わが家の秋ナスは不作だった。実をつけないし、生っても大きくならない。あきらめざるを得なかった。早々に株を引っこ抜いて片づけてしまった。
秋ナスのあのとろりとした味わいは、夏ナスにはないもの。その食感を楽しむため、9月に収穫できるように作っているのにとがっかりしてしまった。
原因は、たぶん長雨である。気温が高いのにお日様が長いこと出ない。テレビでも新聞でも野菜の不作と高騰を報じている。家庭菜園をやっていると、野菜の高値がよくわかる。わが家だって野菜不足なのだから。
この雨続きだと趣味の登山にでかけられない。しかしかみさんはこの雨にも負けず、毎週のように雨の中を登山に励んでいる。年を取っての登山は晴れに限る。老い先短いのだから、一山一山を大事にして日を選んだらどうかというのだが耳を貸さない。果たしてそんな山歩きは楽しいのだろうかと思ってしまう。といってもこの秋は晴れがないのだから、それも仕方ないのか。
秋ナスはおしまいになり、いまの時季は端境期だから収穫物はきわめて少ない。サトイモ、ショウガ、ラッカセイ、それに前回取り上げた間引き菜ぐらいなもの。葉物はいましばらく待たないといけない。