*くみさんの映画レビュー*

観た映画の簡単なあらすじと
私が思ったこと

芙蓉鎮

2006-03-29 12:51:11 | 「は」行の映画
ユィインは夫と米豆腐店を持つが、文化大革命のさなかに店を没収され、夫まで失う。彼女の絶望の日々、またそんな状況下で生きる人々の姿を描く。

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この映画に見られるような時代に生きていた人たちは、私が想像できないような毎日を過ごしていたんだろうな、と思います。思想の違いや立場の違いで、同じ人間なのに、辛い思いをしなければならなかったり、偉そうに振舞ったり、なんだか不思議な感じがしてしまいました。

信頼していた人に裏切られ、最愛の夫を失った女性が、ある男性と共に強く生きていく様を描きます。どんなことがあっても、前向きに生きようとする姿に感動しました。

映画のラストに、名誉を回復された男性が、「もうれっきとした人間なんだから」って言われたシーンが印象的でした。人間を人間としてみなさないような社会の体制や考え方があったことを強く感じます。中国の田舎を舞台にしている作品だけど、北京などの大都市ではどんな様子だったのか知りたくなりました。

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1987年中国/シェ・チン監督/165分
鑑賞日:2006.3.22(水) ビデオ

コーラス / LES CHORISTES

2006-03-25 23:20:24 | 「か」行の映画
音楽教師マチューは「池の底」と呼ばれる寄宿舎に赴任する。ここでは、親をなくした子どもや素行の問題で親元を離れた子どもたちが集団生活をしていた。子どもたちに本来の純粋さや素直さを取り戻してもらおうと、マチューは合唱団を結成し、歌う喜びを教えていく。

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マチュー先生が子どもたちのために音楽を通して指導を続け、奮闘する物語。寄宿舎で生活している子どもたちは一癖も二癖もありそうな…でも、マチュー先生は一人一人の個性を大事にして、皆のいいところを伸ばしながら導いていきます。その姿勢は観ていてとても参考になりました。

マチュー先生が赴任してくる前は校長を筆頭に、子どもたちに対して力で押さえつけるような指導方法をとっていたけど、それではうまくいかない事の方が多いような気がしました。この校長がすっごい頭が固い感じで、イヤになっちゃうほど。こういう上司の下では働きたくないなぁ。。。

子どもたちが歌う喜びを知って練習に励むようになってから、映画も展開が楽しみになってきます。子どもたちの目つきや顔つきが変わったのも見事。音楽にはすごい力があると思うし、マチュー先生の気持ちが子どもたちにきちんと伝わったんじゃないかな、と感じました。

マチュー先生が寄宿舎を離れることになった日、子どもたちが作った紙飛行機がたくさん飛んでくるシーンに、じーんときます。いい映画でした。

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2004年フランス/クリストフ・バラティエ監督/97分
鑑賞日:2006.3.15(水) DVD

イブラヒムおじさんとコーランの花たち

2006-03-23 12:47:39 | 「あ」行の映画
1960年代初頭のパリ。ユダヤ人街のブルー通りでいつも不機嫌そうな父と2人で暮らす少年モモ。母はモモが生まれてすぐに家を出ていってしまった。家族の愛情に飢えていたモモだったが、一方で思春期の少年らしく通りに立つ娼婦を眺めては落ち着かない様子。近所で小さな食料品店を営む年老いた孤独なトルコ人、イブラヒムは、そんなモモをそっと見守り続けていた。

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家庭的に恵まれていない少年モモが暮らしている街の様子にまず興味津々。ちょっと環境悪~い(笑)イブラヒムのお店で万引きを繰り返していたモモを、イブラヒムは暖かく見守り、生きていくうえで大切なことを少しずつモモに教えていきます。

モモの母親は全然登場しないし、父親もなんだか冷たくて厳しい感じ。あったかいイブラヒムにモモが惹かれていくものよく分かります。イブラヒムはすぐ「コーランに書いてある」「コーランを読め」って言うんだけど、コーラン、気になりました。目を通したことないしなぁ。

イブラヒムとモモが旅に出た先で、イスラーム神秘主義者たちの踊りを見るシーンがあったけど、私もそれを映画の中で見ることができて、貴重だったなーと思います。ホントにクルクル回ってる…

大人が子どもをあったかく見守って導いていくことはすごく大事だと感じました。

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2003年フランス/フランソワ・デュペイロン監督/91分
鑑賞日:2006.2.18(土) DVD

初恋のアルバム~人魚姫のいた島~

2006-03-21 11:16:55 | 「は」行の映画
郵便局で働くナヨンの悩みは母と父の不仲。ある日、病にかかって家を出た父を追って母の故郷へ行ったナヨンは、なぜかそこで海女をしていた若き日の母と出会う。(PREMIRE 3月号より)

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チョン・ドヨン主演。この女優さんは割と好きで、出演作を何本か観てるけど、この映画の彼女もまたいい感じでした。ナヨンとナヨンの若き日の母を二役で演じてるんだけど、すごい。感心して観ちゃいます。

若き日の母と父の姿を見たことで、両親に対する見方が大きく変わっていくナヨンの様子がよく分かります。親は親としてしか見たことないけど、二人の出会いや二人の関係を作っていく過程ももちろんあるわけだから、それを知ったらやっぱりナヨンみたいに私も親に対する見方って変わるかも。ま、実際にはない話だから。敢えて訊くこともなんだか恥ずかしいし。私は両親のそういうことを知らないままなんだろうなぁ(^_^ゞ

ナヨンの父親の若き日の姿がまたとってもステキ。こんな爽やか好青年だったら、私もきっと恋におちる!!私の大好きな"自転車に乗る"シーンもあるし。ナヨンの母に一生懸命字を教える姿に、誠実さを感じます。

思ったよりいい映画で、観て良かったなーと思いました。オススメです。

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2004年韓国/パク・フンシク監督/111分
鑑賞日:2006.3.17(金) DVD

めぐり逢い('94) / LOVE AFFAIR

2006-03-09 23:15:32 | 「ま」行の映画
'57年のケーリー・グラント主演の同名映画のリメイク版

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普段、リメイク版はほとんど観ないけど、オススメしていただいたので観てみました。この1994年版「めぐり逢い」はウォーレン・ベイティとアネット・ベニングが主演。

二人が出会うのは飛行機の中。目的地まであと数時間というところで、どうやったらこの二人が恋におちるんだ!!って思ってたら、不時着→船に乗り換え…っていう展開。なるほどね。なんとな~くお互いを気にしている様子がうかがえて、なんだかドキドキしちゃいました。夜、雨が降り出した船のデッキで、聞こえてきた音楽に合わせてダンスするシーンが良かったです。彼の手をとるテリーの、少し迷ったような表情がなかなか。

途中寄った島で、彼の叔母と過ごすシーンは短いながら素敵なシーンになってます。叔母はなんと、キャサリン・ヘプバーンが演じてました。貫禄あるな~。なんか怖そうだし(笑)ここの、叔母が弾くピアノに合わせてテリーがハミングするシーンはやっぱりイイ感じ。メロディーも綺麗で、ちゃんと聴いてみたい曲だなーと思いました。

ラストまで'57年の「めぐり逢い」と同じ展開なので、安心して観られます。そうは言っても、すれ違いのシーンにハラハラしちゃうのは仕方ない。。ラストシーンはこのリメイク版でも涙腺緩みます。

アネット・ベニングがとても綺麗で素敵だなーと思いました。デボラ・カーと雰囲気似ているのかな。今度'57年版を観てみよう…

リメイク版を観てガッカリ、ってことはよくあるみたいだけど、この「めぐり逢い」はこれはこれとして楽しめる作品だと思いました。でも、ケーリー・グラントの方が好きかなぁ(笑)

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1994年アメリカ/グレン・ゴードン・キャロン監督/108分
鑑賞日:2006.3.4(土) DVD

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