。それも、自身の儲け話のために。これに一体どのような規則や罰則が備わっているかは全く知らされていない。考えれば考えるほど、おかしな話ではないか。


 ハンターの疑惑は加速していく。辺りにはいつもどおりランゴスタの群れ。毒煙玉を散布し、何匹から息絶えた。……例えば、このモンスターの膿汁を持ち帰ることと、厳選キノコを持ち帰ることに、一体どれだけの差があると言うのだろうか。そもそも『精算アイテム』のシステム自体が怪しいではないか。あの生産アイテムは赤いアイテムボックスに納品後、すみやかにハンターズギルドに回収される。納品クエストの場合はクエストターゲットに、それ以外はポイントという形でハンターに支給されていく。狩人生活以外においては『ポイント』等は、無用の長物のはずだ。つまりいうなればこの『ポイント』とは、ハンターとギルドの間にのみ設定された私営通貨にほかならない。『通貨』が普及するためには『政府』が必要だ。『政府』が力を持つためには、『国家』が存在していなければならない。とすればこのポイントというものも『政府』が、そしてその背景にある『国家』が何かしら影響を与えているが故に、このようなハンター『のみ』に通用する『通貨』を設定しているにほかならない。


 ……いや、話はどうもそんなに単純なものではない。一般的な貨幣についてもどうやら疑惑がそこにはある。例えば、紅玉や逆鱗。あれらは本来売れば一生遊んで暮らせるほどに高価で、家宝として崇められるくらい貴重なもののはずではないか。それを、せいぜい数千zでハンターからは売買される。数千ゼニー。なんと端金だろうか。ろくに武器も一つも作れやしない。そこから考えると、ハンターが行う売買契約のみ、確実に一般社会から乖離された値段設定になっているということだ。ハンターはある種浮世離れしている。暇さえ有れば狩場に向かう。そういうハンターであるがゆえ、誰も疑いを持たなかったが、どう考えても、この実情は常軌を逸している。


 好意的に考えるならば、『私利私欲のためではなく、ハンターとしての向上心のために』など、いくらでもいうことが出来る。しかしながらそれでは同じことだ。これまでと全く同じことだ。綺麗事では済まされない隠された『何か』がそこにあるに違いないのだ。


 ……今思い返せば、『地図』についても怪しいものだ。何故命を賭けて狩りに挑むハンターに『地図』を携帯させないのか。確かに、支給品BOXには入っている。しかしながらそれは言い換えれば『キャンプに戻らねば地図は入手出来ない』という意味にも取れる。ここでハンターの中に戦慄が走った。

 ひょっとすれば、狩場の『地形』をハンターに精査させることに、何らかの重大な問題があるのかもしれない。右も左も分からない下位ハンターならいざしらず、ある程度の場数を踏んだ上位ハンターにはバレるとマズイ、『何か』がこの地形にあるのかもしれない。ありとあらゆるマップのBOXに入っている地図。しかしながら、例外的に入っていない場合がある。それが、一部の最難関エリアだ。溶岩島、霊廟、極圏。これらがそれに該当する。通常のマップにおいては強引に回収してマップを知らせないように振舞っているが、ここにはエリアの全貌さえ見られてはまずいということだ。

 ……思い返せば、どうも不思議なことばかりだ。疑惑はみるみる増加していく。ハンターはクエスト終了後速やかに気球に乗せられ、拠点の町へと強制送還される。基本的にモンスターの剥ぎ取り行為以外は出来ないような時間設定だ。この規則は絶対であり、クエスト終了後尚エリアに残り続けることは出来ない。ギルドが全力を上げて捜索し、何が何でも元の拠点へと連れて帰る。これは一度足りとも例外はない。考えると考えるほど怪しい話ではないか。隠すべき『何か』がそこにあり、その『何か』を知らせないように、『何か』へうっかり足を踏み込んでしまうのを、禁止するように……。

 
 少し、場所を変えよう。ハンターはそう思い走りだした。気球の視線は未だ継続してハンターを『監視』していた。この時ハンターの中に、一つのこの疑惑の真相が脳裏によぎった。それは、余りに口にだすのもためらわれるような、恐ろしい真相である。この真相を明るみにしたいならば。この真相を明るみにしたいならば。しかしながらこの思いははいつまでたっても「ならば」の域を出ないものであり、当然、後に然るべくくる「ハンターズギルドを脱退するより他はない」ということを、積極的に肯定する勇気が出ずにいたのである。そしてそのまま至りかけたせっかくの結論を有耶無耶しに、ハンターは素知らぬ素振りで駆け足を続けた。


 
 先ほど至りかけた不明の真相を忘れるべく、気がつけば相当奥地へと足を運んでいた。古代林の奥深く。超大型モンスターの化石がそこにはあった。シェンガオレン。超大型の甲殻種モンスター。その全長は直立した時優に30メートルを超える。このような古龍級生物と呼ばれるモンスターでさえも、いつかは朽ち果て、風化し、自然へ還る。それが自然の掟であり、狩人が命を賭けて守るべき『自然との調和』の根本にあるテーゼだ。自然には自然の規則がある。その規則に過剰に介入してはいけない。これはハンター採用試験の時にいやというほど教えられたことであり、全てのハンターが第一に順守する項目として徹底的に身体に刻み込まれた項目だ。

 では、『狩り』は如何に。狩りはある意味で自然への人間の介入ではあるが、自然を不必要に荒らすモンスターを討伐し、自然の調和を元の形に戻すこと。それがハンターの役割だ。しかしながらそれも最近は形骸化しているのもまた事実だ。如何わしい行商人や、好き放題する金持ちの娯楽に付き合わされ、大型モンスターを討伐している。乱獲、という言葉がある。これは絶滅という言葉と紙一重だ。今まで数多の生物が乱獲の結果絶滅したのと同様にひょっとするとモンスターもこの状況に陥るのではないか?とハンターは一人考える。

 
 ここに来て、ふと思う。『狩り』について考えると最初に浮かぶ疑問は『人数制限の掟』だ。狩りは『四人』までというギルドの鉄の掟がある。これはある種の験担ぎのようなものであり、聞いた話では嘗てハンターズギルドがまだ誕生する以前、ココット村の村長が五人で狩りに行った際、一人が殉職してしまったことに起因するらしい。そこから5人は縁起が悪い数字ということになり、狩りは四人までという鉄の掟が作られるようになったという。

 しかしながら、この鉄の掟も今の疑い始めたハンターの猜疑心を更に大きく加速するだけのものであったのは言うまでもなくことであり、この『四人の掟』もどうやら並々ならぬ理由がありそうだとハンターは強く考え始めた。或いは『制限時間』。一定時間以上クエストが長引くとハンターの集中力が途切れ、クエスト失敗の可能性が極めて高まるため、ハンターの命を守るために設けられているものだと今まで何の疑いもなしに受け入れてきたが、これも何だかどうも臭うものがある。


 ここでハンターの脳内で一つの推理がするすると繋がっていったのを感じた。持ち帰ってはならぬ地図、公開されない地形、速やかに帰還せねばならない狩場、制限時間、そして、四人の掟。

 
 古龍級生物シェンガオレンの亡骸を見ながらハンターは思いにふける。嘗て、人と龍との長い戦争が有ったという。戦争は長く続き、互いが絶滅寸前になるほどの熾烈な争い。生存を賭けた種族単位の闘争。そこでは一体何が行われた?今ほど武器や防具もまともなものがなく、裸同然の人間が龍の祖先と戦ったというのだろうか?ココット村の村長の時代ですらマカライトを加工することさえ困難だったという話を聞いたことがある。そんな状況でどうやって立ち向かうのか。現在生存する古龍と呼ばれる未知の生物たちの中にはこの龍の祖先の特性を強く受け継いだものがいると聞いたことがある。古龍の能力は規格外であり、その気になれば睨んだだけで人間は蒸発し、尻尾を振るだけでドスファンゴが真っ二つになり、くしゃみをするだけで未知の樹海は消滅する。幾千年の時を生き、災害の象徴と畏れられ、矛盾なく自然の頂点と立つ『古龍』。そんな生物の祖先に、裸一貫で挑み、勝利したなどというのはどうしても考えられないではないか。

 ひょっとすると、何かが残されているのだ。ハンターが精査すれば危ういような、人間の生息しない未開の土地には、何かが残されているのだ。先刻胸に秘めようと、忘れ去ろうとした疑惑がまたもふつふつと湧き上がり、ハンターの頭を熱く沸騰させつつあった。

 いけない。これはいけない。大慌てでハンターは先日戦ったモンスターについて思いを馳せる。確か先日ハンターは『リオレウス』と戦った。その際『翼』を部位破壊したのだが、部位破壊報酬として『翼』がギルドから支給されたのを思い出した。


 これは極めて歪な出来事である。モンスターの部位を提供するなら、どこも傷つけず可能な限り無傷の状態で討伐するほうが良いに決まっているのである。にもかかわらず、翼を破壊すれば翼が、牙を破壊すれば牙が『報酬』としてギルドから支給される。
 
 この素材はどこから来た?一体、どこで、誰がこの大量の素材を持ち帰り、ハンターへ提供しているのか。

 誰かがモンスターの素材を保存しているのか。いや、そうじゃない。それじゃあ割にあわない。予めあらゆる部位を入手する手段をギルドは確かに持っているのだ。とすれば、ひょっとして。


 ……捕獲?

 瞬間、背筋が冷たくなった。捕獲されたモンスターはどこへ行くのか。そんなことさえも俺は知らないではないか。そう、ハンターは焦り始める。捕獲されたモンスターはどこかで『生かされて』おり、部位破壊報酬が必要な時点でその部位を『除去』され、報酬として『提供』されている。そう考えると、余りにもあらゆる辻褄があった。

 いやいや、そんな残酷なことをギルドが行うはずがない。ハンターの胸はギルドに対する疑惑の念で一杯であったが、長年付き合ってきたギルドをそこまで悪者に仕立てあげることは、このハンターのお人好しな性格では出来ないことであった。

 しかしながらもはや猜疑心は止まらない。
 

 捕獲されたモンスターはどこに行くのか?そんなことは簡単だ。恐らく、きっと、闘技場でハンターと戦うのだ。

 ……しかしやっぱりそれも異常なことであった。自然との調和をモットーにしているはずのハンターズギルドが、人間とモンスターの生死をかけた闘争を見世物にしていること。これはどう考えても異常な出来事だ。

 しかも、疑惑はそれだけではない。闘技場の風景を思い出す。天井が開いており、モンスターはその気になればいつでも闘技場から脱出することが出来る。そもそも地面に潜るモンスターや飛行するモンスター、極めつけは、古龍以上の危険性があると言われていたはずの極限状態モンスターたちでさえも、闘技場に素直に集められ、命令されたようにハンターに向かい、猛攻を仕掛ける。

 今考えてみると、狂竜ウイルス研究所も何から何まで胡散臭い組織ではないか。あれもどうせギルドのお墨付きなのだろうが、連中は一体どうやって狂竜状態を発症したモンスターを、極めつけには超危険とされる極限状態のモンスターまでも、何の苦労も無く、闘技場に集めることが出来た?
 
 或いは龍歴院。連中は一体どうやって獰猛化状態の個体を獰猛状態のままで闘技場に集めることが出来た?

 狂竜状態や極限状態は、ウイルス感染が原因で発症したモンスターである。これらのモンスターは狂竜ウィルスに感染し脅威の戦闘能力を得ることになったが確実に体内組織はウィルスに侵され、もはやモンスターとしての本能さえも無茶苦茶なものになっており、対象のいない虚空に連続で攻撃を仕掛けるような、脳まで萎縮している様な際どい状況が幾度と無く観測されている。

 そんなモンスターが律儀に闘技場から脱出せずに、律儀にハンターと戦う。それも大衆監視の見世物の状態で。余りにも危険ではないか。一体何がどうなっているのだろうか?ウイルスを撒き散らしすモンスターが縦横無尽に暴れまくり、空をとんでも、地面に潜っても、決してこの闘技場から出ない。もしわずかでも闘技場から逃げ出す可能性があるとしたら、こんな危険な見世物は決して許されることではない。にも関わらずこの見世物は依然として続けられており、未だかつて闘技場から脱走したモンスターの話など、うわさ話でさえも聞いたことは、一度もない。


 捕食者も被捕食者も。敵対する種族も。理性を失わせる狂竜ウィルスも。危うい気質になった獰猛化モンスターでさえも。全てを完全に支配できるという『保証』がそこにはあるのだ。決して狭い闘技場から脱出せず、観衆を襲うことがないという絶対的な『保証』があるのだ。捕食者も被捕食者も一致団結してハンター『のみ』を狙い、理性を失わせる狂竜ウイルスに侵されたモンスターが決して闘技場から脱出せず、危うい気質になった獰猛化モンスターさえも完全に管理し、『支配』出来る何かが。


 刻一刻と時間は迫ってきている。クエスト終了の時間が迫ってきている。残り時間後10分です。そう、アナウンスが流れた。無論これも気球から『監視』している『彼ら』がハンターへ飛ばした伝令だ。

 一度考えを整理してみよう。そうハンターはキノコを採取する振りをしながら考え始めた。

 まず、門外不出の地図。これは『地形』に秘密がある。隠さねばならない何かがある。そうなるとほぼすべての土地が疑わしいことになっているが、これはきっとミスリード。『何か』があるとすれば、その一つの土地だけ隠蔽すると明らかに怪しい。ここには人が知ってはならない何かが眠っていると公言して回るようなものだ。とすれば、地図が門外不出とされているエリアの一部(恐らく一つか2つだろう)には、ハンターが知ってはならない『何か』があるのだ。

 次に、四人の掟。ジンクスや験担ぎと言ってはいるが、これを制限時間の規則と組み合わせて考えると、やはり先刻と同じ結論に達する。集団でモンスターと討伐するとなると、立ち位置の都合から必ず手の空いた人間が出てくる。そういう彼らにむやみに狩猟エリアを歩き回れられるのを避けるためだと考えると、何から何まで線で繋がる。これはクエスト終了後速やかに拠点の町へ送還されるという規則とも繋がる。

 何かを隠蔽し、そしてそれを隠し通すということは並大抵の事柄ではない。火のないところに煙は立たない。僅かでも火が有れば、それは気づくと燃え盛る火炎へと姿を変え、炎上する。そうならないところを見ると、力があるのだ。疑惑が浮かび、それを問いかける者がいても問答無用に黙らせ、必要とあれば葬ることの出来るほどの力があるのだ。そこに通貨の疑惑が後押しする。一般的に流通している通貨とは別の、『ポイント』という独自の通貨を作り出し、ハンターとギルド、或いはギルドに関わる一部の商人という世界的に見れば極めて小さな規模にのみ流通している程度であるのにかかわらず、確固としてレートが有り、権威を持つ通貨を流通させるだけの力が有るのにほかならない。

 この力を持っているからこそギルドは狂竜ウイルスさえも支配した。獰猛状態のモンスターさえも支配した。通常の狩りとは異なる手段で、恐らく言うに耐えないような手段で秘密裏にモンスターを支配し、闘技場へと運び込み、従順させ、手懐け、飼い慣らした。

 その闘技場での見世物は単なる興行のように思えるが、それもやはり如何わしい。きっと、興行は二の次だ。モンスターを支配し、運搬し、手懐け、飼いならす何らかの手段を手に入れたギルドが、捕獲されたモンスターの行く先がどうなるかのアピィルのため、一種のポォズのために行っている興行。

 大量のモンスターの素材が必要なのだ。幾千幾万のモンスターを支配してもまだ足りぬ、それでも追いつけない、何かがあるのだ。そのために多種多様なモンスターを捕獲させ、回収し、亡骸だった彼らを更に亡骸にし尽くした。

 凝視することさえ許されない地図。濫りに立ち入ってはならぬ狩猟エリア。時間制限のルール。力を持ったギルド。人数制限の鉄の掟。

 それを取り決め、厳格化している、過剰に力を持ったハンターズギルド。行く末が分からない捕獲されたモンスター。飼いならされた、闘技場のモンスター。

 嘗てあった人と龍の祖先との戦争。装備もろくにない時代、立ち向かった人間。龍を制したのは一体何か。龍を征するには、やはり龍をぶつけねばならない。幾千年の時を生き、災害の象徴と畏れられ、矛盾なく生命の頂点と呼ばれる古龍。彼らの祖先を打ち倒すには、幾千年も戦い続け、災害の象徴を蹴散らし、矛盾なく生命の頂点に君臨する『何か』が必要だ。龍を征するには、やはり、龍をぶつけねば、ならないのだ。


 きっと、『龍』のような『何か』。まるでお伽話に登場するドラゴンの様な。

 いや違う、そうじゃない。龍の『ような』ではなく、龍に『等しい』、龍『そのもの』……。

 言うなれば、Eq……ual……Dra……gon……Wea……po……n。イコール、ドラゴン……。

 竜……騎、兵……。

 
「時間切れです。クエストに失敗しました」

「時間切れです。クエストに失敗しました」

「時間切れです。クエストに失敗しました」


 おびただしいアナウンスが辺りに響いた。先程までまとまりかけていた思考を全て台無しにするような轟音。このアナウンスが鳴ったら最後、必ず速やかにキャンプに撤収し、拠点の村へと戻らねばならない。これは、ハンターとギルドの間で決して破ることの出来ない鉄の掟である。

 疑惑。もはや言い逃れできない程の巨大な疑惑と陰謀の匂いをハンターは確かに感じていた。

 ハンターは、撤収の身支度をする素振りをしながら、冷然として、このアナウンスを聞いていた。勿論、右の手では、強く握りしめられてくしゃくしゃになった地図を凝視し、ハッキリとした疑いの眼差しを向けながら、聞いているのである。


 しかし、これを聞いている間に、ハンターの心には、ある勇気が生まれて来た。それは、さっきキノコ採取している時には、この男には欠けていた勇気である。


 そうして、またさっきシェンガオレンの亡骸の前で、どうにかして胸にある重大な真相を封じ込めようとした勇気とは、全然、反対な方向に動こうとする勇気である。ハンターは、このまま狩人生活を続けるか、ギルドを脱退して真相を究明するか、迷わなかったばかりではない。その時のこの男の心もちから云えば、ギルドからの脱退などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の外に追い出されていた。
 
「きっとそうか」

 ハンターは強く目を見開いて、こちらを監視する気球へ向けて、一人吠えた。

「ならばおれがこのままクエストを放棄して、ギルドから脱退しても、恨むまいな。おれもそうせねば、もはやどうしようもないからだなのだ」


 そう言うとハンターは素早くポーチの中身を全て地面にぶちまけ、支給された携帯食料と応急薬は特に念入りに足で踏みつけ、瞬く間に古代林の満月へ向けて走り去った。降りていく気球と、巨大な月がそこにあった。外には、ただ黒洞々たる夜が広がるばかりである。




 ハンターの行方は、誰も知らない。

 
 








 (『~ハンターが陰謀論者になったようです~』完)











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 あとがき

 なんやこれ。昔の非公開の記事を見ていたらこんな意味不明なものが出てきました。


 イコールドラゴンウェポンとは『ハンター大全』に一枚の設定イラストとそれについて言及する資料として掲載されております。抜粋すると、


『森のなかで発見された遺跡から発見された竜対戦時代の兵器。成体ドラゴン30頭あたりの素材が必要とされた。その能力は正に竜に匹敵するもので、筋力、耐久力、火力のどれをとっても規格外の強さであったという。竜対戦時に造竜技術は頂点を極め、それと同時にドラゴンの捕獲業者の乱獲も激しさの一途を辿った。この時代をきっかけに人類はドラゴンとの大戦争に突入し、そのまま両者滅亡寸前までに至った』

 
 とのことです。言ってみればこのハンターはMHの世界で都市伝説として語り継がれている(という設定にしています)『竜騎兵』についての知識が予め合って、その結論へ向かってあらゆる事実が決定的な証拠だと彼の目には映ったのでしょう。いわゆる陰謀論者と呼ばれるアレな人になったわけです。もちろん文章は例の有名作のパロディ。





 読み返してみたらやっぱり意味がわかりませんね。実はこのブログには書いたけど余りにも意味不明だったため非公開にしてしまった記事が大量に仕込まれているため、ちょっとずつ何か思いついたら公開していってみようかと思います。

 では今日はこの辺で。



 

 
 

 

 
 
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1 コメント

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Unknown (ギルドナイト)
2017-07-21 15:31:42
もしもし?
ハンターズギルドですが。
ちょっとこれカラお話を伺いニ向かっテも構イませンね?

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