くまモン獣医 ~日々平穏日誌~

九州で馬の診療を行う若手獣医師の日々

顆粒膜細胞腫 Granulosa cell tumors

2017-04-21 20:54:25 | 繁殖
顆粒膜細胞腫 Granulosa cell tumors


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(以下、Current Therapy in Equine Reproductionより抜粋)

顆粒膜細胞腫は牝馬の卵巣腫瘍の中で最も一般的なものである。

通常は片側性で、ゆっくり進行し、良性腫瘍である。

超音波所見は様々で、多胞性で蜂巣様構造のものから、固い塊状や一つの大きな嚢胞状のものもある。

対側の卵巣は通常、小さく萎縮し、非活動性である。

しかし、GCTの対側卵巣が機能性卵巣の例の報告もある。

牝馬は、発情休止、持続発情、種牡馬様行動、攻撃的、のような振る舞いを示す。

GCTはホルモン活動があり、インヒビン、テストステロン、プロジェステロン等を測定することで診断に役立つ。

インヒビンは、GCTに罹患した馬の約90%で上昇している。(0.7ng/ml以上)

インヒビンが産生されることによって、下垂体からのFSH放出が抑制され、対側での卵胞発育が起こらないと考えられる。

テストステロンは、顕著な莢膜細胞の増殖があれば上昇すると考えられる。(顆粒膜莢膜細胞腫 Guranulosa-theca cell tumor)

テストステロンは罹患馬の約50-60%で上昇していて、多くは種牡馬様行動を伴う。(罹患馬は50-100pg/ml以上。正常牝馬は20-45pg/ml)

プロジェステロンはほとんどで1ng/ml以下。(非妊娠馬)

卵胞発育、排卵、黄体形成は通常起こらない。


罹患卵巣はまれに疝痛を引き起こすこともある。

治療は外科的切除を行う。

除去後約6-8か月(2-12か月)で、対側の卵巣が機能する。

(以上。抜粋終了)



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(続いて、Current Therapy in Equine Meddicine より抜粋)

GCTは多くは妊娠中に進行し、分娩後の直検時に発見される。




正常卵巣では、顆粒膜細胞は卵胞の内側にあり、莢膜細胞は卵胞の外側を取り囲む。

莢膜細胞はテストステロンを産生する。

実際、GCTは妊娠中に発達しうる。もし初回発情で発見し、除去すれば、シーズン終盤には繁殖性が戻りうる。

これは、分娩時期や対側卵巣の抑制程度に依存する。



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知らなかったが、教科書によると、妊娠中にできることが多いようだ。

それに、手術後の卵巣機能回復も場合によっては早い可能性もある。

今回の症例では、左はけっこう萎縮しているようだが、はたして・・・・
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