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蕎麦屋さすらい 013 - 哀切が漂うホームの終着点 - 「大江戸そば 上野店」(台東区上野)

2017-01-04 22:56:40 | 蕎麦屋さすらい

上野駅の改札は時代が変われども、やはり独特の雰囲気を持っている。

新宿や渋谷、或いは東京とは違う、落ち着いたたたずまいはやはり北へ向かう人の哀切を静かに受け止め、湛えている。

だが、今更言うまでもなく、上野駅の役割は時代に伴い変化した。

それでも、まだ威厳を湛えているのは、北へ帰る人の望郷の念が今も駅の構内を鬼火のように漂っているからではないかと思うのだ。

 

毎年、夏休みになると、叔母の手を引かれて、ボクは上野駅から電車に乗った。

まだ、東北新幹線が開通していない時代。

叔母は、上野駅の空気を嗅ぐように、遠い目をしながら、壁画「自由」を仰ぎ、特急に乗り込んだ。

 

叔母の帰郷は主に「はつかり」を使ったが、お盆の帰省時はチケットの入手が困難で、時々「ひたち」に乗ったこともしばしばだった。

 

「ひたち」は常磐線経由で東北本線に入った。

上野を出て、たいら、原ノ町と停車し、そして仙台へ。ボクは東北本線よりも常磐線経由の旅の方が好きだった。

 

昨年12月、常磐線は開業から120周年を迎えた。それにも関わらず、常磐線はまだ東日本大震災の爪跡を残している。

常磐線は少なからず、通勤路線へと変貌を遂げ、客層、列車の編成ももはや旅情をかきたてるものではない。

けれども、ボクは時々、常磐線のホームに足を運び、常磐線が持つ哀愁の立ち蕎麦屋を訪ねる。

常磐線の9,10番線には「大江戸そば」。11,12番線には「爽」。

どちらもボクは好きである。

「大江戸そば」のほうが、蕎麦粉比率は高いように思う。また、鰹出汁の香りや、返しのまろみは「大江戸そば」に軍配があがると思う。

だが、そんな味の評価よりも、ボクはホーム上に漂う微妙な哀切を感じにそれぞれの立ち蕎麦を訪れる。

食券を買って、僅か数分ですするそばと、これから電車に乗って家へ帰る人のどこか裏寂しい人間模様は京浜東北線や、山手線にはないものである。

 

店に入った瞬間にまとわりついてくる湯気と鰹出汁の香り。

そして常磐線。

最近、ボクはアメ横で飲んで帰ると、何故か懐かしい常磐線のホームへ行き、「鴨そば」(460円)を食べてから帰宅している。

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