伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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前橋育英の守備練習

2013-08-31 14:12:51 | Weblog
前橋育英高校野球部の練習については
8月28日のブログにくわしく書きました。
その後あらたに知ったことを追加します。



(陰のバント対応)

前橋育英の攻撃的守備では、
相手のバントに対して、三塁手などが猛然と前へダッシュし、
2塁やホームでアウトにします。

三塁手の派手な動きの陰で、
それを支える陰の動きがありました。
それはキャッチャーです。

バントをされたときに、野手のところへ早い打球が転がるように
バントをされるボールカウントのときに、
内角直球になるようにキャッチャーが配給を組み立てていたのです。

甲子園の決勝で、延岡学園は3回の攻撃で
2回続けてバントを二封されました。
そのため最終回はバントでなく強攻策に出ざるを得ませんでした。
攻撃的守備が、相手の攻撃の幅を制限したのです。

そこまで考えて投手をリードしていたとは、
野球の守備は奥が深いですね。
捕手の小川君は館林市立多々良中学校の卒業で私の後輩です。
すばらしい後輩を持って嬉しいです。



(ゴロ取り)

前橋育英の攻撃的守備を支えるのはゴロの処理です。
上毛新聞によれば、前橋育英野球部には、
ゴロを転がしあう10種類以上の「ゴロ取り」練習があるそうです。

どこの野球部でも、ゴロを捕る練習はしていると思いますが、
ゴロ取りの種類が10種類もあるなんて驚きました。



(グラブトス)

二塁高橋知也とショート土屋の鉄壁の二遊間。
練習で二人は連携が乱れると納得がいくまで何度も話し合いました。
全体練習のあと、二人はグラブでトスする練習をします。

二塁の高橋は全体練習後の荒れたグランドで打球を受け、
イレギュラーへの反応を磨いたのでした。

(素晴らしい記事なので「SPORTSNAVI」から引用します)
プレーボールの合図から、わずか1分。
岩国商業の先頭打者、横田啓樹の放った打球が二遊間に転がる。
タイミングも場所も、一塁側の岩国商業の応援団からすれば
「抜けた」と思ったボールに、前橋育英のセカンド、高橋知也が追いつく。

体勢を崩しながら捕球した高橋知は、
自分が起き上がってから投げては間に合わないと判断し、
バックハンドでショートの土谷恵介にトス。
受け取った土谷がファーストへ送球したが、ランナーの足が一歩早く、記録は内野安打。

結果的に見れば、先頭打者を出塁させてしまったのだが、
ランナーが出た岩国商業よりも、むしろこのプレーに盛り上がったのは前橋育英であり、
初出場校が最初に見せた華麗なプレーに、スタンドからはどよめきが起こった。
そして、それ以上に盛り上がったのが、当の本人たちだった。



(月曜日は練習しない日)

驚いたことに、前橋育英の野球部は、
月曜日は練習しない日になっています。
部員たちはボランティアとして町内の土手や公園の草取りやゴミ掃除をします。

おそらく全国で有名な野球部は、
毎日何時間も練習し、練習の休みは正月くらいだと思っていました。
ところが新聞などによりますと、
前橋育英の野球部はどうも月曜は休みらしいのです。
これは衝撃です。全国の監督は目からウロコではないでしょうか。

もと巨人の投手だった桑田さんは、
大学院で野球をスポーツとして研究しました。
桑田さんが、弱い東大野球部にアドバイスしました。

「君たちは練習しすぎだ。練習時間を減らしなさい。」
東大野球部は、強くなろうと毎日何時間も練習していました。
その結果、疲労が蓄積し緩慢なプレーを繰り返す練習でした。
翌日以降にも疲労が蓄積し悪循環。

長い時間練習するほど野球が上達するならば、
どんなチームでも簡単に日本一になれます。
一番長く練習すればいいのならば。

でも実際は長すぎる練習は、
選手の集中力をなくし、緩慢なプレーを繰り返すことで
むしろ下手なプレーを身につける練習をしているようなもの。

育英野球部は月曜日は休みと聞いて、
桑田選手の話を思い出しました。

相撲で大事なのは「心技体」。
高校野球に取り組むにあたり、あたりまえのことですが、
野球部員である前に、一人の高校生であり、一人の地域の住民です。

育英野球部員は毎朝無言の散歩でゴミ拾いしていますが、
月曜日は練習せずにボランティアする日と知って、
部員である高校生達の心の成長は、きっとすばらしいのだと思いました。

優勝投手の高橋君が育英進学を決めたのは、
見学に行ったときに、上級生と下級生の仲がとても良かったから。
上級生と下級生がお互いを思いやりながら生活し、練習し、試合に取り組んでいます。

全国の高校野球の強豪チームでは、
上級生による、しごきやいじめ、いやがらせもあるようです。
しかし、育英の姿を見ると、
「本当のチームワークって力になるんだなぁ」と感じました。

私達も、家族や職場、地域活動などで見習いたいと思います。



(全国高校軟式野球選手権大会)

本日の朝日新聞「ひと」からご紹介します。
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初出場で優勝したのは陸上自衛隊高等工科学校。
部員全員が県立の通信制高校に籍をおいています。

胴上げされたのは丸山王明監督。
教え子は命がけの現場へ派遣される。
「僕の仕事は野球を通じた人間作り」。

部員には、先輩が命がけの局面で何を考えたかを話し、
「自分で考え、自分の人生を切り開け」と伝える。

選手は自分の判断で盗塁し、守備位置を変える。
県大会のピンチのとき伝令を送ったら、
「監督は黙って座って」と逆に伝令を返された。

全国大会でも、投手を代えようとしたら
捕手から「経験を積ませましょう」と進言された。

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丸山監督は、選手が自分で考える力を育てる、
という信念ですばらしい成果を上げました。

もちろん、ヒットエンドランのように
複数の選手が関係するチームプレーの時は、
監督のサインに従うのでしょうが、
それ以外の時は、各選手が自分の頭で判断し行動する。
その力を育てたのはすばらしいことだと思います。

監督がタイムを取って伝令を出したら、
「黙って座って」と選手から伝令を返されるなど、
まるで漫才のようです。

監督がピッチャー交代しようとしたら
選手から反対されるというのも、
全国優勝するようなチームでは考えられない出来事ではないでしょうか。
それだけ各選手が、プレーや他の選手の状態をよく把握し、
次の展開を予測しているのだと思います。

野球の試合でも、サッカーの試合でも、
試合中に怒鳴ってばかりいる監督は、自分は怒鳴らないと選手を動かせないと、
指導力のなさを自ら宣伝しているようなもの。
高校サッカーで有名な前橋育英の山田監督の言葉です。
山田監督は海外の指導者の姿を見て実感しました。
もと巨人の桑田投手も同様な話をされています。

年中監督が怒鳴っていて、
選手がそのとおりにプレーしなければならないとしたら、
選手は自分で考えようとはしません。ひたすら監督の顔色を伺うばかりです。
そんなチームで選手が成長しますか?

どならなくても、選手には目も耳もありますので、
監督の話は聞いて理解できます。
監督が試合中に指示出来るのは
野球ならばプレーが途切れたとき。サッカーならば試合中はむり。
試合の時に選手が自分で考え、決断し、行動できるように
育てることが指導ではないでしょうか。



(野球を味わう本)

「スローカーブを、もう一球」山際淳司(角川文庫)
「江夏の21球」山際淳司(上のタイトルの文庫本に入っています)
「『弱くても勝てます』開成高校野球部のセオリー」高橋秀実(新潮社)
野村の『監督ミーティング』」日文新書





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