30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

聖岳と光岳(4)-茶臼岳から光岳を経て易老渡へ

2010-08-27 | 登山

茶臼岳から光岳を経て易老渡へ 

予定変更。光小屋に泊まらないで一気に易老渡まで下山した。
長丁場だった。わき目も振らず全力で跳んで跳んで光岳を往復 


←8月19日から続く

8月20日(金)曇り時々晴れ
茶臼小屋5:35-6:05茶臼岳6:10-6:24仁田池-6:42希望峰-7:59易老岳-9:43静高平・水場-9:51イザルヶ岳分岐-10:00光小屋-10:20光岳-10:30光石-11:07光小屋11:25-13:09易老岳13:15-14:56面平-16:10易老渡-16:45便ケ島・聖光小屋(テント泊)


茶臼小屋の水は手がしびれるほどの冷たさで、うまさも格別だった。
きょうの予定だが、迷った。光小屋に泊まるか、それとも泊まらないで下山口の易老渡まで一気に下りてしまうか。出発時点では、きょうも午後から天気が悪くなるというので、光小屋に泊まる予定で出発した。ところが易老岳に意外に早い時間に着いてしまった。これなら光小屋に泊まらずに光岳を往復して易老渡まで下山できるのではないか。がんばれば下山できそうだ。そうしよう。それからが長丁場だった。夢中で全力で歩いた。体調は日を追うごとによくなってきたのだが、それでも下山口に無事に着いた時がさすがにほっとした。


昨晩はよく眠れなかった。そのきっかけはかみさんが私の鼻をつまんだことにある。私のいびきがうるさくて、周囲の皆さんに迷惑をかけてはいけないのでそうしたらしい。それで目を覚ました。「余計なことをするなあ」と思いながら、またやられてはたまったものではないから、かみさんの横を離れて別の寝床に移動した。この日は空いていたのでスペースはいくらでもあった。これで安心して眠れると思ったのだが、それからが行けなかった。眠りに陥りるときに起こされたものだから、それと他人のいびきに悩まされたせいもあるが、とうとう明け方までよく眠れなかった。

私が小屋を避けてテントにするのは、「いびき」を避ける目的もある。もちろん私のいびきではなく他人のいびきである。小屋に泊まるときは必ず耳栓をする。耳栓は私にとって登山の必須アイテムなのだ。耳栓をしていてもいびきは頭の中に響く。轟音のようないびきは頭にくる。枕を投げたくなる。しかし年を取るにつれてこんどは私がいびきをかくようになった。疲れて酒を飲んだときなどいびきをかくらしい。そうなると他人に迷惑をかけずかつ迷惑を受けないためにはテントが一番である。この日は私が他人に迷惑をかけ、他人からも迷惑を受けた。小屋泊まりとなると、いびきに対して神経質と思われるくらい構えてしまう。

茶臼小屋の明かりは4時に灯った。朝食は5時からだ。すぐに起き出さないでいましばしと寝袋にくるまっている人が多い。この小屋のトイレも遠い。前日の聖平小屋ほどではないにしろりトイレに行くのが億劫になる。起きだして用足しをして手を洗っていて、ふと振り返ると朝焼けのなかに山が見える。富士山? そうだ、富士山だ。あわてて小屋にカメラを取りに行き、皆さんにも富士が見えるよと伝える。

この朝焼けはすぐに消えた。予報ではきょうもあまり天気がよくない。この朝焼けに期待したのだが、すぐにガスが出てきた。家を出るときの天気予報では晴れマークばかりが続いていたが、変わったのだろう。2日続けて夕立があったからがきょうも気をつけなければならない。

4時37分、モルゲンロートにそまる富士山。


5時35分、茶臼小屋出発。
すぐに茶臼岳への登りとなる。「あれ、雷鳥じゃない?」。かみさんの声にほんまかいなと指差す方を見ると、ほんとうだった。雷鳥が2羽ちょこちょこと歩いている。この山域にも雷鳥がいることを知った。ガスの中を歩いているだけに、こんな遭遇は気分転換になって大歓迎だ。



茶臼山からは展望がいいという。しかしガスだ。あきらめていたのだが、ふとガスがはれるような気配だ。晴れ間が見えてきた。このチャンスを逃してたまるかと目の前の茶臼岳を撮ることができた。しかしそれもつかの間でまたガスの中に消えた。
このとき残念だったのは目の前の茶臼岳ばかりに気をとられて後ろを振り返らなかったことだ。たぶん、上河内岳をはじめとする南アルプスの山々を眺めることができたんだろうなとちょっぴり悔やんだ。




6時5分、茶臼岳。
2604㍍の茶臼岳を過ぎれば、この先には展望のいいところはないはずだ。せめて最後にもう一度南アルプス南部の山を見ておきたい。しかし山頂はガスだ。後ろ髪を引かれる思いで山頂をあとにしようとすると、待てよ、うっすらとガスがはれてきたぞ。これはいけるかな。駄目だ、またガスだ。期待してしばらく足をとめた。



こんどはほんとうにガスがはれてきた。このチャンスしかないなと上河内岳方面に向けてカメラのシャッターをなんどもきった。



「茶臼岳からガスの晴れ間に写真を撮ったのだが、やはりいい写真はないなあ」といいながら、この報告を書いているいま、その時の写真をよく見て驚いた。これはもしかして聖岳か。そうだ、聖岳だ。まちがいない。そうするとその右は赤石岳、次は悪沢岳だ。右の大きいのが上河内岳となる。へえー、偶然とはいえうまく捉えることができたんだとうれしくなった。聖、赤石、悪沢の3000㍍峰の3役揃い踏みという豪華さだ。上河内岳からはこの3山が並ぶ姿が見えるというのだがあいにく見えなかった。残念だった。それが茶臼山から偶然にとらえることができた。なにが幸いするかわからない。感心しながらこの写真を眺めている。



6:24仁田池
茶臼岳を下ると仁田池だ。この池は大きいのか小さいのかガスのためよく見えない。


6:42希望峰
茶臼岳から希望峰まであっという間だった。ここはシラビソに囲まれて展望はきかない。


希望峰からぐんぐん下る。こんなに下ってしまってはこのあとの苦労が思いやられる。高度計を見ると、とうとう2300㍍まで下りてきてしまった。やっと易老岳との鞍部になった。そこからまた登り返すのだが、これが苦労もなくすぐに易老岳に着いた。
易老岳に8時に着いた。ここでひと休み。
意外に早く着いてしまった。疲れてもいない。きょうは光小屋に泊まるつもりでいたが、この時間なら泊まらないで易老渡まで一気に行けるんじゃないかと思った。この3日間前後して抜きつ抜かれつの西宮の夫婦もやってきた。話しているうちにこの夫婦もその気になり、それなら下山してしまおうということになった。

7時59分、2354㍍の易老岳


そうと決まったらゆっくりしてはいられない。すぐに立ち上がった。それっと、先を急ぐ。ここからは休むことなく光岳まで一直線。まさに韋駄天のような?速さで歩いた。かみさんも私以上に速い。西宮の夫婦もピタッとついてくる。みんな元気だなと思いながら一心不乱に歩く。
9時43分、静高平の水場。
呼吸を整えて、水をたっぷりと飲んだ。




9時51分、イザルケ岳分岐
ガスなのでパス。先を急ぐ。


センジケ原の木道が延びる。


光小屋が見えてきた。



10時に光小屋。
急いだだけに易老岳からここまで2時間できてしまった。
ザックを小屋において光岳の頂上に向かう。


10:20光岳
ここが2591㍍の光岳山頂だ。樹林に囲まれて展望はまったくない。そう聞いていたのだが、それにしてもさえない頂上だった。


写真を撮ってもらい、光岳の名前の由来になった光石を見てこよう。ここから7分という標識があった。


10時30分、光石。
これが光石。岩の天辺までのぼれる。向こう側は絶壁だ。かみさんはすぐに上がった。後ろ姿がそうである。一緒に易老渡へ下山することになった西宮の夫婦は写真を撮り終える人を後ろで待っている。


私はこういうところは苦手だ。しかしせっかくなので光石の天辺まで上がった。内心コワイのである。


11時7分に光小屋に戻った。
光小屋に着いてから光岳山頂、光石を巡って戻ると一時間があっという間にたってしまう。
小屋から易老渡の登山口までは約5時間だという。ここを正午までに出ると夕方までには下山できる。正午までは一時間もある。やっと余裕が出てきた。昼食のパンを食べた。早めに出ることにした。

11時25分に下山開始。
ずっとガスっていたのだが、この時間になると日が差すようになり、晴れ間が見えてきた。しかしスカッとした青空にはならなかった。



イザルケ岳分岐
帰りもわき目を振らず急ぐ。イザルケ岳も見えた。展望がいいと聞いているのだが、この天気では期待できない。




この縦走路にはキノコが多く生えている。急ぐばかりが能じゃないと、立ち止まってパチリ。


途中、これから光岳を目指す人たちが大勢やってきた。易老渡から登ってきたのだろう。それにしてもテント組が多い。光小屋の手前にテント場はあったがそれほど広くない。あれで収まるのだろうかとそう心配するほどテント組が目立った。

13時9分に易老岳。
11時25分に光小屋を出てからここまでノンストップでやってきた。易老岳への登り返しかきつかった。易老岳から光小屋への往復はとにかく頑張った。それができているのだから体調はかなりいい。

易老渡の標高は850㍍。2591㍍の光岳山頂からだと標高差1700㍍を一気に下ることになる。いまいる易老岳2354㍍からでも標高差1500㍍を下る。ここからの下り時間は3時間だという。明るいうちに登山口に着くことができる。先が見えてきた。もうひと頑張りだ。

13時15分に易老渡へ向けて下山開始。


この下りは長丁場のうえ、急斜面が続いた。最初は飛ばしたのだが、このままいけば膝がやられると思い速度を落とした。ここまででも相当歩いているのだから疲労がたまっている。下りが一番神経を使う。慎重に慎重にと自分言い聞かせながら。


14時56分に面平。
2時間近く下った。順調だ。ここからあと1時間の歩きだ。さすがに足が重くなり大休止。


16時10分に易老渡。
易老渡の赤い橋が見えてきたときは、さすがに着いたなと安心した。予定通り下りにちょうど3時間かかった。


易老渡の駐車場。金曜日ということもあるのか駐車場はいっぱいだった。


易老渡から便ケ島の聖光小屋までさらに歩いて30分かかる。
16時45分に便ケ島・聖光小屋に着く。
5時35分に茶臼小屋を出てからずっと歩きっぱなしだ。よく歩いた。



すぐに出発前夜と同じように休憩室にテントを張り、夕飯の準備に取り掛かる。縦走の余韻にひたりながら、充実した山歩きができたこと、無事に下山できたことをかみさんとビールで乾杯した。


  8月21日(土)晴れ
聖光小屋=和田宿・かぐらの湯=飯田IC=中央道(諏訪SAで休憩)=首都高速=常磐道=柏IC=我孫子市・自宅


この日は車で帰るだけである。その前に4日間の汗をきれいに流したい。旧南信濃村の「かぐらの湯」に立ち寄ることにした。

出発して間もなく振り返ると聖岳が見えた。あの山をこの足できのうまで歩いてきたのに、いま眺めてみると、それは遠い遠い遥かな山に感じられた。


 


152号線に出て「上島トンネル」を抜けてかぐらの湯へ向かう。途中に「池口岳入山口」の標識があった。池口岳を歩いてみたいという強い希望をずっと持っている。コース状況はすでに頭の中に入っているのだが机上計画だけで実現していない。その入山口がこんな近くにあった。登山口まで行ってみようと152号線を離れて山の斜面を駆けのぼり奥まで行く。今後、池口岳を目指すことがあるのだろうか。自分の意思しだいなのだが、下山してきたばかりなのでその意欲ははなはだ心もとなく感じられた。





「池口岳入山口」前のバス停は瓦屋根の立派な作りだ。車を止めて見入ってしまった。身障者用のトイレもある。なんとも素晴らしいバスストップだった。


「かぐらの湯」は10時オープンなのだが、一時間前ほどに着いてしまった。駐車場わきに足湯があった。これはいい。4日間も酷使した足をゆっくり養生できたのがよかった。さらに湯船に入りすっかり心身ともにすっきりし、やり終えたなという気分でさわやかであった。



(完)


(1)南アルプスの奥深き山へ        (2)便ケ島から聖平小屋へ 
(3)聖岳から上河内岳を経て茶臼小屋へ (4)茶臼岳から光岳を経て易老渡へ


   

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