梅雨に入ると、うっとうしさにいささかうんざりするものの、毎年楽しみにしているものがある。梅雨入りを待っていたかのようにラズベリーが真っ赤に熟してくる。それまでの白い実が一気に赤くなる。小さい実ながらも青葉の中では目立つ。
ラズベリーは隣の空き地にある。年中ほったらかしにしてある。だから収穫は一定していない。ざっと見渡したところ、今年は昨年に比べて少ないようだ。果物は手をかけないと隔年結果になるようで、わが家の果物は全般的に今年は不調である。
ラズベリーは毎朝摘む。玄関にパジャマ姿で朝刊を取りに行くとき、ついでに摘んでくる。摘むたびにそれを冷凍庫に入れていく。毎朝の収穫はわずかも、しだいにその量は増えて、わたしの努力の成果となってあらわれる。
ラズベリーを何にするか。ジャムにする。そのジャムたるや、世界一と自認している。とくに香りと色が素晴らしい。今年は瓶にしてどれくらいできるのだろうか。タヌキの皮算用を始めている。わたしにはそれほどうまいものである。だから雨の日にも傘をさして摘み取るのが苦にならない。