blog 3.16(ぶろぐサンイチロク)

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鈴木大輔「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 6」を読了

2012年06月01日 | ライトノベル
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 6 (MF文庫J)お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 6 (MF文庫J)


タイトルを以下「おにあい」という公式略称?をもって表記するけども、アニメ化も決定して、秋から放送するとか。原作も9月に7巻、10月に8巻という、売れる時に売っとけという、実にビスネスライクな判断、嫌いではありません。

さて、ここで語るべきはまずは6巻になるわけだけど、結論から言ってしまえば満点。☆5。もちろん5点満点で。

6巻はラノベではたまに入る短編集みたいな巻で、全部で5つのエピソードで構成されているんだけど、最初の4つまでのエピソードだったら☆3くらいの評価。イベント集としては及第点だけども、これといって突き抜けた面白さがあるわけでもない。まさにイベント消化試合と言ってもいい。

しかし最後を飾る「那須原アナスタシア」は実に素晴らしい出来映えで、これだけで一気に評価は掌返しで満点となってしまった。もともとアナは面白い側面を多々持ったキャラではあるんだけど、うまく1巻の内容をアナの視点で見せる事によって、よりキャラクターを魅せることに成功している。

どちらかといえば、これまで秋人(主人公)の視点でキャラクターが描かれている為に、女性陣が表面的な部分しか見えてこない・・・といった不満点が、アナの短編ではうまく解消されていて、これは賞賛するに値する出来だろうと思う。

しかしながら、同じことをキャラの数だけやっては、それはそれで問題だとも思う訳で、キャラ小説の抱える構造不況的問題については、今後とも解決を模索しなければならない問題だと考える。

ここまで書いて、「おにあい」って結局買いてないじゃん・・・と気づきました。
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江國香織「神様のボート」を読了。

2012年05月29日 | 小説
神様のボート (新潮文庫)
神様のボート (新潮文庫)



江國さんの作品を読むのは3冊目。神様のボートに乗ってしまった母・葉子と娘・草子の物語。ふたりは、とある理由で一つの街に長くとどまることなく引っ越しを繰り返す。

葉子の視点と、草子の視点が必ず交互に出てきて物語は綴られていく。二人の日常を小さくこまかく、丁寧に匂いたつように描いていく。

視点と視線、そして死線でもあるのかな、そういう話なんだと思った。新しい街で、同じところから母と娘はものを見ているようで、それは微妙に食い違ってしまうし、同じ方向を見ていても、その視線は平行線で交わっていない。向き合っているようで向き合っていない。

同じ時間軸を過ごしている、共有していると思っている母。実はそんなことはない娘。止まったままの時間と、動き続ける時間。止まりたいのか、止まれないのか。果たして、ボートの終着点はいかに。


気に入ったフレーズが多々ありすぎな本作。

”「あんまり暑がりの女性はどうもね、慎みがないような気がする」”

”「誰にでもするわけじゃない」
 私は、
「恐れ入ります」
 と言った。これでおしまいのはずだ。店長も私も、言外の言葉を読みとれないほど・・・あるいは、読みとっておきながらそれを無視するほど・・・、若くはない。”

”女の子は美人に育つんじゃなく、美人に育てられるんだ。”

”言葉は危険なのだとママは言う。言葉で心に触れられたと感じたら、心の、それまで誰にも触れられたことのない場所に触れられたと感じてしまったら、それはもう「アウト」なのだそうだ。あたしにはよくわからない。”
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江國香織「スイートリトルライズ」を読了。

2012年05月28日 | 小説
スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)
スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)



すごく短い場面のカットが折り重なるように描写され、積み重なっていく構成。大きな起伏もなく、淡々と、低い体温で綴られていく。

夫婦の話で、お互いに不倫をしているという関係なんだけども、なんだろうな、特に嫌悪感もないけど、生々しいような、熱っぽいような、甘ったるいような、嘘。実に不思議な感覚。

聡の妹の文が実に絶妙なアクセントとして機能していて、巧いなぁと思う。文の視点によって、物語の異質性が際立つというか。物語にとってのスパイスというか、隠し味というか。少し感心。

さて、気に入ったフレーズ。

”「昼間は外にでて、仕事をしたり、いろんなことを考えて、浮気したりしていても、夜になるとそれぞれのうちに帰るでしょ。それって妙だなあと思うの。」”
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黒川伊保子「恋愛脳」を読了。

2012年05月27日 | 小説
恋愛脳―男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか (新潮文庫)
恋愛脳―男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか (新潮文庫)



最近、女性作家の書く小説を読んでいる事が多いのですが、それって明らかに男性作家の書くものとは違う訳ですよ。女性の持つ感覚というものが、最近の個人的読書テーマだったりするんですが、そんな中で偶然出会ったのが本書。

男性と女性の行動パターンの違いを、男性脳、女性脳として、脳の構造から差異が生まれると、実例を挙げつつ論じていく。といっても科学的な検証はあまりなくて、実にライトなエッセイ的ともいえる文章。

軽い内容なんだけども、実例に思い当たる節が多すぎて、すごく面白い。これはみんな読んでみるべき本だと思う。経験則的になんとなく知っているかもしれないけども、明文化される事によって意識として確立されるという感じ。

男性は空間把握、女性は時間軸という指摘はなるほどなぁと感服。いろいろな分野に応用が利きそうな実に素晴らしい本。強くオススメ。
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紺野キリフキ「ツクツク図書館」を読了

2012年05月27日 | 小説
ツクツク図書館 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
ツクツク図書館 (MF文庫ダ・ヴィンチ)



「つまらない本しか置いていないだめな図書館」という舞台設定にまずやられてしまって購入した小説。

読んでみると、実に味わい深いというか、構成が絶妙。つまらない本に関する物語を綴っているんだけど、この本も絶妙なバランスで面白さと、つまらなさを体現している。

「魅惑的な一文から始まる小説の部屋」とかにおいてある本とか読んでみたい。魅惑的な一文から始まるのに、全く面白くないって最高の本だと思うんだけど。

とにかく不思議な魅力のつまった作品。どうにもこの作品を語るには自分の語彙が足りなくて、うまく説明できない。
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