昨日のブログへeccoさんからいただいたコメントです。
「私も、ダイビングや海の描写がある作品って気になりますが、あまり出会ったことがないような気がします。」
私も書店では、ダイビングや海の描写を探すのですが、確かにたくさんあるとは言えませんね。
作家さんにダイバーや海好きが少ないのか、小説のテーマにしづらいのか、どちらかなのでしょう。
そんな数少ない、ダイビングや海を描いた小説を紹介させていただきます。
私が、昨日から読み始めたのは、
『アクアリウム』篠田節子(新潮文庫)
ジャンルは、サスペンス・ファンタジーです。まだ半分ちょっとしか読んでいませんが、なかなか読みやすいです。後半は環境問題がテーマになりそうな雰囲気です。
主人公は、単独で奥多摩にある地底湖に潜ります。。
小説の中とはいえ危険です。。。
しかも横穴にまで入っちゃう。。しかも途中で自ら命綱を切るなんて。。
作者は、かなりしっかりしたダイビングの知識をお持ちです。
単独で潜るとドキドキするとか、エアの枯渇感があるだとか、パニックの兆候についての記述があります。
1箇所だけ、マスクと書くべきところゴーグルとなってます。
素潜りのシーンですが、ゴーグルはダメ!マスククリアできないと深くまで潜ることできません。
『沈むさかな』武田ティエン(宝島社文庫)
という小説は、サスペンスミステリーというジャンルです。
この作者にとってデビュー作ということもあり、正直、話の展開が雑です。
でも全編にわたってダイビングの描写があります。ダイビングが事件を解く鍵なので。。。
この作者もかなりダイビングにはまっています。
過剰なくらいダイビングについて語っています。
作品に登場するイントラの言葉です。
「いい加減なインストラクターに習った生徒は事故を起こすかもしれない。しかしその事故の最中ですら、生徒はなぜこんなことになったのかわからないだろう。厳しいインストラクターの生徒だって事故を起こすかもしれない。しかし彼は、事故の原因に気づくことができる。自分のミスに思い当たることができるのだ。事故が命に関わらなかった場合、この差異は次のダイビングに実力となってあらわれる(後略)」
熱いでしょ。。
さらにこの後には、「浅場の体積変化が大きく浮上のとき気をつけなくてはならない」など私がブログで話題にしたような内容が続きます。
『機体消失』内田幹樹(新潮文庫)
『海に消えた神々』今野敏(双葉文庫)
この2冊も、作者はダイバーらしく、ダイビングの記述があります。
『海に消えた神々』について以前、私がこのブログ書いた感想です。
「この著者の名前と、“海!”というタイトルに惹かれて買ったのですが、正直、他の今野作品のファンの立場では、他の作品に比べて、ひねりがなく、可もなく不可もない感じで、ちょっとがっかり。
。。6年前に刊行されているから仕方ないのかな。
でもダイバーの立場では、与那国など海底遺跡が話題の中心なので親しみやすい内容です。
与那国の海底遺跡論争は賛否両論ありますが、この小説読み終えて私は「与那国はやっぱり海底遺跡にちがいない!」と信じたのでした。。(笑)
そしてこの小説で何より好感を持てたのが、ダイビングの描写が正確だったこと。
著者は間違いなくダイバーですね。どうやら渋谷区にあった老舗のダイビングショップでCカードを取得したようです。
お店の実名を出してベタぼめしていたのには閉口しましたが、著者はそこのオーナーさんからしっかりとした講習を受けた様子がうかがえます。。。
小説の中に、主人公の探偵が、講習後の初ダイブで沖縄の海底鍾乳洞を潜るシーンが出てきますが、ビギナーが感じる不安感、パニック直前の心理状況、青い海に戻ってきたときの開放感など著者自身も感じたであろうドキドキ感が正直に書かれています。。
この小説、ダイバーが読めば、より著者の気持ちがわかると思います。
“ダイビングを繰り返すと相当の疲労がたまり集中力が落ちる”という私たちも経験したことのある事実が、ちょっとしたキーにもなっています。。
もし興味を持たれたら読んでみてはいかがでしょう。。私はとあるレビューで星3つをつけましたが、元々、腕のいい著者の作品なので楽しめると思います。」
『深海のYrr』(早川書店)
『水の迷宮』石持浅海(光文社)
この2冊は、ダイビングというより海がテーマ。前者は海と環境問題、後者は水族館の描写が素晴らしい。
私が別のサイトに書いたレビューです。
『深海のYrr(イール)』
「上中下巻すべてにわたってのレビューです。
いや~長かったです。
最近忙しかったこともありますが読み終わるのに2週間もかかってしまいました。。
ドイツではベストセラーらしいですが、日本の読者にはどうでしょう。
日本の本屋でも上巻は売り切れになっていましたが、中下巻まで頑張れた読者はどれほどいるのでしょうか。
ダイバーで、海好きの私には、とっつき易い内容でしたが、それでもあまりに海洋科学の解説が多すぎて、辛かったです。
一気に読み進める部分がある一方で、解説部分はくどすぎて読むのに時間がかかりました。
あと細かいことですが、著者と訳者のどちらの間違いがわかりませんが、作品中で何度かでてくるダイビングの描写で、タンクにはいっているのは空気ですね。酸素ではありません(笑)。
著者の問題意識の高さは十分に評価します。
話の筋もブレがないのはよいと思います。
ダイバーにとっては、海流のことや海の生物の生態など、海の知識を広げるのにお薦めの一冊です。」
『水の迷宮』
「最後の20ページで2ポイントダウンでしました。
話のテンポはいいし、水族館内の描写や様相が異なるを海の説明が上手だなぁと星5つをつけようと
思っていたのですが残念です。
これは価値観の違いでしょうけれど、人はしていいことと悪いことがあると思います。理由はどうあ
れ。
してはいけないことをした人を正当化するような幕引きは、私には理解できません。残念です。」
3つのブログのランキングに参加しています。お時間ございましたら、それぞれにクリックお願いします!
せっかくブログをアップしているので、一人でも多くのダイビング好きに読んでいただきたいなと思います。自己満足かな(苦笑)
クリックいただきランキングが上昇するメリットは、私のブログの存在をこれまで知らなかった方に知っていただけることです(笑顔)。
「私も、ダイビングや海の描写がある作品って気になりますが、あまり出会ったことがないような気がします。」
私も書店では、ダイビングや海の描写を探すのですが、確かにたくさんあるとは言えませんね。
作家さんにダイバーや海好きが少ないのか、小説のテーマにしづらいのか、どちらかなのでしょう。
そんな数少ない、ダイビングや海を描いた小説を紹介させていただきます。
私が、昨日から読み始めたのは、
『アクアリウム』篠田節子(新潮文庫)
ジャンルは、サスペンス・ファンタジーです。まだ半分ちょっとしか読んでいませんが、なかなか読みやすいです。後半は環境問題がテーマになりそうな雰囲気です。
主人公は、単独で奥多摩にある地底湖に潜ります。。
小説の中とはいえ危険です。。。
しかも横穴にまで入っちゃう。。しかも途中で自ら命綱を切るなんて。。
作者は、かなりしっかりしたダイビングの知識をお持ちです。
単独で潜るとドキドキするとか、エアの枯渇感があるだとか、パニックの兆候についての記述があります。
1箇所だけ、マスクと書くべきところゴーグルとなってます。
素潜りのシーンですが、ゴーグルはダメ!マスククリアできないと深くまで潜ることできません。
『沈むさかな』武田ティエン(宝島社文庫)
という小説は、サスペンスミステリーというジャンルです。
この作者にとってデビュー作ということもあり、正直、話の展開が雑です。
でも全編にわたってダイビングの描写があります。ダイビングが事件を解く鍵なので。。。
この作者もかなりダイビングにはまっています。
過剰なくらいダイビングについて語っています。
作品に登場するイントラの言葉です。
「いい加減なインストラクターに習った生徒は事故を起こすかもしれない。しかしその事故の最中ですら、生徒はなぜこんなことになったのかわからないだろう。厳しいインストラクターの生徒だって事故を起こすかもしれない。しかし彼は、事故の原因に気づくことができる。自分のミスに思い当たることができるのだ。事故が命に関わらなかった場合、この差異は次のダイビングに実力となってあらわれる(後略)」
熱いでしょ。。
さらにこの後には、「浅場の体積変化が大きく浮上のとき気をつけなくてはならない」など私がブログで話題にしたような内容が続きます。
『機体消失』内田幹樹(新潮文庫)
『海に消えた神々』今野敏(双葉文庫)
この2冊も、作者はダイバーらしく、ダイビングの記述があります。
『海に消えた神々』について以前、私がこのブログ書いた感想です。
「この著者の名前と、“海!”というタイトルに惹かれて買ったのですが、正直、他の今野作品のファンの立場では、他の作品に比べて、ひねりがなく、可もなく不可もない感じで、ちょっとがっかり。
。。6年前に刊行されているから仕方ないのかな。
でもダイバーの立場では、与那国など海底遺跡が話題の中心なので親しみやすい内容です。
与那国の海底遺跡論争は賛否両論ありますが、この小説読み終えて私は「与那国はやっぱり海底遺跡にちがいない!」と信じたのでした。。(笑)
そしてこの小説で何より好感を持てたのが、ダイビングの描写が正確だったこと。
著者は間違いなくダイバーですね。どうやら渋谷区にあった老舗のダイビングショップでCカードを取得したようです。
お店の実名を出してベタぼめしていたのには閉口しましたが、著者はそこのオーナーさんからしっかりとした講習を受けた様子がうかがえます。。。
小説の中に、主人公の探偵が、講習後の初ダイブで沖縄の海底鍾乳洞を潜るシーンが出てきますが、ビギナーが感じる不安感、パニック直前の心理状況、青い海に戻ってきたときの開放感など著者自身も感じたであろうドキドキ感が正直に書かれています。。
この小説、ダイバーが読めば、より著者の気持ちがわかると思います。
“ダイビングを繰り返すと相当の疲労がたまり集中力が落ちる”という私たちも経験したことのある事実が、ちょっとしたキーにもなっています。。
もし興味を持たれたら読んでみてはいかがでしょう。。私はとあるレビューで星3つをつけましたが、元々、腕のいい著者の作品なので楽しめると思います。」
『深海のYrr』(早川書店)
『水の迷宮』石持浅海(光文社)
この2冊は、ダイビングというより海がテーマ。前者は海と環境問題、後者は水族館の描写が素晴らしい。
私が別のサイトに書いたレビューです。
『深海のYrr(イール)』
「上中下巻すべてにわたってのレビューです。
いや~長かったです。
最近忙しかったこともありますが読み終わるのに2週間もかかってしまいました。。
ドイツではベストセラーらしいですが、日本の読者にはどうでしょう。
日本の本屋でも上巻は売り切れになっていましたが、中下巻まで頑張れた読者はどれほどいるのでしょうか。
ダイバーで、海好きの私には、とっつき易い内容でしたが、それでもあまりに海洋科学の解説が多すぎて、辛かったです。
一気に読み進める部分がある一方で、解説部分はくどすぎて読むのに時間がかかりました。
あと細かいことですが、著者と訳者のどちらの間違いがわかりませんが、作品中で何度かでてくるダイビングの描写で、タンクにはいっているのは空気ですね。酸素ではありません(笑)。
著者の問題意識の高さは十分に評価します。
話の筋もブレがないのはよいと思います。
ダイバーにとっては、海流のことや海の生物の生態など、海の知識を広げるのにお薦めの一冊です。」
『水の迷宮』
「最後の20ページで2ポイントダウンでしました。
話のテンポはいいし、水族館内の描写や様相が異なるを海の説明が上手だなぁと星5つをつけようと
思っていたのですが残念です。
これは価値観の違いでしょうけれど、人はしていいことと悪いことがあると思います。理由はどうあ
れ。
してはいけないことをした人を正当化するような幕引きは、私には理解できません。残念です。」
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せっかくブログをアップしているので、一人でも多くのダイビング好きに読んでいただきたいなと思います。自己満足かな(苦笑)
クリックいただきランキングが上昇するメリットは、私のブログの存在をこれまで知らなかった方に知っていただけることです(笑顔)。
1冊も読んだ本がないのはちょっとさびしいですが・・・(笑)
私もひとつだけ紹介させていただきます。
本ではありません。
映画、名探偵コナン『紺碧の棺』です!(爆)
ダイビング中に鮫に襲われるのですが、実は偶然の事故ではなくしかけられた殺人だった・・・
という。
ダイバーとしては、あってほしくない内容ですが。。
ちょっとトリックが、むりやりだったような気もします。
お暇なときにでも、いかがですか?(笑)