トウガラシを株ごと抜いて、そのままの姿でいま乾燥させている。秋の日差しに輝く真っ赤なトウガラシ。その姿をじっと見つめていても飽きない。なんていい色なんだろうと感心して見つめている。この爽やかな秋の青空に真っ赤な原色は似つかわしくないはずなのに、不思議と合う。派手なけばけばしさはなく、目を刺激することもない。しっとりと切なくなるほどこころ沁みる赤だ。同じ真っ赤なトマトは秋の空に似合うのだろうかと思ってしまう。
トウガラシは毎年作っている。使う量は高が知れている。辛いのが大好きな人とか、食べるラー油を作るとかいう人は別だが、わが家には昨年作ったトウガラシがまだ冷蔵庫にわんさと残っている。これだけ残っているのだから、今年は作らなくともいいかなと思っていても、トウガラシが畑にないと、なにかを作り忘れていのでないかと気になってしまう。
そうか、それならせめて1本だけでも植えつけようか。ポット苗を1個買って植えつけた。1株あれば、わが家の1年分には十分な量だ。トウガラシは好きなのだが、激辛は苦手だ。あまり辛すぎると、いらいらして腹立たしくなる。やはり適度な辛さがいい。
これだけトウガラシが残っているのだから、粉末に加工して一味唐辛子にすればいいものをと思うのだが、いつも思うだけで終わってしまう。今年は粗挽きにしてみようかなと思っている。これなら、うどんにもそばに使えるはずだ。