熊本熊的日常

日常生活についての雑記

真夏の和服

2010年07月19日 | Weblog
淡交会の講演会があり、中野サンプラザへ出かけてきた。演題が「樂茶碗・歴代の時代背景と特徴」というものだったので、お茶の先生からご紹介いただき、茶碗の話だったので出席することにしたのである。

講師は茶道資料館食卓学芸顧問とか三井記念美術館参事といった肩書を持つ赤沼多佳先生。たいへん厳しい感じの人で、それだけに講演も歯切れがよく聞きやすかった。たまたま先月、京都の樂美術館を訪れたので、その時の記憶が残っており、興味深く拝聴することができた。

講演もさることながら、淡交会の催しということで、出席者は和服の女性が圧倒的に多い。サンプラザホールが7割弱程度埋まる聴衆があり、その過半が和服の女性となると、その様子だけでも面白い。しかも、講演が終わると、この集団が一気に駅に向かって流れ出すのである。猛暑日の昼下がりとはいいながら、休日なので中野駅前はそれなりの人出がある。そこに和服姿の集団が交ざり込む。サンプラザ前では威圧感すら覚えるほどの集団が、わずか数百メートルの間で街に溶け込んでしまうのである。この相変化のような現象に眼を奪われてしまった。

ところで、真夏に和服というのは着ていてどういうものなのだろう。なんとなく、身に纏っている布が洋装よりも多いので暑いのではないかと、他人事ながら心配になってしまう。しかし、和装は日本の風土のなかで形成されたものである。洋装が入ってくる以前でも今日のような暑い日はいくらでもあっただろう。そうしたなかで現在まで継承されている文化なのだから、それなりの必然性はあるのだろう。

と、考えているくらいなら、自分で和服を着てみるのが一番なのだが、物心付いてから着物を着たことがない。せいぜい旅館に泊まったときに宿に備え付けの浴衣に袖を通すくらいのものだ。とはいえ、やはり暑いときに着たいとは思えないのである。

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